みなさんは、アデノウィルスって聞いたことはおありでしょうか?
実はこれ、夏に流行する「喉の痛みが頑固で発熱」が特徴の、夏のインフルエンザといわれるものです。今回はこのあまり聞きなれないアデノウィルスについて、その症状と予防方法についてご紹介します。
多くのアデノウイルスは、体内での潜伏期間が5~7日。便や飛沫、直接接触により感染し、扁桃腺やリンパ節の中で増殖します。
でも、このアデノウイルスは種類が非常に多んです。そのため、一旦完治したとしても油断をすると何度も似たような病気になる可能性があるんですね。
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アデノウィルスの種類
ひとことで「アデノウイルス」と言っても、このウイルスにはとても多くの種類が存在しています。
そして、その種類によって症状も全然違ってきてしまうんです。
そこで、まずはアデノウイルスの主な種類と、その症状をご紹介していきたいと思います。
咽頭結膜熱
1日の間に39~40度の高熱と、37~38度前後の微熱が、上がったり下がったりの状態が4~5日ほど続き
といった症状を伴います。
その間、頭痛、腹痛や下痢を伴い、耳介前部および頸部のリンパ節が腫れることもあります。加えて、結膜炎症状がみられる場合は咽頭結膜熱と診断されます。
両目または片目が真っ赤に充血し、目やにが出ます。
現在は、塩素濃度管理の徹底でプールによる感染は稀ですが、昔は夏にプールを介して流行することがあったため、「プール熱」とも呼ばれていました。
予防方法として、
などで、これらの予防をしっかりすることで、ある程度の効果が期待できます。
実はこの呼吸器感染症は、学校保健安全法上の学校感染症の一つであり、主要症状がなくなった後、2日間の登校禁止となっています。
呼吸器感染症
この「呼吸器感染症」には、乳幼児がかかることが多い病気です。髄膜炎、脳炎、心筋炎などを併発することもあります。
だらだらと長引く発熱、咳、呼吸障害など重症になることがあり、油断すると時に致命的なことにつながるので、注意が必要です。
流行性角結膜炎
目が充血し、目やにが出るが、咽頭結膜熱のように高い熱はなく、のどの赤みも強くはありません。
結膜炎経過後に点状表層角膜炎を作ることが多く、幼小児では偽膜性結膜炎になることがあります。
これも学校感染症の一つで、伝染の恐れがなくなるまで登校禁止となります。
出血性膀胱炎
排尿時痛があり、真っ赤な血尿が出ます。
排尿時の痛みと肉眼的血尿が特徴で、これらの膀胱炎症状は2~3日で良くなり、尿検査での潜血も10日程度で改善します。
胃腸炎
乳幼児期に多く、腹痛、嘔吐、下痢を伴うが、発熱の程度は軽いです。
アデノウイルスの感染経路
次にアデノウイルスの感染経路や、流行の時期について詳しく見ていきましょう。
アデノウイルスの感染経路
アデノウイルスは人から人へ感染します。咳や鼻水の飛沫で感染し、感染力は大変強いです。
咽頭結膜熱のように、結膜からウイルスが入り込んでくることもあります。ウイルスは便の中に排泄されるため、便から感染することもあるんですね。
保育園や病院など、小さなお子さんが集団になっている場所では、世話をする人たちの手や衣服を介して感染が拡がることもあります。
アデノウイルスの流行の時期と潜伏期間
実は、アデノウイルス感染症は、年間通してみられます。
発症してから、数日でウイルスが排泄されはじめることが多いですが、その後、なんと数週間にもわたってウイルスを排泄します。
潜伏期間は、上気道炎で2~14日、胃腸炎で3~10日です。
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アデノウイルスの予防法
感染を防ぐ方法に、実は特別なものはないのが現状です。
などの注意で、感染は減らすことができますが万全ではありません。
プールでの感染は、塩素消毒をこまめにやることで防げますが、個人では関与できないため、難しいかもしれませんね。
アデノウイルスの型によって、出てくる症状も違うのが特徴ですが、保育園、小学校などの登校登園基準は、一律「解熱後2日を経過するまで」となっています。
アデノウイルスについてのまとめ
これからの季節、周囲にも感染しやすい時期になってきます。できればしっかり予防して、まずはアデノウィルスに感染しないようにしましょう。
もし、いつもと違うなどの変化を感じた時は、念のため病院へ行く、しっかり休養をとるなど、無理せず対策を取ることが大切です!