テレビで歌番組を見ていると、歌手の人が耳にイヤホンをつけているのを見たことがあると思います。
ワイヤレスイヤホンのような補聴器のような・・・
髪の毛で隠していたりもしますが、最近ではラインストーンなどでデコったものをつけている歌手の方も多く見られます。
なにげなく見ている方も多いと思いますが、あれは一体何のためにつけているのでしょうか??
「自分の歌声?」
「スタッフからの指示?」
「それとも・・・!?」
いろいろと想像が膨らみますよね。笑
歌手のイヤホンは何のために必要?普通のイヤホンと何か違うものなの?
歌手の方が耳につけているものの正体は、普通のイヤホンではなく「イヤーモニター」というものをつけています。
「イヤホン」ではなく、「イヤモニ」と呼ばれています。
歌手のイヤモニは何のためにつけるの?
では、歌手はこのイヤモニを何のためにつけるのでしょうか?
イヤモニをつける前の時代、歌手の人たちは演奏をきくには、楽器からでる音を直接聴くか、客席のためにつけられたスピーカーの音を聴くしかありませんでした。
それが、ここ最近ではライブ会場が徐々に大きくなり、演奏者用のスピーカーが設置されるようになりました。
これはステージモニターと呼ばれています。
しかし、このステージモニターでは、歌手がステージ上を移動するたびに、その場所によって聞こえ方が変わってしまいます。
また、「かなり大きな音で流さないと聞こえない」という問題点がありました。
そして会場が広くなってくると、「スピーカーから聞こえてくる音が、実際に演奏している音と少しタイミングがずれて聞こえてくる」という問題点も出てきました。
で、この「イヤモニ」は、これらの問題を解決するものとして登場しました。
耳に直接装着するイヤモニを使うことで、歌手の方々はステージ上を移動しながら、どこにいても演奏の音をしっかりと聞くことができて、パフォーマンスを行うことができるようになりました。
また、耳に直接音が聞こえてくるので、最小限の音だけを流すだけじゃなく、演奏以外のスタッフからの指示なども、このイヤモニをつかって聞けるようになったのです。
なので現在では、歌手の方々が質の高いパフォーマンスを行うためには、このイヤモニはなくてはならない存在となっているんです!
イヤモニには何が聞こえているの?
イヤモニの重要性については確認ができましたが、実際歌手の方がつけているイヤモニには何が聞こえているのでしょうか?
このイヤモニに流れている音ですが、例えば同じグループの数人でも聞こえている音はそれぞれ違うそうです。
自分の声や他の楽器の音など、それぞれの演奏者に最適なバランスになった音が聞こえています。
ステージ上には歌手の方だけでなく、
- ドラム
- ギター
- ベース
- ダンスなどのパフォーマーの方
それぞれのイヤモニには、それぞれがパフォーマンスしやすい音が流れているという訳です。
イヤモニはいつ頃から使われているものなの?
では、このイヤモニはいつごろから使われ始めているのでしょうか?
そもそも、この「イヤモニ」が使われる前でも、1970年代ごろには、市販のヘッドホンやイヤホンが使われていました。
それが1990年代になると、使用者の耳型に合わせた「専用のイヤモニ」が使われるようになってきました。
今では、アクセサリーの一部的な感じで、それぞれの子のみでデコったイヤモニが使われることが多くなっていますよね。
そしてこのイヤモニは、歌手だけでなく、ニュースキャスターなどのいろんな場面で使われるようになっています。
イヤモニを片耳だけつけてる歌手がいるけど両耳とどう違うの?
たいていの歌手の方は、両耳にイヤモニを付けています。
しかし、たまに片耳にしか付けていない方もおられます。
片耳と両耳の違いは、聞こえ方の違いです(当たり前ですが)。
両耳だと、両方の耳から自分たちの演奏が立体的に聞こえます。
片耳だと、片方からだけなので、両耳に比べると聞こえ方のバランスが悪いというデメリットがあります。
しかし、会場の声や空気感を直接感じることができます。
そのため、お客さんの声をダイレクトに聞きたい、雰囲気をイヤモニを通さずに感じたい、という歌手の方はイヤモニを片耳だけにしたりするそうです。
こんな風に思いながら歌手の方を見ると、なんだかいろいろと想像が膨らんでしまいますよね。
ただ、今の話をすると「両耳にイヤモニを付けている歌手の人は、ファンのことを考えていない冷たい人だ」という風に思ってしまうかもしれませんが、それはまた違います。
やはり、音の聞こえ方のズレをなくすためには、両方の耳にイヤモニをつけて余計な音(壁に反射してくる音や雑音)をなくすのが一番良いでしょう。
なので、両耳にイヤモニをつけると、質の高いパフォーマンスができるとも言えます。
両耳にイヤモニをつけている人は、「お客さんにベストな状態の音楽を聴いてもらいたい」という気持ちの現れであるとも言えますね。
片耳だけが大きな音を直接聞けないような理由がある方も、片耳だけのイヤモニになることがあります。
片耳だけイヤモニを付けているワケは、歌手のご本人にしかわからないということですね。
イヤモニつけない歌手もいるけど大丈夫なの?
イヤモニをつけない歌手の方もおられます。
大丈夫か大丈夫じゃないかは、会場の広さやバンド編成によるでしょう。
小さなライブハウスでは、イヤモニを付ける方はあまりおられません。
私は、学生時代にジャズバンドをしていました。
数人編成のバンドや、10人以上のビッグバンドをバックバンドにしたとしても、歌手の方がイヤモニを付けてライブハウスで演奏している人は見たことがありません(アマチュアだからかもしれませんが)。
ただ、イヤモニをする代わりに、ステージモニターのバランスチェックは必ずしていました。
ライブハウスの規模であれば、ステージモニターだけでも充分事足りるのでしょうね。
イヤモニをつける意味は、音のズレをなくすというのが大きなところです。
会場が広ければ、どうしてもエコーがかかって聞こえることもあります。
また、自分の声やバンドの音があちこちに反射して、何が正しいタイミングなのかわからなくなります。
でも、小さな会場であれば、反射したり音のズレが発生する余地がないので、生音でも大丈夫です。
アコースティックギターと歌手の方のデュオなど、音がわかりやすいような編成の場合でも、音がややこしくないので生音で問題ないかもしれませんね。
もしかすると、学生のアマチュアバンドの方などであれば、イヤモニを付けたいけど資金不足で諦めている、という方もおられるかもしれません。
オペラ歌手やクラシックの歌手の方も、イヤモニを付けているイメージはありませんよね。
私は音楽大学に行っていたのですが、声楽専攻の友達は誰一人としてイヤモニをつけていませんでした。
やはり、イヤモニを付けて演奏するかどうかは、ケースバイケースなのでしょう。
イヤモニを一般人がつけているのは変?使うシチュエーションは存在しない?
“イヤモニ=有名歌手”というイメージがあるかもしれませんが、一般の方でもつける人もいるようです。
「憧れの歌手の方と同じイヤモニが欲しい!」
「イヤホンがすぐに耳から外れるから、自分の耳にフィットしたものが欲しい!」
「なんとなくかっこいいから欲しい!」
「質の良い音を聴きたい!」
など、理由は様々。
演奏中以外に使うシチュエーションとして、イヤホンの代わりに音楽を聴く、というのが一般的でしょう。
イヤモニは、自分の耳の型を取って完全オーダーメイドで作られるので、完成して手元に届くまで数ヶ月ほどかかるようです。
そして、イヤモニの購入ができるお店は限られているので、気軽に買えないというところも注意が必要です。
普通のイヤホンとイヤモニでは、音の聞こえ方がかなり違うようです。
普通のイヤホンでは聞こえなかった音が聞こえます。
しかし、一方で遮音性が高いために、周りの音があまり聞こえずに危険な思いをすることもあるようです。
外を歩いているときに付けると、車の音やクラクションが聞こえないことがあります。
電車やバスに乗っていると、アナウンスが聞こえなかったりもするそうです。
自転車や車の運転中にイヤモニを付けて音楽を聞いていたら、思わぬ事故につながる恐れもあります。
それらの点をきちんと念頭に置いて、周りの音が聞こえなくなっても大丈夫なシーンで楽しむようにしてくださいね。
歌手がつけてるイヤホン!イヤモニの値段はいくらくらいするものなの?
歌手の方々のパフォーマンスにとって、イヤモニはとても大切なものということがわかりました。
でもこのイヤモニ、大体いくらくらいが相場なのでしょうか?
イヤモニの値段の相場はいくら?
イヤモニの価格は、メーカーや機種・デザインなどの細かな仕様によって価格が異なります。
価格帯は「4万円~40万円まで!」と、大きく幅があります。
良く使われているイヤモニの相場は、7万円~10万円ほどのモデルが相場と言われています。
イヤモニを使っている方々は、音質やデザインを吟味して、自分専用のイヤモニを作っていることが多いようですね。
どうしてイヤモニは高額になるの?
市販のイヤホンに比べて、イヤモニは高額な印象をうけますよね!(中にはそれ以上に高額なイヤホンもありますが)
なぜ、イヤホンに比べてイヤモニは高額になるのでしょうか?
イヤモニは基本的にカスタム、つまり一人一人の耳の形に合わせてオーダーで作られています。
一人一人の耳型をとり、その人にしか合わないぴったりのイヤホンを作るからです。
「あなたのためのカスタム」なので、ぴったりとフィットして、外の音はほとんど聞こえなくなります。
そのため、歌手の方は音をずらすことなくパフォーマンスをすることができるというわけです。
当然、市販で売られているものに比べて、カスタムのイヤホンは高額になります。
もちろん、歌手の方ではなく一般の方でもイヤモニを購入することは可能です。
「カスタムで作るイヤモニ」を見てみる
少し高額になりますが、音漏れがしなかったり、そもそも音がとても良いなどのメリットもありますので、音楽好きな方にはオススメですよ。
歌手がイヤホンをつけているのはなぜ?のまとめ
歌手がイヤホンをつけている理由について見てきました。
普段何気なくみていた音楽番組ですが、イヤモニという存在の役割については私も初めて知りました。
たしかに、それぞれのアーティストが個性的なイヤホンをしているな~となんとなく思ってはいました。
今回いろいろと調べていく中で、好きなアーティストのイヤモニにどんな音が流れているのか、ちょっと気になりました。
次に音楽番組を見る際は、イヤモニの存在にも注目してご覧になってみてはどうですか?