ある日ふとケージをのぞくと、うちのリクガメが…まさかのシェルターの上に!
「なんでそんなとこ登ってるの!?」「落ちたら危なくない?」と焦った経験、ありませんか?
私は思わず「おいおい、そこ登るとこちゃうで~!」と声をかけてしまいました。
じつはこれ、リクガメ飼育者の“あるある”な日常風景。
SNSをのぞけば「また登ってる!」「落ちそうでハラハラする」といった投稿も多く、リクガメ界ではけっこう定番の行動だったりするんです。
登ってる姿は、なんだか得意げで、見てるこちらも思わずクスッと笑ってしまうかわいさ。
でもその反面、実は事故やケガのリスクもはらんでいるという事実に、私は少しゾッとしたこともあります。
のんびりしているようでいて、意外と行動力のあるリクガメ。
だからこそ、安心して過ごせる環境づくりはとっても大切。
この記事では、
「なぜリクガメはシェルターに登りたがるのか?」
そんな疑問に加えて、登るのを防ぎつつ、リクガメがストレスなく暮らせる環境をどう整えていくかまで、わかりやすく丁寧にご紹介していきます。
「落ちないで~」と毎日ヒヤヒヤする日々から卒業して、もっと安心して見守れる飼育ライフを目指しましょう!
リクガメがシェルターに登るのはよくある行動?
「うちの子だけ?」と思いきや…意外と多い!
「なんでうちの子、いつもシェルターに登るの?」と不安になっているあなた。
実はその行動、リクガメの飼い主さんの間ではけっこう“あるある”なんです。
SNSや飼育ブログを見てみると、「また登ってる!」「今日は落ちなかった…」なんて投稿がよく見られます。
私も最初は驚きましたが、何度も見るうちに「今日も登山してるな~」なんて微笑ましくなることも。
リクガメは基本的にマイペースでのんびりしていますが、その裏に潜む好奇心や冒険心はなかなかのもの。
とくに若い子や活発な性格の子ほど、登る傾向があるように感じます。
中には、登ったあとシェルターの上でくつろいでいたり、「ドヤ顔」しているように見える子もいて(笑)、思わず写真を撮ってしまいたくなるかわいさです。
登って遊んでるだけ…とは限らない?
ただし、この行動を「かわいい」で済ませてしまうのはちょっと待って。
登っているのはたしかに一種の遊びかもしれませんが。
実際には退屈していたり、運動不足でエネルギーが余っていたりと、環境に対する不満やストレスのサインであることも。
たとえば
「ケージの中に変化がなくてつまらない」
「登れるものがシェルターしかない」
そんな気持ちを、登ることで発散しているのかもしれません。
また、照明や温度、湿度といった環境のバランスが崩れていると、落ち着かなくなって登る行動が増えるケースもあります。
「かわいいから放っておいて大丈夫でしょ」と思わずに、その裏にあるリクガメの気持ちにちょっとだけ耳を傾けてみてください。
ほんの少し環境を整えるだけで、落ち着いて過ごせるようになることもありますよ。
リクガメがシェルターに登る主な理由とは?
高い場所が好き!本能的な安心感
野生下のリクガメは、石や木の根などに登って周囲を見渡す習性があります。
これは、外敵の存在をいち早く察知するための行動とも言われています。
つまり、高い場所=安全、という感覚が本能的に根付いているのかもしれません。
ケージの中においても、その本能はふとした瞬間に表れます。
シェルターの上からじっと動かずに周囲を観察している姿を見ると、「見張り台」や「ひなたぼっこの特等席」として活用しているようにすら思えてきます。
このように、登る行動はただのいたずらではなく、安心できる場所を自ら確保しようとするリクガメなりの知恵なのかもしれませんね。
運動不足・ストレス解消の可能性
リクガメはおとなしく見えて、じつは運動が大好きな一面もあります。
特に若い個体や活発な性格の子は、体力があり余っていることも。
そんな時、ケージの中に刺激が少なく遊び場や変化に乏しいと、シェルターが“唯一の冒険場所”になってしまうのです。
登ることで筋肉を使い、気分転換をしているリクガメもいます。
これは人間で言えば、退屈な部屋の中で壁をよじ登るような感覚かもしれません(ちょっと極端ですが)。
「ケージの中がつまらないな~」「ちょっと運動したいな~」という気持ちから、シェルターに登っている場合も十分に考えられます。
シェルターの形状や材質が原因の場合も
意外と見落とされがちなのが、シェルターそのもののデザインです。
たとえば、
- ザラザラした素材
- 足をかけやすい角やスロープ
- ゆるい傾斜
特に軽い素材のシェルターは、リクガメの体重でぐらつきやすく、登っている最中に不安定になって事故につながる可能性もあります。
逆に、滑らかな形状で登りにくい材質のものや、シェルターの天井が斜めになっているようなデザインであれば、登ろうとする意欲そのものを抑えることができます。
このように、リクガメの登山欲を刺激しているのは、私たちが用意した環境そのものかもしれないという視点も、見直しのきっかけになりますね。
シェルターに登ることで起こる事故リスク
落下によるケガや甲羅のひび割れ
見た目以上に重い甲羅を持つリクガメは、落下時の衝撃が想像以上に大きくなります。
特にシェルターの上から飛び降りたり、足を滑らせてバランスを崩してしまうと、前足や後ろ足に負担がかかり、捻挫や骨折につながることもあるのです。
また、甲羅は見た目には硬くて丈夫そうに見えますが、一定の高さからの落下や、硬い床材への着地などの衝撃が加わると、ヒビが入ったり欠けてしまうことも。
そうなると自然治癒が難しく、動物病院での処置が必要になるケースも出てきます。
私自身、過去に「少し高いだけだし大丈夫かな」と思っていた高さから落ちてしまい、脚を引きずるようになってしまった子を見たことがあって。
それ以来、登らせる環境には本当に気をつけるようになりました。
ひっくり返って起き上がれない危険も
リクガメは体が重く、甲羅の形によってはひっくり返ると自力で元に戻れないことがあります。
特に平坦な場所や、滑りやすい床材の上で仰向けになると、足をバタバタさせるだけで起き上がれず、ずっとそのままの状態になってしまうことも。
さらに恐ろしいのは、仰向けの姿勢が長時間続くと、内臓が圧迫されたり、肺がうまく広がらずに呼吸困難を起こしてしまうリスクがあることです。
特に夏場などは体温の調整も難しくなり、最悪の場合は命に関わる重大な事態に発展することもあります。
「ちょっと登っただけ」と見過ごさず、ひっくり返ったままにならないための環境づくりや見守りが、とても大切です。
少しでも異変に気づけるように、日頃から様子を観察する習慣を持っておきたいですね。
登らせないためにできる環境の工夫
登りにくいシェルターに変えてみよう
まずは基本中の基本、「登れないシェルター」を選ぶこと。
シェルターには実にさまざまな形や材質がありますが、リクガメにとって登りにくい形というのは「滑らかな曲線で構成されていて、表面がつるつるしているもの」です。
たとえばドーム状で丸みのあるシルエットのものや、陶器やプラスチック製の表面に凹凸のないものを選ぶと、足場がないため、自然と登るのをあきらめてくれます。
また、見た目がおしゃれでも、リクガメの足がかりになりそうな「段差」や「引っかかり」があるものは避けるのがベター。
毎日使うものだからこそ、少しの違いが大きな安心感に変わります。
床材の厚みで高さを調整
「高さがあるから登っちゃうなら、低くすればいいじゃない」という発想もとても大切です。
シェルター自体を変えなくても、床材を少し厚く敷くだけで、登るための高低差が小さくなり、結果的に登りづらくなるのです。
特に木のチップやヤシガラなどの床材を使っている場合は、シェルターの周囲だけ少し多めに盛るようにするだけでも、地面との段差がなだらかになります。
さらに、シェルターを半分床材に埋めてしまうような配置にしても良いでしょう。
これは見た目にも自然で、かつ安定感も増すため、ひと工夫で安全性が格段にアップします。
登りたがる本能を別の形で満たす
リクガメの「登りたい」という気持ちを完全に封じるのではなく、他の形で満たしてあげることもとても大切です。
たとえば、
- ケージ内にちょっとした段差のあるレイアウト
- スロープ状の木材
- 傾斜のついた岩風オブジェ
このような運動スペースは、単に登りたい気持ちを満たすだけでなく、リクガメの健康維持やストレス発散にもつながります。
遊びながら自然と運動になるなんて、一石二鳥ですよね。
さらに、場所や環境に変化をつけることで「登るしかやることがない」状態から脱することができます。
ケージの模様替えを定期的に行うのもおすすめです。
こうした取り組みが、リクガメの行動を無理なく安全な方向へ導いてくれます。
まとめ|かわいいけど危険もある「登る行動」は見守りつつ工夫を
リクガメがシェルターに登る姿って、本当にかわいいですよね。
のそのそとよじ登って、てっぺんで満足げにじーっとしている様子には、ついつい笑顔になってしまいます。
でも、その癒しの行動の裏には、私たちがしっかり向き合うべきケガや事故のリスクが潜んでいるということも忘れてはいけません。
「登ること自体がダメ」というわけではないんです。
リクガメにとって、それは好奇心や本能からくる自然な行動。
だからこそ、登らせるのではなく、登らなくても満たされるような環境を用意してあげることが、飼い主としてのやさしいサポートなのだと思います。
今日から少しだけでいいので、おうちの中の“登山ルート”を見直してみませんか?
「ここは危ないかも」「こっちなら安心かも」そんなふうに環境を整えるだけで、リクガメの毎日はぐっと快適になります。
登りたい気持ちは別の形で叶えてあげる、登れないように工夫する、危なくないように観察する。
どれも少しずつの積み重ねですが、それがリクガメとの信頼関係を育む土台になっていくはずです。
リクガメとの毎日が、もっと安心で、もっと笑顔にあふれるものになりますように。
あなたとリクガメのペースで、ゆっくり少しずつ工夫していきましょうね。