クワガタにスイカはNG?飼育初心者が知っておくべき大事な理由

夏になると、子どもから「クワガタ飼いたい!」と言われること、よくありますよね。

虫取り網を持って近くの公園へ行ったり、夏祭りの夜店でついつい買ってしまったり、ホームセンターで飼育セットを見かけてそのまま連れて帰ってきたり…。

そんなふうに、クワガタとの暮らしが急に始まることも多いと思います。

でも、いざ家に連れて帰ったあと

「何を食べさせたらいいの?」
「スイカってあげてもいいのかな?」

と戸惑うパパやママも少なくありません。

中には、昔自分が子どものころスイカをあげていた記憶から、なんとなく「スイカでいいか」と思ってしまうこともあるかもしれませんね。

でも実は、クワガタにスイカをあげるのはNGなんです。

一見良さそうに見えて、実はクワガタの体にとってよくない要素がたくさん含まれているんですよ。

この記事では、「なぜスイカがダメなのか?」という理由をわかりやすく解説しながら、代わりにどんな餌をあげたらいいのか、初心者の方でも安心して実践できる飼育方法を詳しくご紹介していきます。

これからクワガタと楽しく暮らしたい方に向けて、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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クワガタにスイカを与えるのはなぜダメ?

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スイカの成分が引き起こす問題とは?

スイカは人にとっては水分たっぷりで甘くておいしい果物ですが、クワガタにとってはあまり意味のない食べ物なんです。

人の感覚で「おいしいからきっと喜ぶだろう」と思ってしまいがちですが、クワガタの体の仕組みや必要としている栄養は人間とはまったく異なります。

スイカの主な成分は水分と糖分で、実はタンパク質やビタミン、ミネラルなど、クワガタにとって本当に必要な栄養素はほとんど含まれていません。

甘い香りに引かれて食べてしまうクワガタも多いですが、体には必要な栄養がまったくと言っていいほど含まれていないため、満腹にはなっても健康にはつながらない餌なんですね。

その結果、元気がなくなったり、寿命が短くなってしまったりすることもあります。

スイカは「おやつ」どころか、体をこわす原因にもなりかねないリスクの高い食べ物なのです。

水分が多すぎることで起こる体調不良

スイカは90%以上が水分でできています。

クワガタがこれをたくさん食べてしまうと、体内の水分バランスが崩れてしまう恐れがあります。

もともと小さな体のクワガタにとっては、ちょっとした変化でも大きな負担になるんです。

水分過多になると、お腹をこわしてしまったり、排泄がうまくできなくなったり、体の調子を崩す原因になってしまいます。

さらに、水分ばかりで胃腸が冷えてしまい、活動が鈍くなることもあるので注意が必要です。

スイカは見た目に反して、クワガタの健康をじわじわとむしばむ存在なんですね。

カビや腐敗による衛生面のリスク

さらにスイカのもう一つの問題は、傷みやすさです。

特に夏場の高温多湿の時期は、あっという間に腐ってカビが生えてしまいます。

人間でも生ゴミがすぐに臭ってしまう季節ですが、それはクワガタの飼育ケースの中でも同じこと。

カビが生えた餌をクワガタが口にしてしまうと、病気になってしまうリスクがありますし、ケース内にダニやコバエなどの害虫が湧く原因にもなります。

また、腐ったスイカの汁がマットや木くずに染み込んでしまうと、掃除も大変になってしまいます。

「スイカを入れただけなのに、ケースが汚れて悪臭が…」なんてことになると、せっかくの楽しい飼育も台無しになってしまいます。

こうした衛生面のトラブルを防ぐためにも、スイカは避けた方がいいんです。

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昔はスイカをあげていた?今と昔の飼育スタイルの違い

昔の常識が今ではNGになった理由

「昔はスイカをあげてたけど元気に生きてたよ」という声もよく耳にします。

たしかに、昔は昆虫ゼリーなどの専用の餌がそれほど普及していなかったため、手に入りやすい果物で代用していたというご家庭も多かったと思います。

特に田舎では、庭で採れたスイカを切ってそのまま入れていた、なんてことも珍しくありませんでした。

でも、それで元気に生きていたクワガタは、実はかなり運がよかっただけという可能性もあるんです。

例えば、そもそも飼育期間が短かったり、環境がたまたま良かったり、あるいは個体自体がとても丈夫だったり。

つまり、それが一般的な成功例とは言いにくいんですね。

現在では、飼育に関する情報や研究が進み、より安全に、そしてできるだけ長くクワガタを健康に育てるための知識が広く共有されるようになりました。

昔は「なんとなく」でやっていたことでも、今は明確に「それはよくない」とわかっていることも増えています。

こうした背景から、スイカを与えることが今ではNGとされるのも納得ですね。

昆虫ゼリーが主流になった背景とは?

今では、クワガタ専用の昆虫ゼリーがホームセンターやネットショップなどで簡単に手に入るようになっています。

しかも、種類も豊富で、栄養バランスや保存性に優れたものがたくさんあります。

昆虫ゼリーは、クワガタにとって必要な糖分やミネラル、ビタミンがバランスよく配合されていて、健康的に育てるためにはぴったりな餌です。

しかも、スイカと違って水分量も計算されているので、体調を崩す心配も少なくてすみますし、腐りにくいのでケース内を清潔に保ちやすいのも大きなメリットです。

スイカよりもずっと安全で長持ちする餌として、昆虫ゼリーが主流になったのは、こうした理由があるからなんですね。

手軽で扱いやすく、飼育初心者にも安心して使える、まさに現代のクワガタ飼育の強い味方です。

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クワガタに与えてもよい餌とその選び方

市販の昆虫ゼリーがおすすめな理由

初心者さんには、やっぱり市販の昆虫ゼリーが一番おすすめです。

最近では、ビタミンやミネラル、アミノ酸などがバランスよく配合された高機能タイプのゼリーも多く出回っていて、クワガタの体調をしっかりサポートしてくれます。

種類によっては、発酵系や果実風味のものなどもあり、クワガタの食いつきが良いものもありますよ。

特に注目したいのは、ゼリーの「固さ」。

ゼリーが固めなのでこぼれにくく、飼育ケースも清潔に保ちやすいというのは大きなメリットです。

柔らかすぎると足場に広がってベタベタになったり、クワガタが足をとられてしまうこともあるので、固めのものを選ぶと安心。

さらに、最近ではカップ型でそのまま置けるタイプや、ホルダーにセットできるものなど、使いやすさも工夫されています。

初めてクワガタを飼うという方や、お子さんと一緒にお世話をするご家庭には、扱いやすくて衛生的な市販ゼリーが最適です。

毎日のお世話がぐっと楽になりますよ。

果物をあげるなら注意点あり

バナナやりんごなどの果物をあげることもできますが、これはあくまで「ゼリーが手に入らないときの代用品」として使うようにしましょう。

果物は一見自然でよさそうに思えますが、栄養バランスの面では昆虫ゼリーに劣ってしまいます。

それに、果物はとにかく腐りやすく、特に夏場は数時間でも変色してしまいます。

1日で交換すること、与える量を少なめにすることをしっかり守らないと、すぐにカビが生えたり、小バエが発生する原因になります。

また、甘い果物はケース内に汁が広がりやすく、マットや止まり木がベタベタになって衛生状態が悪化してしまうことも。

どうしてもあげたい場合は、ペーパーなどに包んでおくと広がりを防げるので、ちょっとした工夫もしてみてくださいね。

手作りゼリーや自然食品はアリ?

最近では、ネットで手作り昆虫ゼリーのレシピが紹介されていたり、自然志向の飼育法として手作りや天然素材にこだわる方もいます。

ですが、実際のところ保存性や栄養バランス、清潔さを考えると、初心者にはややハードルが高いんです。

手作りのゼリーはどうしても冷蔵保存が必要だったり、雑菌が混入しやすかったりするので、クワガタの健康をしっかり守るには少し不安が残ります。

また、木の樹液が手に入れば理想的ではあるのですが、それも都会や一般家庭ではなかなか難しいものです。

だからこそ、市販のゼリーを上手に活用するのが安心なんです。

長年の研究や実績に基づいて作られている商品は、やはり信頼性が高いですし、毎日のお世話もずっと手軽になります。

飼育に慣れてきたら、手作りや自然派にもチャレンジしてみるといいかもしれませんが、最初のうちは無理せず市販ゼリーで始めるのがベストですよ。

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クワガタを長生きさせるための飼育ポイント

餌の与え方と交換頻度

ゼリーや果物は、毎日~2日に1回は交換するようにしましょう。

特に夏場は気温も湿度も高くなりやすいため、傷むスピードがとても早くなります。

腐った餌をそのままにしておくと、クワガタの健康を害するだけじゃなく、コバエやダニの発生源にもなってしまいます。

さらに、食べかけの餌がケース内にこびりついたり、マットや止まり木に汁が染み込んでしまうと、掃除の手間も増えてしまうんですね。

こまめな交換と、周囲の汚れのふき取りを習慣にすることで、ケース内の清潔さを保ち、クワガタが快適に過ごせる環境をつくることができますよ。

朝のちょっとした時間にチェックするだけでも十分なので、ぜひ習慣にしてみてくださいね。

水分管理と温度調整のコツ

クワガタは自然界では湿った落ち葉の下や腐葉土の中など、湿度のある場所を好んで過ごしています。

飼育下でも同様で、ある程度の湿度があるほうが落ち着いて生活できます。

ただし、湿度が高すぎると、カビが発生しやすくなり、ケース内の衛生状態が悪化してしまうことがあります。

そのため、ケースの底に湿らせた昆虫マットや腐葉土を敷きつつ、**時々乾燥具合を確認してあげると◎**です。

霧吹きで軽く湿らせるのも良いですが、過剰にならないよう注意してくださいね。

また、温度管理もとても大切。

クワガタが元気に活動できるのはおよそ25℃前後が理想とされています。

真夏の室内では30℃以上になることもありますので、直射日光を避けて、風通しのよい涼しい場所に置いてあげましょう。

温度が高すぎると弱ってしまいますし、逆に冷房の風が直接当たるような場所も避けた方が安心です。

子どもと一緒に安全に飼うために気をつけたいこと

小さなお子さんがいるご家庭では、クワガタの足やアゴに注意が必要です。

クワガタのアゴは見た目以上に力が強く、触れたときに挟まれると痛みを感じることもあります。

特にオスのクワガタは大きなアゴを持っているため、無理に触ろうとすると防御反応として挟んでしまうこともあるんですね。

子どもがクワガタを触るときは、大人が見守りながら「そっと持ってみようね」「驚かせないようにしてみよう」と声かけをしてあげるといいですよ。

強く握ったり、急に持ち上げたりするとクワガタにもストレスになってしまうので、優しく扱うことを少しずつ教えていくのがおすすめです。

また、餌をあげたり霧吹きをしたり、掃除をしたりする作業を一緒にやってみると、子どもにとっても生き物との関わり方を学ぶ良い機会になります。

飼育は大変な面もありますが、親子で協力してお世話することで、思い出にもなる楽しい時間が過ごせますよ。

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まとめ

クワガタにスイカをあげるのは、一見よさそうに思えてしまうかもしれませんが、実はさまざまなトラブルのもとになることがあるんです。

スイカにはクワガタが必要とする栄養がほとんど含まれておらず、水分が多すぎることで体調をくずしてしまったり、すぐに腐敗してカビが発生したりと、思わぬリスクが潜んでいます。

その点、市販の昆虫ゼリーは栄養バランスが整っていて腐りにくく、クワガタが健康に過ごすためにはとても頼りになるアイテムです。

ゼリーの固さや形状も工夫されているので、ケース内も清潔に保ちやすく、初心者でも扱いやすいのが魅力ですね。

クワガタを飼うことは、子どもにとっても生き物の大切さを学ぶ貴重な経験になります。

スイカのように身近なものではなく、きちんとクワガタに合った餌を選ぶことが、命を預かる責任の第一歩です。

子どもと一緒に楽しく観察したり、お世話を分担したりしながら、正しく安全な飼育を心がけて、クワガタとの毎日をもっと豊かなものにしていってくださいね。