クリスマスとか年賀状とか、年末年始の行事がテレビで特集されはじめると、だんだんと流行りだしてくる『インフルエンザ』。
特に学校に通う子供がいると、いつもらって帰ってきてもおかしくありませんよね。
我が家では、家の外での対策といえばマスクをして、口や鼻が乾燥しないようにしたり手洗いをちゃんとするようにと言い聞かせてます。
でも、もし家に持って帰ってきたらって考えると、家には高齢の祖母もいるので一大事です。
そんなときに、家庭でのインフルエンザ対策として『部屋を暖かくして、乾燥しないようにする』っていうのをテレビでもよく聞くし、かかりつけの病院とかでも言われてます。
でも『そもそも何で部屋を暖かくして乾燥しないように気をつけたらインフルエンザ予防になるんだ?』と、気になりませんか?
そこで今回は、そんなインフルエンザ予防のポイントである「温度」と「湿度」について
- なんでお部屋の乾燥を防いだらインフルエンザ予防になるのか
- お部屋の温度を暖かくするのは、寒くて風邪をひきにくくするため?
- インフルエンザ予防のためのお勧めの温度と湿度調節のしかた
家庭内でのインフルエンザ予防には湿度管理が有効
でも、なんでインフルエンザって寒くなって乾燥する季節になってくると流行りはじめるんでしょうか?
インフルエンザ・ウイルスは乾燥すると活性化する
一般的には湿度が50%よりも低い状態だと、ウイルスの活動が活発になって活性化(毒性を持ってしまう)すると言われてます。
インフルエンザ・ウイルスも同様に、湿度が低くなると活性化して毒性を持ってしまいます。
そして、実はインフルエンザ・ウイルスの表面ってタンパク質で作られているんですね。
そして空気が乾燥してくるとウイルス内部の水分が蒸発していきます。
そうするとウイルスが空気中にふわふわと浮かびやすくなって、人の口や鼻から侵入することで感染してしまいます。
通常であれば、のどや鼻は粘膜で守られていてインフルエンザ・ウイルスが侵入してきても、その粘膜で体内に入って発症するのを防いでくれています。
ところが空気が乾燥してくると、その粘膜の機能が低下してしまって、ウイルスの侵入を許してしまいやすい状態になってしまいます。
なので、冬の乾燥した季節になると、インフルエンザが流行しはじめるんですね。
インフルエンザは夏や熱帯雨林地域でも感染する
でも、実はインフルエンザは寒くて乾燥した冬にだけ感染するものではないんですね。
日本でも『夏にインフルエンザが原因で小学校が学級閉鎖になった』なんてことも実際に起こっています。
熱帯雨林で常夏の東南アジアでも雨季にインフルエンザが流行したりもします。
なぜ、『乾燥すると活性化する』インフルエンザ・ウイルスが湿度の高い夏とか、東南アジアの雨季に流行してしまうんでしょうか?
それは実はウイルスの特性として、湿度が50%よりも低くなると活性化してしまうだけではなく、湿度が70%よりも高くなっても活性化してしまうことがわかっています。
それに、今はエアコンの普及で部屋の中が乾燥した状態になることが多いですよね。
それによってインフルエンザ・ウイルスが体に侵入することで感染してしまいます。
また、インフルエンザ・ウイルスが活性化しているので、ウイルスが手に付着した状態で、お菓子とかをそのままの手で食べたりすることでも、感染したりもします。
それと、夏になると夏バテになったり、エアコンの効きすた部屋にずっといることで、クーラー病になったりして、『体の免疫力が低下』してしまうことで、インフルエンザが発症してしまいやすくなります。
その他には、夏になると日も長くなって寝る時間が遅くなって夜更かしをしてしまいやすくもなりますよね。
それによって睡眠不足にないやすく、免疫力が低下しやすくもなります。
東南アジアで雨季になると、インフルエンザが流行するのは、次の2つが原因ではないかと考えられています。
- 湿度が高くなることでウイルスが活性化してしまうこと
- 体内からビタミンDが減ってしまうことで免疫力が低下してしまうこと
なぜ東南アジアの人たちのビタミンDが減ってしまうかと言うと、太陽の光を浴びたときに、紫外線の吸収によって体内でビタミンDが作られますが、雨季になって太陽の光が少なくなることが原因ではないかと言われています。
インフルエンザ予防に有効な湿度
なので、インフルエンザ・ウイルスが活性化してしまう湿度(50%以下、70%以上)ではない状態、つまり湿度を50%から70%の間に保つこと。
それによって、室内にインフルエンザ・ウイルスが入ってきてもインフルエンザに感染しにくい状態にすることができますよね。
それに、部屋の乾燥を防ぐことで口や鼻の粘膜を保護して『体のバリア機能』を強化することにもなります。
インフルエンザ予防に有効で家族が過ごしやすい温度と湿度は?
湿度をしっかりと適正な常置に保っていても、実はそれだけではインフルエンザ・ウイルスの予防にはならないんです。
って言うのも、いくら湿度をウイルスの苦手な50から70%に保っていても、温度が低いとウイルスの生存率はそんなには下がってくれないんです。
例えば同じ湿度50%の状態でも、温度が22度だとウイルスの生存率は5%未満にまでなるんだけど、温度が10度の時はまだ40%も生存率があるんです。
同じ湿度でも、温度が高くなるほどウイルスの生存率は低くなっていって、温度が32度になると、生存率はほぼ0%になります。
快適でインフルエンザ予防にも効果がある温度と湿度
いくらインフルエンザ・ウイルスの生存率が低いからといって、湿度が70%で温度が32度のお部屋だと、すごく過ごしにくい不快な環境になってしまいますよね。
では、快適に過ごすことができるお部屋の温度と湿度っていうのは、どれくらいなんでしょうか?
室内温度 25度~28度、湿度 55%~65%
<冬場>
室内温度 18度~22度、湿度 45%~60%
インフルエンザの流行する冬場の最適な温度と湿度を見ると、ちょうどインフルエンザ予防に適した温度と湿度とほぼ一致しますよね。
そして、湿度が50%以上のときには、室温をあげていくのに従ってウイルスの生存率も低くなっていきますけど、温度が22度を超えてくるとその低下率もなだらかになっていきます。
なので、私がお勧めするインフルエンザ予防にも効果があって、快適に過ごせるお部屋の温度と湿度は、ずばり『温度22度くらいで、湿度は50~60%』です。
このお部屋の状態なら、のどや鼻の粘膜もしっかりと機能してくれますしね。
これ以上湿度を高くしてしまうと、窓の結露がすごく多くなってしまって、カビとかの原因にもなってしまいますから注意してくださいね。
これを基準にして、あなたの最適なお部屋の温度と湿度を調節していってくださいね。
お勧めのインフルエンザ予防の湿度と温度調節の仕方
インフルエンザ予防に最適な室温と湿度はわかったけど、その状態に保つのって結構大変で面倒ですよね。
エアコンがあれば、温度設定ができるので室温は調節できるけど、湿度調節が難題です。
一般的に湿度をあげるには
- 加湿器
- 空気清浄機の加湿機能
- 洗濯物の部屋干し、濡れタオルを部屋にかけておく
- ストーブの上のやかん
- 定期的に霧吹きで湿度調節
湿度が表示されるような加湿器とか空気清浄機があれば湿度もわかるし、部屋干しとかの場合は、部屋に湿度計を付けるとかでしょうか。
でも、しょっちゅう気にして見ておかないと気がついたら湿度が80%近くになってたなんてことも。
そこで、お勧めなのが『インフルエンザ警報付き温湿度計』っていうものです。
室内の温度と湿度を見て、インフルエンザが活性化しやすい温度・湿度になったら知らせてくれるという優れものです。
お知らせも『警告表示』だったり、『アラーム音』や『LEDの光』で知らせてくれるものまで様々です。
いろんなメーカーから出されていてお値段も2,000円くらいからあるので、お好みの機能やデザインのものを探してみるといいですよ。
私も3,000円程度のものを使ってますが、とっても重宝してます。
ものによっては、真夏の熱中症や食中毒、冬場のカビやダニが発生しやすい状態の警告まで出してくれちゃうものや、どこにでも持ち運べる小さな携帯型なんかもあるので、いろいろ探してみるだけでも楽しいですよ。
インフルエンザ予防のポイントのまとめ
インフルエンザ予防に有効な『お部屋の温度と湿度管理』について、お話をしてきました。
が、インフルエンザ・ウイルスを撃退しましょうと話してきて、最後に言うのもなんですが。実は室温や湿度をいくら頑張って調節しても、インフルエンザ・ウイルスって死滅してしまう訳ではないんです。
ウイルスは細胞を持たないので、厳密に言うと『死滅』してしまうんではなくて、不活性化します。
不活性化することで毒性もなくなってインフルエンザを発症することもなくなるんですね。
まぁ『死滅』だろうが『不活性化』だろうが、インフルエンザの感染を予防できることに変わりはありませんからね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。