台風シーズンになると気になるのが、庭やベランダに置いたプランターの安全対策です。
台風の強風や豪雨は、せっかく育ててきた植物や野菜にとって大きな脅威となります。
特に、室内に避難できない大型プランターや固定が難しい場所では、「どうすれば飛ばされたり壊れたりせずに守れるのか」と悩む方も多いはず。
この記事では、そんな「プランターの台風対策」にフォーカスして、室内に入れられないときでも安心できる具体的な対処法をご紹介します。
風の影響を減らすための配置の工夫や、ひもや針金を使った固定方法、植物の剪定や収穫のタイミングなど、被害を最小限にするためのポイントをやさしく解説していきます。
あなたの大切な植物を守り、ご近所への影響も防ぐために、ぜひこの記事の内容を参考にして、しっかりと備えておきましょう。
台風でプランターはどうなる?起こりうる被害とは
台風が接近すると、強風や豪雨によってプランターに思わぬ被害が出てしまうことがあります。
特にベランダや庭に置いているプランターは、建物の陰にあるとはいえ風を受けやすく、何の対策もしていないとあっという間に倒れたり壊れたりしてしまいます。
また、プランター自体の被害にとどまらず、その影響が思いがけず周囲に及んでしまうこともあるんですね。
例えば、土や水がこぼれて床が汚れたり、近隣のお宅のベランダまで飛んで行ってしまったり……。
台風が来るたびにヒヤッとした経験がある方も多いのではないでしょうか。
だからこそ、事前の備えがとても大切です。
風で倒れる・飛ばされる危険性
軽いプランターや小さな鉢は、特に風に弱く、強い風が吹けばあっさり倒れてしまったり、持ち上げられて飛んで行ってしまうことがあります。
そうなると、せっかくの植物が傷むだけでなく、
- 飛んだプランターが窓ガラスにぶつかって割れてしまったり
- 他の家のベランダに落ちてしまったり
場合によっては、車に当たって傷をつけてしまうなんてことも。
たかがプランターと侮らず、飛ばされないための準備が必要なんですね。
植物が折れたり実が落ちたりすることも
育てていた花や野菜が風で折れてしまったり、実が落ちてしまうこともあるんですね。
特に支柱を使っていない植物や、つる性の植物は風で大きく揺れて傷んでしまいやすく、場合によっては茎が折れたり、花がちぎれてしまったりすることもあります。
さらに、実がなっている植物は、風で落ちてしまうだけでなく、実の重さが風と合わさって株全体に負担をかけてしまい、根元からグラグラしてしまうことも。
そうなると、復旧にも時間がかかってしまうんです。
せっかく毎日水やりをして、大切に見守ってきた植物が、たった一晩の台風でダメになってしまうのは、本当に悲しいですよね。
だからこそ、事前の備えがとっても大切なんです。
土や水の流出が周囲に影響することも
プランターが倒れてしまうと、中の水が一気にあふれ出して、土も一緒に流れてしまうことがあります。
とくに、排水の悪い場所やベランダなどでは、流れ出た土がそのまま排水口に詰まってしまいやすく、雨水がうまく流れずにたまってしまう原因にもなります。
排水が詰まると、ベランダ全体に水たまりができてしまったり、マンションの場合は下の階のベランダにまで水が流れ出してしまう可能性もあるんですね。
そうなると、ご近所トラブルにもつながりかねません。
そういった事態を避けるためにも、土の流出を防ぐ工夫や、排水口まわりの事前のチェックは忘れずにしておくと安心ですよ。
台風が来る前にまずやるべき基本の対策
台風対策の基本は「前もって準備すること」です。
台風の予報が出てから慌てて動くよりも、事前にしっかり準備しておくことで被害を最小限に抑えることができます。
とくにプランターは、風雨の影響をダイレクトに受けやすいので、何もしないままだと大切に育ててきた植物が一晩でダメになってしまうなんてこともあるんです。
ベランダや庭で植物を育てている方にとっては、プランターを守ることが家や周囲の安全を守ることにもつながります。
だからこそ、台風が来る前にしっかりとした対応をしておくことが大切ですよ。
できる限り室内にプランターを避難
一番安心できるのは、やっぱり室内にプランターを避難させることです。
とくに小さめの鉢や軽いプランターであれば、玄関や廊下、リビングの片隅など空いている場所に入れておくだけでも十分安全です。
雨や風が直接当たらないだけで、植物が受けるダメージはかなり軽減されます。
また、土や水がこぼれないように、あらかじめプランターの下に新聞紙やビニールシートなどを敷いておくと、室内が汚れる心配もありません。
室内に避難させたプランターには、なるべく明るい場所を選んで置いておくと、植物へのストレスも少なく済みますよ。
もし植物の種類によっては室内環境が合わなそうであれば、一時的に玄関ポーチや物置の中などでもOKです。
要は、風や雨の影響を避けて安全な場所に退避させることが大事なんですね。
移動できない場合は物陰や壁際に移動
大きくて動かしにくいプランターの場合、そのままにしておくと風を真正面から受けてしまい、倒れたりズレたりするおそれがあります。
そんなときは、なるべく風の通り道から外れた場所へ移すことが大切です。
たとえば、建物の陰になっている部分や塀のそばなど、風が直接当たりにくい場所を選びましょう。
また、背の高い壁やエアコンの室外機の横など、風を少しでも分散させてくれるような場所もおすすめです。
できれば複数の障害物に囲まれた「三方向が壁に囲まれているようなコーナー部分」などが理想的ですよ。
それに加えて、地面が平らで安定している場所を選ぶのもポイントです。
傾斜のあるところや段差の近くに置いてしまうと、余計に不安定になってしまうからです。
プランターの重さや中身の植物によっては、下にすのこやブロックを敷いて水平に調整しておくと、より安全性が高まります。
柵や柱にひも・針金でしっかり固定
どうしてもプランターを動かすことが難しいときは、その場でしっかり固定することが重要です。
ひもや針金、結束バンドなどを使って、ベランダの柵や手すり、フェンスの支柱などにしっかりと結びつけておきましょう。
結びつけるときは、プランターの両側からバランスよく固定するのがコツです。
片方だけだと、強風で持ち上がってズレてしまうことがあるんですね。
さらに、プランターの底部分にもひもを通すなどして、上下から支えるような形にすると、安定感がぐっと増しますよ。
使用するひもや針金は、風雨に強い素材のものを選ぶようにしてください。
布製のひもだと濡れて弱くなってしまうことがあるので、ビニールひもやゴム製のロープ、ガーデニング用のラティスバンドなどがあると安心です。
それでも動かせないときの対処法
重たいプランターや大型の鉢は、そもそも持ち上げるだけでも大変で、力に自信がある方でも移動には一苦労するものです。
特に土がたっぷり入っていたり、水分を含んでいる場合は、重さが増してさらに動かしにくくなりますよね。
そんなときは、「動かせないならどう守るか」を考えて、できるだけ被害を抑える工夫をしていくことが大切です。
たとえば、プランターの周囲に風よけになるものを立てたり、滑り止めマットを敷いてずれにくくしたりするのも一つの方法です。
少しでも風の影響を受けにくくして、倒れたり飛ばされたりしないような工夫を取り入れていくと安心です。
プランターを横に倒して風の影響を減らす
背の高いプランターは、どうしても上の方に風を受けやすく、重心も高くなるために不安定になりやすいものです。
そういった場合には、あらかじめプランターを横に寝かせておくことで、風の当たる面積を減らし、倒れるリスクをぐっと抑えることができますよ。
寝かせる際は、プランターの中の植物がつぶれてしまわないよう、土を軽くならしてから倒したり、支柱を抜いておいたりといったひと工夫も忘れずに。
また、寝かせたプランターが転がってしまわないように、下にブロックや石などでストッパーをかませておくとさらに安心です。
この方法は、ベランダにスペースがある場合や庭先に余裕があるときにおすすめです。
コンパクトながらもしっかりと風対策ができるので、「とにかく何かしないと心配!」という方にはとても有効ですよ。
草丈の高い植物は剪定で低くしておく
風を受ける面積が大きくなると、それだけ風の抵抗も増えてしまい、倒れたり折れたりするリスクが高まります。
特に背の高い植物や、枝葉が広がっているものは、強風にあおられると簡単にダメージを受けてしまうんですね。
そのため、切っても問題なさそうな植物であれば、あらかじめ軽く剪定しておくと安心です。
たとえば伸びすぎた枝や、風を受けやすそうな上部の葉などを中心に整えておくことで、全体のバランスが安定し、風への耐性がアップします。
また、剪定をすることで日当たりや風通しも良くなり、植物の健康状態を保ちやすくなるという副次的なメリットもあるんです。
少しもったいない気がするかもしれませんが、植物を長く楽しむためには必要な一手間なんですね。
実のなる野菜は事前に収穫して株を守る
ナスやトマト、ピーマンなど、実のなる野菜をプランターで育てている場合は、台風が来る前に実を収穫しておくことをおすすめします。
強い風や雨で実が落ちてしまうと、せっかく育った成果が台無しになってしまいますし、地面に落ちた実が腐ってしまうこともあります。
また、重たい実がついたままだと、株自体にかかる負担が大きくなって、枝が折れてしまったり、根元から傾いてしまう可能性もあります。
実を収穫することで株へのストレスを減らせるだけでなく、次の花芽や実の成長にもつながるので、長期的にもプラスになるんですね。
収穫した実は少し早めでも室内で追熟させたり、料理に使ったりできるので、無駄にせず楽しめるのもうれしいポイントです。
タイミングを見て、早め早めの対応をしておくと、気持ちにも余裕が持てますよ。
プランター以外にも気をつけたい!ベランダ・庭の台風対策
台風の被害を減らすためには、プランターだけでなく、まわりに置いてあるものや設置してあるものにも目を向けて、早めに点検・対策しておくことが大切です。
ベランダや庭には、ふだん意識しないうちに風の影響を受けやすいアイテムが置いてあることも多いので、ひとつひとつ確認していくと安心ですよ。
物干し竿やグリーンカーテンも固定or撤去
物干し竿は、見た目以上に風の影響を受けやすく、強風にあおられると簡単に持ち上がってしまうことがあります。
固定されていないタイプのものや、U字型の竿受けに乗せてあるだけのタイプは特に注意が必要です。
そのままにしておくと、竿が飛んで行ってガラスにぶつかって割れてしまったり、隣家に落ちてしまったりと、思わぬ事故やトラブルの原因になりかねません。
そのため、台風が近づいているときは、物干し竿は早めに取り外しておくのがおすすめです。
スペースがあれば、室内に一時的に置いておいたり、ベランダの床に寝かせたうえで壁側に寄せ、ひもなどで固定しておくと安心です。
また、グリーンカーテンを設置しているお宅では、ネットが強風で大きく揺れたり、巻き上がって支柱ごと倒れてしまう可能性があります。
面倒に感じるかもしれませんが、台風前にはいったんネットや植物を外しておきましょう。
小さくまとめてネットを束ねておけば、再設置もラクになりますし、植物のダメージも最小限にできますよ。
プランターだけでなく、こういった設備類の対策もしておくことで、より安心して台風を迎えられる環境が整います。
排水口や側溝の掃除も忘れずに
ベランダや庭の排水口、側溝にゴミや落ち葉がたまっていると、台風のような豪雨が降った際に、雨水の流れが妨げられてしまい、水があふれてしまうことがあります。
特にプランターから流れ出た土や、飛ばされた葉っぱなどが排水口に入り込むと、あっという間に詰まりの原因になってしまうんですね。
そうなると、ベランダの床に水が溜まってしまったり、ひどい場合には室内にまで浸水してくることもあります。
また、マンションなど集合住宅では、自分の部屋だけでなく下の階にまで水が流れ込んでしまうことも考えられ、ご近所トラブルにつながりかねません。
こういったことを防ぐためにも、台風の前にはベランダや庭の排水まわりをしっかりチェックしておくことが大切です。
排水口や側溝に詰まりそうなゴミがないか、落ち葉が溜まっていないかを確認して、早めに取り除いておきましょう。
つい見落としがちなポイントですが、水の流れを確保しておくことは、台風対策の基本の一つといえますよ。
自転車のカバーを外して転倒防止も
自転車にカバーをかけたままにしておくと、風を大きく受けてしまって、まるで帆のようにあおられて倒れてしまうことがあります。
台風の強風は予想以上にパワフルなので、ちょっとしたカバーでも風をはらんで簡単に自転車が倒れてしまうんですね。
そのため、台風が近づいているときは、カバーは外しておくのが鉄則です。
風の影響を最小限に抑えるには、自転車そのものを横に寝かせておくのもおすすめ。
スペースに余裕があれば、壁沿いに寝かせることで風の直撃を避けることができ、倒れて傷つく心配も減ります。
さらに、倒した自転車のタイヤの下にレンガや重しを置いておくと、動きにくくなってより安心ですよ。
もし屋根付きの駐輪場がある場合でも、風の巻き込みによる影響は避けられないこともあるので、念には念を入れて備えておくと安心です。
室内での台風対策もセットで考えよう
台風の備えは外だけではなく、家の中でも大切なことがあります。
窓や扉、家具の位置、停電への備えなど、室内の安全を確保することで、万が一のときにも落ち着いて行動できるようになります。
とくに子どもや高齢者がいる家庭では、安心して過ごせる環境づくりがとても重要です。
室内でもできる備えはたくさんありますので、ぜひ以下のポイントを参考にしてみてくださいね。
窓ガラスの破損に備えてカーテンを閉める
台風のときは、外から飛んできたものが窓ガラスを割ってしまうことがあります。
そんなときに、カーテンを閉めておくだけでも、ガラスの破片が室内に飛び散るのをある程度防ぐことができます。
レースカーテンだけでなく、厚手の遮光カーテンを閉めておくとより安心です。
カーテンは、万が一のガラス飛散の“最後の盾”にもなってくれる存在なので、外が気になる気持ちはわかりますが、暴風が強くなる前にカーテンをきちんと閉めておきましょう。
また、窓の近くにはできるだけ背の高い家具やガラス製品などを置かないようにしておくと、破損時の二次被害を防ぎやすくなります。
家具の配置を少し見直すだけでも、かなり安全性がアップしますよ。
雨戸がない窓は飛来物対策をしておく
雨戸がついていない窓は、強風や飛来物に対して無防備になってしまうため、事前の補強がとても大切です。
もっとも手軽な方法としては、段ボールやブルーシートを使って窓を覆い、その上から養生テープでしっかり固定するという方法があります。
また、ガラスの内側に「米」の字のように養生テープを貼ると、万が一割れてしまったときにも破片の飛び散りを抑えられます。
飛来物が直接当たりそうな位置の窓は、できるだけ強化しておきたいところです。
市販の飛散防止フィルムを窓ガラスに貼るのも、日ごろからの備えとして有効です。
これなら台風に限らず、地震などの災害時にも役立ちますよ。
手間をかけすぎず、できる範囲から少しずつでも備えていくことが大切です。
まとめ:プランターも周囲の人も守る台風対策を
プランターの台風対策は、自分の植物を守るためだけじゃなく、周囲への被害を防ぐためにもとっても大事なポイントです。
風で飛ばされたプランターが他人の敷地に落ちてしまったり、窓ガラスを割ってしまったりといった二次被害を防ぐ意味でも、しっかりと対策をしておくことが大切なんですね。
室内に避難させる、ひもでしっかり固定する、背丈を整える、実を早めに収穫するなど、ほんの少しの工夫で被害を大きく減らすことができます。
また、プランターのことだけに集中しがちですが、ベランダや庭まわりのほかのアイテムにも目を配っておくと、より安心です。
たとえば物干し竿やグリーンカーテンのように見落としがちなものも、台風時には意外と危険になりますし、排水口が詰まると水害につながる可能性もあるため、事前のチェックは欠かせません。
さらに、家の中でも窓際のカーテンや家具の配置など、ちょっとした備えが安全性をグッと高めてくれます。
雨戸がない窓なら飛散防止の工夫をするだけでも、安心感が全然違ってきます。
少し手間はかかるかもしれませんが、そのひと手間が自分の暮らしや植物を守ってくれると思えば、やる価値は十分あります。
台風が来る前の段階でしっかり備えておけば、いざというときも落ち着いて対応できますよ。
ぜひこの記事を参考に、できることから対策を始めてみてくださいね。