クワガタにスイカはダメ?元気に育つ正しいエサ3つと注意点とは?

クワガタにスイカをあげてもいいのかな、下痢になるって聞いたけど本当なんだろう、と気になって調べていませんか。

子どもが捕まえてきたクワガタを前に、冷蔵庫にあるスイカをちょっとあげてみようか、でも弱ったら困るし…と手が止まっている方も多いと思います。

先に結論をお伝えします。

スイカを食べたからといって、人間が思うような「病気の下痢」になるわけではありません。

クワガタの成虫はもともと、おしっことうんちが分かれていない液体状の排せつをする生き物です。

だから水っぽいものが出ても、それは多くの場合ふつうのこと。

ただ、スイカはほとんどが水分で栄養が乏しく、ケースも汚れやすいので、ふだんのエサとしては積極的におすすめできません。

毎日のごはんは昆虫ゼリーにしてあげるのが、いちばん安心で手間もかからない方法です。

そして、もうスイカをあげちゃった、という方も心配しすぎないでくださいね。

少しあげた程度で取り返しがつかなくなることは、ほとんどありません。

この後でお伝えする手順でケースを整えて、エサをゼリーに切り替えれば、ちゃんと立て直せます(あわてて夜中に虫かごを覗き込まなくて大丈夫ですよ)。

この記事を読めば、スイカの何が問題なのかがスッキリ分かって、今日から何をあげればいいか、ケースをきれいに保つコツ、さらに長く元気に飼うためのエサ選びまで、まるごと分かります。

この記事でわかること

  • スイカで「下痢」になるというウワサの本当のところ
  • スイカをふだんのエサにおすすめしない3つの理由
  • クワガタが元気に育つおすすめのエサと選び方
  • もうあげた後でもできるリカバリーとケースの掃除のコツ
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スイカで下痢は本当なのかをやさしく整理

「スイカ=下痢でダメ」というウワサ、ずいぶん昔から言われていますよね。

でもこの話、半分は誤解が混じっています。

まずはそのウワサの正体をほどいてから、それでもスイカをおすすめしない理由まで、順番に見ていきましょう。

クワガタのうんちはもともと液体という事実

クワガタの成虫は、わたしたちのように固形のうんちをしません。

おしっことうんちの区別がなく、いつも液体状のものを出しています。

木の樹液など水分の多いものを主食にしている生き物なので、これはごく自然な体のしくみなんです。

つまり、ケースの中に水っぽい跡がついていても、それは「お腹を壊したサイン」とは限りません。

むしろ元気に食べて、元気に出している証拠だったりもします。

スイカをあげた後にビチャッとした跡を見て「下痢だ、どうしよう」と焦ってしまう。

その気持ちはとてもよく分かるのですが、まずはここで一度肩の力を抜いてくださいね(虫を飼うって、最初はこういう小さなドキドキの連続なんですよね)。

スイカが原因で病気の下痢になるわけではない理由

「スイカを食べると下痢をして弱る」と言われてきた背景には、この液体状の排せつを見た人が「下痢をしている」と思い込んだ、という事情があるようです。

実際には、スイカは水分が多いぶん、出てくる水分の量が増えて見えるだけ、というケースがほとんどです。

ですので、スイカそのものに毒があって、食べたら必ず体調を崩す、というわけではありません。

ここは安心していい部分です。

「スイカを少しあげちゃったから、もうダメかもしれない」と思い詰める必要はないんですね。

ただし、ここで「なんだ、じゃあスイカでいいじゃん」とはならないのが、今回の大事なところ。

理由は次でお話しします。

それでもふだんのエサにはおすすめしない理由

スイカは「毒ではない」けれど「向いていない」。

この違いがポイントです。

下痢になるかどうかという一点だけ見ると問題なさそうに思えますが、エサとしての中身や、ケースの衛生まで考えると、スイカにはいくつものマイナスが重なってきます。

我が家でも最初の年は、家にあったスイカをあげていました。

たしかによく食べるんです。

でも翌朝ケースを覗くと、なんだか湿っぽくてにおいも気になって…。

次の年から昆虫ゼリーに変えたら、世話がびっくりするくらい楽になりました。

次の章では、そのマイナス点を3つに整理してお伝えしますね。

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スイカをおすすめしない3つの理由

スイカが「ダメ」というより「向いていない」のは、ひとつの大きな欠点があるからではなく、小さなマイナスが3つ重なるからです。

ひとつずつ見ていくと、なぜ昆虫ゼリーがすすめられるのかも見えてきますよ。

水分ばかりで栄養がほとんどないこと

スイカは、その大部分が水分です。

甘くてクワガタもよく口をつけるのですが、体を維持するための栄養という意味では、とても心もとない食べ物なんです。

自然界のクワガタが食べているのは、木から出る樹液。

この樹液には糖分だけでなく、体をつくるもとになる養分も含まれています。

スイカは甘さこそあっても、そうした養分はほとんど期待できません。

「食いつきはいいけれど、栄養は足りない」これがスイカのいちばんの弱点です。

水分でお腹は満たされても、必要な栄養が入ってこない。

これでは長く元気に過ごすのは難しくなってしまいます。

おしっこが増えてケース内が汚れやすいこと

さきほどお話ししたように、クワガタは水分の多いものを食べると、その分だけ出す水分も増えます。

スイカのように水分たっぷりのものをあげると、ケースの中がどんどん湿っぽく、汚れやすくなっていきます。

マットがベチャッと湿ると、見た目が悪いだけでなく、においの原因にもなりますし、この後でお話しするコバエやダニといった招かれざる虫を呼び寄せやすくなります。

せっかくきれいにしていたケースが、エサのせいで一気に汚れてしまう。

これは飼っている側にとっても、なかなかこたえるんですよね(毎日掃除する気力、正直そんなに続かないですもんね)。

腐りやすくコバエやダニやにおいを呼びやすいこと

生のスイカは、とにかく傷むのが早い。

とくに夏場は、半日から1日もすればしんなりして、においが出てきます。

この傷んだ果物のにおいが、コバエ(とくにショウジョウバエ)を引き寄せてしまうんです。

一度コバエがわくと、部屋の中を飛び回って本当にやっかい。

さらに湿った環境はダニも増えやすく、クワガタのストレスにもつながります。

「栄養が少ない」「ケースが汚れる」「虫やにおいを呼ぶ」この3つが重なるからこそ、スイカはふだんのエサに向いていないのです。

逆にいえば、この3つを避けられるエサを選べばいい、ということでもありますね。

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もうあげてしまった人へ今日からできるリカバリー

ここまで読んで「もうスイカあげちゃったよ…」と青くなっている方、大丈夫です。

あわてなくて平気ですよ。

一度や少量あげた程度で、深刻なことになるのはまれです。

落ち着いて、順番に整えていけば、ちゃんと立て直せます。

残ったスイカと汚れを取り除く手順

まずは、ケースの中に残っているスイカや、汚れてしまった部分を取り除くことから始めましょう。

手順はとてもシンプルです。

  • 食べ残しのスイカや皮を取り出す
  • マットの表面が水っぽく汚れていたら、その部分だけすくって取り替える
  • 汚れがひどければ、マットをまるごと新しいものに替える
  • エサ皿や止まり木がベタついていたら、軽く水洗いして乾かす
ここで全部を完璧にしようと気負わなくて大丈夫。

汚れているところを取り除いて、ケースの中を少し乾いた状態に戻してあげる。

それだけでぐっと環境がよくなります。

エサを昆虫ゼリーに切り替えるタイミング

スイカを片付けたら、エサは昆虫ゼリーに切り替えてあげましょう。

タイミングは「気づいたとき、すぐ」でかまいません。

早ければ早いほど、ケースの汚れもにおいも広がらずにすみます。

もし手元にゼリーがなければ、買いに行くまでのあいだだけ、後でお話しするバナナなどで一時的につないでもOKです。

ただし、それも長く置きっぱなしにせず、傷む前に取り替えてくださいね。

ゼリーが用意できたら、そちらに戻してあげましょう。

切り替えた後の数日で見ておきたいチェックポイント

切り替えたあとは、数日のあいだ、ケースの様子をときどき見てあげると安心です。

チェックするのはこのあたりです。

  • コバエが飛んでいないか
  • マットや体に小さなダニが増えていないか
  • イヤなにおいが出ていないか
  • クワガタがゼリーをちゃんと食べているか
もしコバエやダニ、においが気になっても大丈夫。

この後の章で対処のしかたをお伝えします。

「もう手遅れ」ではなく「ここから整えればちゃんと元気に飼える」と思って、肩の力を抜いていきましょう。

クワガタが元気に育つおすすめのエサ

スイカの話が続きましたが、ここからは前向きな話。

結局のところ、クワガタには何をあげればいいの?という疑問に、具体的にお答えしていきますね。

基本は昆虫ゼリーが一番安心な理由

いちばんのおすすめは、やっぱり昆虫ゼリーです。

ホームセンターや100円ショップ、ペットショップなどで手軽に買えて、値段も手ごろ。

そして何より、クワガタのために栄養を考えて作られた専用のエサなので、安心して毎日あげられます。

昆虫ゼリーには、商品によっては樹液に近い糖分に加えて、体をつくるもとになる養分も配合されています。

スイカに足りなかった「栄養」を、ちゃんと補ってくれるわけですね。

しかもカップに入っているので、エサ皿に置くだけでよく、こぼれにくくて衛生的。

栄養・手軽さ・清潔さの三拍子がそろっているのが、昆虫ゼリーが選ばれる理由です。

いくつか試してみて、我が家のクワガタはわりと黒糖タイプのゼリーをよく食べていました。

高タンパクと書かれたゼリーは少しお高めですが、メスを飼っていた年はこちらにすると調子がよさそうでした(あくまで我が家の場合ですが)。

家にあるもので代用するならバナナやりんご

「ゼリーが切れちゃった、今日はもうお店に行けない」というときもありますよね。

そんなときの一時しのぎとして、家にあるもので代用するなら、バナナやりんごが向いています。

バナナは栄養と水分のバランスがよく、クワガタの食いつきも上々。

りんごは比較的傷みにくいので、扱いやすいのがうれしいところです。

表のかたちでまとめておきますね。

食べ物 向き不向き ひとことメモ
昆虫ゼリー ◎ 毎日の主食に 栄養・衛生・手軽さがそろう基本のエサ
バナナ ○ 一時しのぎに 栄養と水分のバランスがよい。傷んだら早めに交換
りんご ○ 一時しのぎに 比較的傷みにくく扱いやすい
スイカ・メロン △ 向かない 水分が多く栄養が乏しい。ケースが汚れやすい
きゅうり △ 向かない スイカと同じく水分が多すぎる

代用はあくまで「ゼリーが用意できるまでのつなぎ」と考えておくと安心です。

バナナやりんごも、置きっぱなしにすると傷んでコバエの原因になるので、早めに取り替えてあげてくださいね。

避けたいエサと与えるときの注意点

逆に、できれば避けたい食べ物もあります。

代表的なものをまとめます。

  • スイカ・メロン・きゅうりなど水分が多すぎるもの
  • はちみつの原液(濃すぎて口のまわりに固まってしまうことがある)
  • みかんやレモンなど酸味の強い柑橘類
  • 味つけされた食品や、人間用のお菓子など
どうしてもスイカをあげたい場合は、ごく少量を短い時間だけにして、食べ終わったらすぐ片付ける。

これくらい気をつければ、大きな失敗にはなりにくいです。

ただ、わざわざスイカを選ぶより、最初からゼリーにしておいたほうが、結局はずっと楽なんですよね(手間を考えると、近道って実はゼリーだったりします)。

ケースをきれいに保つ毎日の世話のコツ

エサ選びと同じくらい大事なのが、置き方と掃除です。

ここがうまくいくと、クワガタも快適、飼う人もぐっと楽になります。

ちょっとしたコツをお伝えしますね。

エサの置き方と交換のちょうどいいタイミング

ゼリーは、そのまま地面に置くより、エサ皿に入れて与えるのがおすすめです。

エサ皿があると、クワガタがひっくり返したときにもこぼれにくく、体や脚が汚れにくくなります。

止まり木とエサ皿が一体になったものを使うと、置き場所も安定して便利ですよ。

交換のタイミングは、1日おきから数日に一度が目安です。

あまり食べていないように見えても、傷む前(おおむね数日以内)には新しいものに替えてあげましょう。

とくに夏場は傷みが早いので、こまめに見てあげてくださいね。

置き場所も、高温になる場所や直射日光は避けて、風通しのよい涼しいところを選んであげると安心です。

コバエを増やさないための工夫

コバエ対策の基本は、なんといっても「エサを腐らせないこと」。

傷んだエサのにおいがコバエを呼ぶので、こまめな交換がいちばんの予防になります。

それに加えて、次のような工夫も効果的です。

  • エサは皿に入れて、直接マットに置かない
  • フタと容器のあいだに新聞紙や防虫シートをはさんで、すき間をふさぐ
  • コバエの侵入を防ぐ、目の細かいフタのケースを使う
水分の多いスイカをやめてゼリー中心にするだけでも、コバエの出やすさはずいぶん変わります。

エサ選びと衛生は、実はつながっているんですね。

ダニがついたときのやさしい落とし方

野外で捕まえてきたクワガタには、体に小さなダニがついていることがあります。

多くは無害ですが、増えすぎるとクワガタのストレスになるので、気になるときは落としてあげましょう。

やり方は、ぬるめの水を少しずつかけながら、やわらかい歯ブラシや筆で、やさしくこすってあげるだけ。

冷たすぎる水は弱らせてしまうので、必ずぬるめのお湯で、力を入れずにそっと洗ってあげてください。

関節などの細かいところはダニが残りやすいので、筆を使うと届きやすいですよ。

予防としては、ヒノキなどダニよけ効果をうたうマットに替える方法もあります。

基本は、ケースの中を水っぽくしすぎないこと。

ここでもやっぱり、水分の多いエサを避けることが効いてくるんですね。

長生きや産卵まで考えたエサ選びのヒント

最後に、もう一歩踏み込んだ話を。

どんなふうに飼いたいかによって、エサの選び方の「こだわり度」は変わってきます。

あなたの飼い方に合わせて、参考にしてみてください。

短く観賞するか長く飼うかで変わる選び方

夏のあいだだけ、子どもと一緒に短く観賞するくらいなら、正直そこまで神経質にならなくても大丈夫。

ゼリーを基本にしておけば、それで十分元気に過ごしてくれます。

一方で、できるだけ長く元気に飼いたい、来年もまた会いたい、と思うなら、栄養のあるエサをきちんと選ぶ意味が大きくなります。

長く飼いたい人ほど、水分ばかりのスイカではなく、栄養のそろった昆虫ゼリーを選ぶ価値が高いのです。

産卵を狙うメスに高タンパクが向く理由

もし、オスとメスを一緒に飼っていて、卵を産ませて増やしてみたい、と考えているなら、エサ選びはさらに大事になります。

卵をたくさん産むメスは、それだけ体力を使います。

そのため、タンパク質を多めに配合した「高タンパクタイプ」のゼリーが向いているとされています。

産卵を控えた時期や、産んだ後の体力の回復にも役立つと言われています。

スイカ中心では、こうした時期に必要な栄養がどうしても足りなくなってしまうんですね。

増やすことまで楽しみたいなら、エサはぜひゼリー、それも栄養強化タイプを選んであげてください。

自然界の樹液とスイカは何が違うのか

ここまで何度か「樹液」という言葉が出てきました。

最後に、その樹液とスイカの違いに触れておきます。

自然のクワガタが吸っている木の樹液は、ただ甘いだけの汁ではありません。

糖分に加えて、体をつくるもとになる養分も含まれていて、さらに自然に発酵することで、エサとしての価値が高まっています。

昆虫ゼリーは、この樹液の栄養に近づけて作られているからこそ、スイカより安心しておすすめできるのです。

スイカは「甘い水」、樹液は「栄養の入った甘い汁」。

こう考えると、どちらがクワガタの体に合っているか、イメージしやすいのではないでしょうか。

まとめ

この記事のポイントをまとめます。

  • クワガタはもともと液体状の排せつをするので、スイカで「病気の下痢」になるわけではない
  • スイカそのものに毒があるわけではなく、少しあげた程度で深刻なことになるのはまれ
  • ただしスイカは水分ばかりで栄養が乏しく、ふだんのエサには向いていない
  • 水分が多いとケースが汚れやすく、コバエやダニ、においを呼びやすい
  • もうあげてしまっても、残りを片付けてゼリーに切り替えれば立て直せる
  • 毎日のエサは、栄養・衛生・手軽さがそろった昆虫ゼリーが安心
  • ゼリーが切れたときの代用には、バナナやりんごが向いている
  • エサは皿に入れて、傷む前にこまめに交換するとケースがきれいに保てる
  • ダニがついたら、ぬるま湯とやわらかいブラシでやさしく落とす
  • 長く飼いたい人や産卵を狙う人ほど、栄養のあるゼリーを選ぶ価値が大きい
スイカは「絶対ダメ」というより、「もっと合うエサがあるよ」というのが本当のところ。

下痢のウワサに必要以上に怯えなくて大丈夫ですし、もうあげてしまっても、ここから整えれば十分間に合います。

昆虫ゼリーに切り替えて、ケースを少しきれいにしてあげるだけで、クワガタはぐっと過ごしやすくなります。

難しいことは何もありません。

今日できることをひとつ、たとえばゼリーを用意してあげるところから始めてみると、きっとクワガタも元気に応えてくれますよ。

子どもと一緒に、毎朝そっとケースを覗いて「今日も元気だね」と言える夏になったら、すてきですよね。