子供にお願いされて連れて行った潮干狩り。最初はそんなに興味がなかったけれど、やってみると案外楽しい。
特に、このマテ貝が飛び出てくる姿がかわいい…。
「どうにかして飼えないかな…」と思っても、マテ貝の飼い方なんてあるのかしら?なんて考えたことがある人も結構いるんじゃないでしょうか?
まず、アサリもそうなんですが、マテ貝も飼育することは可能です。
が、実はアサリやマテ貝の飼育方法は、わからないもことも多くて、はっきりと「コレ!」というものが確立していないのが実情なんです。
マテ貝の生態!餌に何をあげればいいの?
そもそも「穴に塩をふると、飛び出てくる」といったことくらいしかしらない。
そんなマテ貝の生態って、どのようなものなのでしょう?
マテ貝は海水生で
- 北海道中南部から中国大陸
- 瀬戸内海
- 三河湾
- 東京湾
満潮時には、穴から顔を出して海水中の養分を摂ったり、酸素を循環させたりしていると考えられます。
干潮時にも塩をふると出てくるというのは、マテ貝が塩分濃度の変化を感じ取り、満潮になったと勘違いするので飛び出てくるんですね。
マテ貝の餌って何なの?
肝心のマテ貝の餌ですが、どういったものがあるのでしょうか?
実はマテ貝など二枚貝の生態は、あまりよくわかっていないのが現状です。
せっかくきれいな海水や砂、水草などを用意していても、二枚貝を餓死で死なせてしまう人も多いんだとか。
二枚貝の餌となるものとして確定しているのは、植物プランクトン!
マテ貝などは、微小なプランクトンを海水と一緒に飲み込んで、海水を吐き出し必要な栄養素を摂取しているのです。
植物プランクトンの中でも代表格なのは「クロレラ」という非常に小さな藻類の一種です。
こういったものは、通販で手に入れることができます。
もしご自宅のそばにメダカなどを販売しているお店があれば、そこでも売られているかもしれませんね。
クロレラを与えるにはクロレラを水にいれた後、スポイトなどで適量を与えてあげる必要があります。
植物プランクトンも呼吸をするので、多く入れすぎると酸欠となってしまいますので注意が必要です。
マテ貝の寿命はどれくらい?上手に飼育すればどれくらい生きるものなの?
マテ貝を含め二枚貝の生態はあまりわかっていません。
中には本当に長寿な貝もいて、200年という長い時を生きられるものもあるとか。
しかし、かなり慎重に飼育しないと1週間どころか3日ももたないことも…!
マテ貝の上手な飼育方法
では、そんなマテ貝を上手に飼育するためのポイントを見ていきましょう。
マテ貝飼育のポイント①環境を整える[水槽]
下述の砂や水草を入れることなどを考えても、60cmほどの高さがあると安心です。
マテ貝飼育のポイント②環境を整える[砂]
マテ貝は数10cm~1mほどの深さに住んでいるので、最低でも30cmほどの砂地を用意すると良いでしょう。
マテ貝飼育のポイント③環境を整える[水草]
新鮮な酸素を供給し続けること、水質を整えることを考えて水草を入れておきましょう。
マテ貝飼育のポイント④環境を整える[酸素ポンプ]
水草から供給される酸素量では、海水中で常に供給される新鮮な酸素には及びません。
費用はかさみますが、長らく飼育するとなると酸素ポンプは必要です。
マテ貝飼育のポイント⑤良好な環境を維持する[温度変化]
二枚貝は環境の変化、とくに温度の上昇にとても弱いです。
そのため、20℃を超えず温度の変化もなるべく少ないところで飼育しましょう。
マテ貝飼育のポイント⑥良好な環境を維持する[水質管理]
新鮮な酸素を常に送り続けるために酸素ポンプが重要なのはもちろん、毎日の水替えもする必要があります。
砂などもあるため大変ですが、餌をあげることが酸素不足につながったり水の汚れの増加をひきおこしたりします。
また、これだけ厳密な管理をしていても死んでしまう貝が出てきます。
そのようなときにはすぐに死骸を取り出して水を交換するようにしましょう。
これらの条件をすべてクリアしても、「1ヶ月もつかどうか…」というところです。
二枚貝に関してはわかっていることがとても少ないので、手探りで飼育方法を見付けていくことになるかもしれませんね。
マテ貝の知られざる生態!どんな生き物なの?
筒のような形をしているマテ貝ですが、実はあさりなどと同じ二枚貝の仲間なんですよ。
もっと詳しくいうと、
「軟体動物門二枚貝綱マルスダレガイ目マテガイ超科マテガイ科マテガイ属」
に分類されるそうです。
うーん、長すぎてなんだかよくわかりません。笑
普段は砂の中で過ごしていて、潮が満ちている時には水中に水管という体の一部を伸ばしてご飯を食べたりしています。
逆に潮が引いている時は、他の貝と同様に砂の中に隠れて潮が満ちるのを待っています。
そんなマテ貝が砂に潜っている時は、細長い体を縦にして過ごしています。
砂を掘り進んでいくので足は下の方にあり、水中に伸ばすために水管が上の方に向くように砂の中で縦になっているのです。
潮干狩りをしているときに、マテ貝を強く引っ張りすぎるとちぎれてしまうのは、砂の中で足が踏ん張っているからなんですね~。
ちなみに、マテ貝の力が弱まったタイミングで一気に引っこ抜くのが、マテ貝を採るコツなんだそうですよ。
言葉で書いていても上手くイメージが出来にくいと思いますので、マテ貝がどのようにして砂の中に潜っていくのか観察された動画を紹介いたします!
動画28秒辺りから、マテ貝がどんどん砂の中に潜っているのですが、なんとも不思議な動きですよ!
マテ貝の水管はどの部分?あさりみたいに水を飛ばすの?
マテ貝の水管は上の方にあるといいましたが、どの部分なのか詳しく見ていきたいと思います。
まず、マテ貝の水管は入水管と出水管が一つにまとめられた形をしています。
これはあさりと同じですね。
さて、この水管ですが、貝がエサとなる植物プランクトンの混ざった海水を入水管から取り込み、いらなくなったふんなどを出水管から外に出すという役割があります。
この時に貝を開け閉めして「えいやっ」とエサと一緒に吸い込んでしまった砂などのいらないものを勢いよく吐き出します。
なので、砂抜きなんかの時にピュッと水が飛んできてしまうのです。
こちらの動画では、あさりが貝を開け閉めしている様子をたっぷり見ることができますよ。
では、マテ貝はどうなのでしょうか?
こちらの動画を見てもらえば分かりやすいのですが、マテ貝もあさりと同じように、水をピュッと吐き出すということが分かりすよね!
詳しく見てきたマテ貝の水管ですが、刺激を与えてしまうとすぐに切れてしまうという性質を持っています。
例えるなら、トカゲのしっぽ切りのようなもので、危険を感じると水管を自ら切って逃げようとするのです。
トカゲのしっぽ同様に、取れたからといって死ぬことはないはずですが、飼育するのであれば丁寧に扱ってあげた方がよさそうですね。
マテ貝の成長速度はどれくらい?最大でどれくらいの大きさになるの?
では、マテ貝の成長する速さってどれくらいなんでしょうか?
産まれてからのマテ貝について見てみましょう。
マテ貝の生まれる時期
海水温度が上がると、マテ貝は繁殖活動を始めます。
その年によって海水温度が上がる時期が違いますし、地域や気候によっても変わってきます。
そのため、マテ貝の生まれる時期は5~7月と言われています。
ちなみに、産卵前のマテ貝は栄養を蓄えているので4~6月あたりが一番美味しいんだそうですよ。
マテ貝の赤ちゃん
初夏に生まれたマテ貝は、2~3月ではまだ十分に成長していません。
マテ貝の赤ちゃんを見つけた方が、写真を撮ってブログに載せられていました。
上から2枚目の写真です。
小っちゃくても、ちゃんとマテ貝の形をしていますよね!
■マテ貝の赤ちゃんの写真を見てみる
そして実は、この写真よりもっと小さいときのマテ貝は、あさりのような丸い形の貝殻なんだそうですよ!
1.5mmくらいに成長すると、だんだんと私たちがいつもみかけるようなマテ貝の形になっていくそうです。
マテ貝の最大サイズ
マテ貝は最大で10~12cm程度まで大きくなるとされています。
そして、マテ貝の中には「オオマテ貝」と呼ばれる、最大15cm程度まで大きくなるものもあります。
また、同じくマテ貝として扱われることの多いものの中に「アカマテ貝」もあります。
このアカマテ貝は、マテ貝よりも太く成長します。
10cmもあれば立派な大人のマテ貝です。
ただそれよりも小さいマテ貝は海に返し、大きなものだけ連れて帰るようにしましょう。
マテ貝が取れる時期はいつくらい?
マテ貝は他の貝と同様に、一般的な潮干狩りのシーズンと同じです。
早ければ3月から、場所によっては8月頃まで採ることが出来ますよ。
福島県のマテ貝の潮干狩り事情
2021年3月にマテ貝採りをされた方がいました。
三重県のマテ貝の潮干狩り事情
2021年3月初旬に御殿場海岸にて、マテ貝採りをされた方がいました。
千葉県のマテ貝の潮干狩り事情
千葉県の公式観光サイトでは、潮干狩りができる期間が掲載されていました。
千葉県内の潮干狩りの場合、こういった情報を参考にして行くと、時期を外すこともなく安心して潮干狩りに行けますね。
愛知県のマテ貝の潮干狩り事情
山田海岸潮干狩り場では、2023年4月7日~6月20日の期間であさりやマテ貝採りが楽しめるそうです。
こちらのサイトで、山田海岸での潮干狩り情報が公開されているので、参考にされてくださいね。
また、市場では春と秋に出回ることが多いそうですよ。
先程も書いたように、2~3月ではまだ十分に成長しきれていないので、大きく育ったマテ貝を狙うのなら、4~5月がおすすめです!
マテ貝が取れる場所ってどんなところ?
マテ貝の主な産地は
- 長野県
- 熊本県
- 愛知県
- 三重県
- 山口県
また、瀬戸内海や三河湾、東京湾など、北海道南部よりも南の地域に幅広く生息しています。
潮干狩りでは他の貝と同じく、引き潮になると出現するような「浅瀬」に生息していますよ。
ただ他の二枚貝などの潮干gりと異なる点は、「マテ貝がいるであろう穴を見つけることから始める」ということです。
また、長さ最大10cmものマテ貝が砂の中に潜っていますので、ただ掘っていただけではなかなか見つけられません。
それに、掘っているうちにもっと潜って逃げられるかもしれません。
そこでマテ貝を採るのに必須とされているのが
「塩」
なんです。
こちらの動画が短くて分かりやすいかと思います。
なんとも慣れた手つきで次々とマテ貝を採られていて、楽しそうでした。
そんなマテ貝の潮干狩りについてのことを
に詳しく書いています。
マテ貝をとるコツや、とれそうな場所探しのポイントなども詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
マテ貝の飼育方法のまとめ
にょきっと飛び出す姿が可愛いマテ貝ですが、マテ貝は飼育が困難であること、をきちんと理解しておきましょう。
特に餌や酸素がマテ貝に行き渡るようにするために、色々な処置を施す必要があります。
「それでもやっぱりマテ貝を飼ってみたい!」という方は、ぜひご紹介したポイントに注意しながらトライしてみてくださいね!