かぼちゃの放任栽培というのは、読んで字ごとく「ほったらかしでも勝手に育つ」という意味です。
本当に何もしなくていいのか、やはり味に違いがでるのか、調査してみました。
私の周りにも結構いるのですが、かぼちゃをお店で買った後、種がもったいないから試しに庭に埋めたらたくさん芽が出たとのことでした。
種として園芸店にも売られているでしょうが、このように食べるつもりで買ったかぼちゃの種でも結構簡単に芽がでちゃうのです。
私も試しに花壇に種をまいたのですが、ほぼ100%の確率で全部芽が出ました。
ただ、種をまく時期が遅かったため、実がなる前に寒くなってしまい枯れてしまいましたが・・・
お店には1年中かぼちゃが売られていますけど、育てるとなると時期を選ばないといけませんでした。
途中までは順調に成長していましたが、ほんとにほったらかしでも雄花と雌花が交互に咲いていて、実もそこそこ大きくなっていっていました。
かぼちゃは肥料もそんなにたくさんは必要としません。
なので、最初から肥料が混ざっている土であれば、放任栽培でもそれなりには大きくなることでしょう。
売り物で作るかぼちゃは大きさも決まっていますし、見た目がきれいと言うのも大事ですよね。
大きくするためには当然ですが、1つの実に栄養が行くように近くの雌花は取ってしまいます。
放任栽培だと、そういったことはなにもしないので、ツルは伸び放題だし実もたくさんなるので小ぶりなかぼちゃができます。
ちなみに、放任栽培したかぼちゃのお味に関してですが、かぼちゃは採れたてのものははっきりいってまずいです。
収穫してから3週間くらい寝かせておかないと熟成されません。
小ぶりでも時間をおけばそれなりには食べられるものが採れます。
たまに知らないですぐ食べて、まずいから失敗といって捨ててしまう人もいます。
かぼちゃを放任栽培したら収穫量はどのくらい?沢山実をつけるには?
かぼちゃを放任栽培したら収穫量は増えるんじゃないかって思う人いますよね。
摘心も何もしないのだから、ツルは長く伸びるしその分花はたくさん咲くわけです。
だけど実際にはよくて2、3個くらいしか採れません。
あちこち脇芽が伸びまくって栄養が取られてしまいますからね。
すいかも似たような感じで実がなりますが、ほったからしだと葉っぱだけはたくさん増えて、実にはあまり栄養がいきません。
なっても小玉すいかみたいなのがたくさんで、あまり甘くもないのが採れてしまいます。
ちなみに売り物にするためにおいしいかぼちゃを作るとなると、1株に1個くらいの割合で作ります。
その1個に栄養と甘みが凝縮されてとてもおいしい高級かぼちゃのできあがりです。
かぼちゃを完全に放任栽培したらどうなる?
実際に放任栽培をしている人によると、何もせずにほったらかしだからツルはかなり長く伸びて、実は20個くらいつけるそうです。
ウリ科の植物って、雌花と雄花のつぼみの時点で形を見ればすぐにどっちかわかるんですよね。
雌花は花の後ろにすでに小さな実が見えているので・・・
花の咲く順番で実に栄養が行くので、ツルの先端の方にはもう微々たる栄養しか行きませんので大きくなりません。
だから実自体が20個くらいついていても、収穫できるレベルの大きさのかぼちゃが採れるのは根元から3個くらいです。
そして、後はいくら待ってもその後ろのかぼちゃは成長しないのだそうです。
摘心をしてもしなくても、食べられるかぼちゃが採れるのは3、4個という結果となりました。
かぼちゃをたくさん収穫したい場合はどうしたらいいの?
先端まで栄養が行くように肥料を多めに上げればもっとたくさん採れるのでは?と思ったりしますよね。
元々かぼちゃはあまり肥料を必要としない植物で、肥料をあげすぎると葉っぱばかり増えてしまうなんてこともあります。
だからもしたくさん採りたいという場合は。
1株でたくさん採ることはあきらめて、種をたくさんまいて複数株を育て、たくさん収穫する以外はないのです。
広い畑が有り余っていて、雑草が生えて仕方ないなんて言う人は、かぼちゃの種をまいておけば勝手に芽が出て広がって、実をつけてくれます。
個人で借りるレンタル畑なんていうものもありますが。
完全放任栽培だとツルがあちこちに伸びて、隣の畑まで広がって迷惑をかける可能性もありますね。
どのみちたくさんは採れないのですから、先端部分をカットして3個くらいを大事に育てるという方向の方がいいですよ。
かぼちゃ栽培のとき摘芯や追肥をすると影響や効果がある?デメリットはないの?
では放任栽培ではなくて、少し手を加えてみるとどうでしょうか。
かぼちゃの摘芯は、本葉が5~6枚出たところで親づるの先端を切ります。
切るとなるとちょっとドキドキしますよね。
このとき、できるだけ先端をちょびっと切るのがコツです。
仕立て方によってかわりますが、家庭菜園なら
- かぼちゃの親づるは摘芯して
- 子づるを2~3本育てる
なので、カボチャの子づるからさらに伸びる孫づるは、摘芯してしまいます。
これは、かぼちゃの葉っぱが混み合って光合成がしにくくなるのをさけたり、栄養が分散しないようにするためです。
ただ、この「かぼちゃの摘心」はメリットばかりではありません。
かぼちゃの摘心のデメリットは、枯れるリスクや成長しなくなるリスクがあることです。
早いうちの摘芯はいいですが、育ってからの摘心はダメージとなりやすいので、果実がつき出したら摘まないようにしましょう。
また、肥料をあげすぎると葉が増えると言われていますが、タイミングを見て追肥をするのはおすすめです。
特に果実がこぶし大ほどになったら、追肥をしましょう。
ただ、このタイミングでつるが元気に伸びる様子があったり、葉の色が濃いときは「つるぼけ」になる可能性があるので、追肥はやめておきましょう。
「つるぼけ」とは、つるや葉がしげり過ぎて開花や着果しにくくなってしまうことです。
実はこの「つるぼけ」、肥料の種類を気をつけるだけでも防ぐことができます。
つるぼけは、窒素過多の状態になると起きやすいと言われています。
なので、かぼちゃの追肥で使う肥料は「窒素の控えめの肥料」を選ぶといいですよ。
かぼちゃを放任栽培には西洋かぼちゃが向いている?
かぼちゃには日本かぼちゃと西洋かぼちゃという品種があり、育て方がちょっと違うようですね。
初心者は西洋かぼちゃの方が育てやすいそうなので、まずはこちらからチャレンジしてみてください。
西洋かぼちゃは普段スーパーで売られている品種なので、なじみの味ですよ。
西洋かぼちゃが放任栽培に向いている理由
放任栽培をする場合も西洋かぼちゃの方が向いています。
その理由なのですが、種から芽が出て最初に伸びているツルが「親ツル」といいます。
そして、脇芽が成長して出たツルを「子ツル」というのですが、西洋かぼちゃは親ツルの方に実をつけやすいのです。
逆に日本かぼちゃは子ツルに実がよくつきます。
だから日本かぼちゃは先端部分を摘心して、子ツルを増やしてあげないと実もあまりつかないということになります。
親ツルに実をつける西洋かぼちゃは摘心をしなくても勝手に実をつけるということになりますね。
ただ、勝手に実をつけるといっても、受粉をしないと実が膨らまないわけです。
ほんとに何もしたくないのであれば、自然受粉を目指してもいいですが。
せっかくだから収穫したいっていうのであれば人工授粉をお勧めします。
やり方は簡単で、雌花と雄花が両方咲いたら、雄花をむしって雌花にくっつけるだけで受粉完了です。
かぼちゃは放任栽培ができる?のまとめ
放任栽培をする場合は、西洋かぼちゃがお勧めです。
普段食べているかぼちゃはだいたい西洋かぼちゃですからね。
摘心しないで放置したかぼちゃも、たくさんなりすぎると栄養も甘みも分散されるので、味はあまりおいしくありません。
1株に対して最適な収穫量は3、4個です。
とても大きな畑があるのなら放任栽培でもいいですね。
ですが、さほど大きくない場合はやはり多少管理した方がおいしいかぼちゃがなるのではないでしょうか。
なん十個もなったとしても。
その先のかぼちゃは食べることができずに引っこ抜いて処分しないといけないので、葉っぱが大きいこともあり捨てるのは大変です。
それなら4個くらい花が咲いたらあとは摘心してしまった方が後は楽かなと思いました。
色々な人が毎年試行錯誤してどこまで放任栽培できるかチャレンジしていますので、動画検索してみてくださいね。