飼育が簡単で見ているだけでも癒される「メダカ」。
自宅で飼育されている方も多いのではないでしょうか。
実は、メダカの寿命は自然界で生きる野生の場合、餌が見つからなかったり天敵に食べられてしまったりという理由で「約1年」と言われています。
ですが、自宅で飼育しているメダカは、飼育環境が整っている理由から「3年~4年」がメダカの平均寿命と言われています。
今回は、メダカの産卵と寿命との関係や長生きさせるポイント、メダカの寿命のギネス記録などを詳しく解説していきたいと思います。
人間と比べると短命の「メダカ」。
少しでも長く一緒に過ごすための参考にしてみてくださいね。
メダカの寿命は産卵回数にも比例する!?長生きさせるにはどうすればいい?
メダカは、オスと比べると「産卵」をするメスの方が、寿命が短い生き物です。
理由は、人間の出産と同じく、「産卵」はとってもエネルギーを消耗するからです。
体力や栄養が一気に消耗するだけでなく、ストレスも蓄積されることで、体調が悪化しやすくなり寿命に大きな影響を与えるのです。
メダカが一生に産卵する卵は約2500個
メスのメダカは1回の産卵で卵を10個~20個産みます。
特に春先から梅雨の時期には、メダカの産卵活動が活発になり、1週間に3回~4回産卵します。
さらに、メダカの品種によっては毎日産卵するメダカもいるんです。
また、水温や水質など飼育環境が整った屋内飼育のメダカの場合、1年中産卵させることも可能です。
ただ、メスのメダカが一生で産卵できる卵の数は「約2,500個」。
その個数の卵を産卵するとメスのメダカは人生を全うしたことになるのです。
つまり、産卵させればさせるほどメスのメダカは寿命が短くなってしまうというわけ。
メダカを飼育している人の中には、卵や稚魚などメダカを販売したいため、たくさん繁殖させる人もいますが。
繁殖を急ぐことは親のメスメダカの寿命を縮めることになります。
産卵によって寿命を縮めないためのポイント9点
メダカは、平均して3年~4年生きられる生き物です。
ですが、毎日のようにメスに産卵させていては寿命が縮んでしまいます。
どのようにしたらメスのメダカは長生きできるのか?
ポイントは、次の9点です。
②栄養を適切に与える
③水温を18℃~20℃に保つ
④pH(ペーハー)値を中性に保つ
⑤「1リットルの水に対して1匹飼う」が目安
⑥日光浴をさせる
⑦ストレスを与えない
⑧天敵対策をする
⑨普段との様子の違いをチェックする
メスのメダカを長生きさせるポイント①産卵の休息期間を作る
産卵を終えたメスのメダカは、オスのメダカと水槽を別にして産卵に休息期間を作ってあげましょう。
メダカは繁殖力の強い生き物なので、メスとオスが一緒の水槽にいるとすぐに産卵することになります。
メスのメダカを長生きさせてあげるためには、オスとは別の水槽で飼育する期間を作ってあげましょう。
メスのメダカを長生きさせるポイント②栄養を適切に与える
メダカの卵には
- タンパク質
- 脂質
- ビタミン
それは逆を言うと、「メスのメダカの栄養が卵に移っている」ということです。
要は、産卵後のメスのメダカは栄養が不足している状態になってしまっています。
なので、産卵後のメスのメダカには栄養がたっぷり配合された餌を与えてあげましょう。
特に「タンパク質」「脂質」「ビタミン」を意識すると良いですよ。
また、封を切って時間が経った餌よりも風味豊かな新鮮な餌をあげるのもポイントです。
与え過ぎにも注意して、適量を与えてあげましょうね。
メスのメダカを長生きさせるポイント③水温を18℃~20℃に保つ
メダカの飼育に適した水温は、「18℃~20℃」です。
水温が低過ぎても高過ぎてもメダカはストレスを蓄積し、寿命が短くなってしまいます。
水槽用のヒーターや冷却ファンなどを使用して、メダカにとって快適な水温を保ってあげましょう。
メスのメダカを長生きさせるポイント④pH(ペーハー)値を中性に保つ
メダカを飼育する上で、適切な水素イオン濃度「pH(ペーハー)値」を保つのも長生きさせるコツです。
ph値は、
- 7が中性
- 7以下が酸性
- 7以上がアルカリ性
メダカに適切なph値は、pH7の中性に近い「弱酸性~弱アルカリ性」。
日本の水道水のph値は「5.8~8.6」が一般的で、メダカを飼育していると酸性に傾いていく傾向があります。
なので、
- 定期的に水を交換する
- 水質調整剤を使用する
- 水槽の中にサンゴを入れる
- 底砂を入れる
もちろん、メダカの糞や餌の食べ残しも小まめに取り除いて、水質が悪化しないように気をつけましょうね。
メスのメダカを長生きさせるポイント⑤「1リットルの水に対して1匹飼う」が目安
メダカは体が小さいため、水槽にたくさんのメダカを一度に飼育してしまいがちです。
ですが、水が汚れやすくなったりメダカが酸欠になることで、寿命が短くなる原因になります。
水質の管理に慣れるまでは、「1リットルの水に対して1匹」を目安にメダカは飼育しましょう。
また、「1リットルに対して1匹」という目安は、
- 底砂
- 水草
- 流木
「底砂」や「水草」「流木」を入れると水槽に入れられる水量は減ってしまうので、注意して水量をはかりましょうね。
メスのメダカを長生きさせるポイント⑥日光浴をさせる
メダカを長生きさせるには、時々「日光浴」をさせてビタミンを生成してあげましょう。
ただし、真夏など極端に水温が高いと寿命が短くなってしまいます。
なので、直射日光を避けられるように、
- ホテイアオイなどの水草
- すだれ
屋内飼育の場合は、照明をあてて管理してあげましょうね。
メスのメダカを長生きさせるポイント⑦ストレスを与えない
メダカにとって「人影」は、鳥などの天敵と勘違いしてしまう習性があります。
なので、人通りが少ない場所でメダカを飼育して、余計なストレスは与えないようにしてあげましょう。
また、メダカが身を隠せるシェルターや水草などの「隠れ家」を用意してあげるのもおススメです。
メスのメダカを長生きさせるポイント⑧天敵対策をする
屋外でメダカを飼育する場合は、ヤゴやカラスなどの天敵からメダカを守ってあげる必要があります。
メスのメダカを長生きさせるポイント⑨普段との様子の違いをチェックする
産卵後のメスのメダカは栄養が不足しているため病気にかかりやすい状態です。
なので、メダカに
- 白い点ができていないか
- 赤い斑点ができていないか
- お腹がパンパンに膨れていないか
- 泳ぎ方がおかしくないか
- 餌をきちんと食べているか
メダカの寿命のギネスはどれくらい?何か特別なことをしたの?
メダカの寿命のギネス記録は、2023年12月時点では正式な発表はされていません。
お伝えしている通り、メダカの寿命は
- 自然界で生きる野生のメダカで約1年
- 飼育環境が整った自宅で飼育しているメダカで3年~4年
「元の原種」や「原種に近いメダカ」の方が長生きする
メダカをできるだけ長生きさせたい場合、
- 産卵の休息時間
- 栄養
- 水温
- pH値
他にも、メダカは人の手で品種改良されたメダカよりも「元の原種」や「原種に近いメダカ」の方が長生きしやすいポイントがあります。
品種改良されたメダカは、環境の変化に適応しにくかったり、病気になりやすい特徴があるのです。
その点、元の原種や原種に近いメダカ
- クロメダカ
- ヒメダカ
- シロメダカ
- 楊貴妃メダカ
メダカの寿命がやってきた時の変化
メダカは、寿命が近いてくると
①餌を食べなくなる
②痩せていく
③3.水底でじっとすることが増える
という、3つの変化が現れます。
メダカの寿命が近いときの変化①餌を食べなくなる
寿命が近づいてきたメダカは、若い元気なメダカに餌の争奪戦に負けてしまい、餌を食べられなくなっていきます。
メダカの寿命が近いときの変化②痩せていく
餌を食べられなくなった結果、メダカは痩せていきます。
メダカの寿命が近いときの変化③水底でじっとすることが増える
体が痩せて活発に動くことができなくなり、水底でじっとすることが増えていきます。
多くのメダカは、1→2→3の流れで老衰して寿命を迎えます。
ただ、寿命以外にも
- 水温が低過ぎる
- 「灰色カビ病」や「エロモナス症」などの水質による病気
- 奇形のメダカ
早めに対処をして寿命を延ばしてあげましょう。
メダカの寿命のサインのまとめ
メダカの寿命は、野生のメダカで約1年、飼育環境のメダカで3年~4年が平均的です。
正式にギネス記録として認定されているメダカの寿命はありませんが4年以上生きるメダカは珍しいとされています。
特にメスのメダカは産卵と寿命が密接に関わっているので、
「産卵の休息期間を作る」
「栄養を適切に与える」
などポイントを参考に長生きさせてあげてくださいね。