リクガメって、のんびりしてて可愛いし、草をもぐもぐ食べてる姿に癒されますよね。
あのつぶらな瞳でこちらを見上げながら、ゆっくりと葉っぱをかじっている様子を見ていると、時間がゆるやかに流れていくような感覚になります。
私も最初にリクガメを迎えたとき、わくわくしながらいろんな野菜を用意しました。
「体に良さそうな野菜ならなんでもOKでしょ」なんて、まるでサラダバーを準備するような感覚で。
小松菜、キャベツ、ほうれん草、果物もちょこっと。
まさかその中にリクガメにとって命に関わる食材が混ざっていたなんて、そのときの私はまったく知りませんでした。
ある日、いつもより元気がなくなって、エサに見向きもしなくなったうちの子を見て「なんで?どうしたの?」と慌てて調べていくうちに、ようやく知ったんです。
リクガメって、実はものすごく食に繊細で、知らずに与えたものが原因で体調を崩すことがあるってことを。
ぞっとしましたし、自分の無知を本気で反省しました。
この記事では、私のようにうっかりやってしまいがちな「NGな野菜や果物」を一覧で紹介しながら、「どうしてそれがダメなのか?」という理由もやさしく解説しています。
「今まで知らずにあげちゃってた…!」と心配な方も、この記事を読めば今日から自信をもってエサ選びができるようになります。
あなたとリクガメの毎日が、もっと安心で、もっと笑顔あふれるものになりますように◎
なぜダメなの?リクガメに与えてはいけない食材の理由
リクガメは「草食性」だけど、何でも食べられるわけじゃない
リクガメは基本的に草食性で、野菜や果物が主な食事になります。
だからこそ「人間が健康に食べられるもの=リクガメにも良い」と思いがちなんですが、実はそこに大きな落とし穴があるんです。
というのも、リクガメの消化器官はとても繊細で、自然界では限られた種類の野草をゆっくり食べながら生きてきた動物。
人工的に栽培された野菜や私たちの食卓に並ぶ果物には、本来リクガメが出会うことのない成分や栄養バランスが含まれていて。
それがかえってリクガメにとっては、身体の負担になることがあるんですよね。
中には、初めての餌でも喜んで食べる子もいて、「これは好きなんだな」と思って与え続けた結果、あとから体調を崩してしまった…というケースもあります。
飼い主としてはせつない話です。
体に悪影響を与える成分(シュウ酸・ソラニン・糖分など)
特に気をつけたいのは、シュウ酸・ソラニン・糖分といった成分。
シュウ酸は体内のカルシウムと結びついて結石を作ってしまうことがあるし。
ソラニンはナス科の野菜などに含まれる天然毒素で、神経にダメージを与えたり中毒症状を引き起こす原因になります。
また、果物の糖分も意外と侮れません。
自然の甘さとはいえ、リクガメにとっては消化しにくく、腸内環境を乱してしまうことがあるんです。
中には便がゆるくなったり、逆に便秘になってしまう子もいます。
一度食べたらすぐに影響が出る?それとも蓄積される?
「たった一口くらいでそんなに影響あるの?」と思いたくなる気持ち、私にもすごくよくわかります。
でも実際は、一度の摂取で急激に症状が出るパターンもあれば、数週間~数ヶ月かけてゆっくり蓄積され、ある日突然体調を崩すというケースもあるんです。
しかもリクガメって、具合が悪くてもそれをあまり表に出さない生き物。
だからこそ、飼い主が異変に気づいたときには、すでに症状が進行していた…なんてことにもなりかねません。
「なんとなく元気がない」
「最近エサをあまり食べない」
そんなサインを見逃さないようにするためにも、そもそも与える前にリスクを減らすという意識がとても大事なんです。
リクガメに与えてはいけない野菜一覧
ほうれん草:シュウ酸が多くて結石の原因に
一見ヘルシーで栄養たっぷりなイメージのほうれん草ですが、リクガメにとっては決して無害ではありません。
特に問題なのが「シュウ酸」という成分で、これがカルシウムと結びつくことで、尿路や腎臓に結石を作ってしまうリスクがあるんです。
私は昔、サラダに使った残りのほうれん草を少しだけ与えたことがあるんですが、数日後に排せつ物の色が妙に濃くなっていて、慌てて調べました…。
結果的に大事には至らなかったものの、それ以降はシュウ酸=リクガメの天敵と肝に銘じています。
カルシウムが命のカメにとって、骨や甲羅の形成にも悪影響が出るのは深刻ですよね。
キャベツ・チンゲンサイ:甲状腺に影響する「ゴイトロゲン」に注意
こちらもよく「安全な葉物野菜」として見かけますが、実はリクガメにはあまりおすすめできません。
これらの野菜に含まれる「ゴイトロゲン」という成分が、甲状腺ホルモンの生成を阻害してしまうことがあるんです。
特に毎日キャベツを与えていたという飼い主さんが、「なんだか元気がない」「冬場に動きがにぶい」と気づいて、エサを変えたら明らかに改善したという話も。
与える頻度が高すぎると、代謝や成長に影響が出ることもあるので注意が必要です。
ジャガイモ・ナス:ソラニンが含まれていて中毒の危険
ジャガイモやナスといったナス科の野菜には、「ソラニン」という毒素が含まれていて、これがリクガメの神経系に悪さをするんです。
実際、少量でも吐き気やけいれん、ひどいときには意識障害のような中毒症状が起こる危険性があるとされています。
人間でも芽や青い皮は取り除くように言われますよね。
それくらい、自然界では“避けるべきもの”として扱われている成分です。
ナスの皮などをうっかりあげないよう、本当に注意が必要です。
ネギ・玉ねぎ・ニラ:少量でも中毒症状が出る可能性あり
これらは「リクガメに限らずすべてのペットにNG」とされている代表格。
たとえ加熱しても毒性が消えないことがあり、赤血球を壊してしまう成分(アリルプロピルジスルファイドなど)が含まれているため、貧血や最悪の場合命に関わることもあります。
「炒め物の切れ端だから」「スープに入ってた小さなかけらだから」といった油断が、思わぬ事故につながる可能性も…。
我が家では台所に立つときは、落としたネギ類は即座に拾うよう家族にも徹底してます。
大根・ピーマンなど刺激の強い野菜にも注意
大根の辛味成分やピーマンの苦味は、人間にとっては健康的でも、リクガメにとっては腸内バランスを崩す可能性がある刺激物になります。
実際、うちの子にほんの少し大根の葉をあげたことがあったんですが、食べたあと明らかに動きが鈍くなって「ん?何か変だぞ?」と思ったんです。
数日で元に戻ったけど、それ以来、大根は“あげなくていいやつ”リストに即追加。
絶対NGとは言えないけれど、「ちょっとだけなら」と軽く考えるのは危険。
少量でも頻度が積み重なると体調を崩すこともあるので、与えるとしてもごくたまに、ほんのひとくちだけにしておくのが安心です。
リクガメに与えてはいけない果物一覧
バナナ・りんご:糖分が多くて肥満や消化不良の原因に
「果物=体に良い」は、どうしても人間目線の感覚なんですよね。
甘くて栄養価が高く、健康的と思われがちなバナナやりんごも、リクガメにとっては“糖分が多すぎる”食材なんです。
特にバナナは水分が少なく粘性が高いので、消化が遅れやすく、便秘やお腹の張りを引き起こすことがあります。
私も昔、おやつ代わりに一切れあげてみたら、その後うんちが数日出なくなって…めちゃくちゃ焦った記憶があります(汗)。
りんごも同様に果糖が多く、胃腸にやさしいとはいえ、毎日のように与えると内臓にじわじわと負担がかかってしまうんです。
もちろん完全にNGではありませんが、月に数回、薄くスライスして一口だけ、くらいが安心です。
柑橘類(みかん・レモン):酸が強すぎて胃腸に負担
人間にとっては「ビタミンCの宝庫」な柑橘類。
でもリクガメにとっては、強い酸味が刺激になってしまう果物。
とくに未熟な実ほど酸味が強く、下痢や食欲不振を引き起こすこともあります。
みかんをむいていたら、甘い香りにつられてリクガメが寄ってくる…なんて微笑ましい光景もありますが、そこはグッと我慢。
香りにつられて口にしてしまう子もいるので、誤食に要注意です。
レモンなんて絶対NG!一口でも強い酸で胃をやられてしまう危険性があります。
アボカド:人間には良くても、リクガメには毒性あり
アボカドは「森のバター」なんて呼ばれるほど栄養豊富な果物ですが、ペットの世界では致死的な毒を含む危険な食材として知られています。
特に含まれる「ペルシン」という成分が、リクガメにとっては毒そのもの。
中毒症状としては、呼吸困難・嘔吐・ふらつき・けいれんなどが報告されており、最悪の場合命に関わるケースも。
以前、知り合いの飼い主さんが「おすそ分けでアボカドを一口だけあげたら調子を崩した」と言っていたことがあって、それ以来、うちではアボカドは完全封印リスト入りです。
ぶどう・レーズン:中毒報告あり、安全性が不明確
ぶどうとレーズンに関しては、まだ詳しい毒性のメカニズムは解明されていませんが、犬や猫での中毒報告が多く、腎不全など深刻な症状を引き起こすことがあるとされています。
リクガメにおいても、
「ぶどうを与えたあと元気がなくなった」
「レーズンを食べて下痢が続いた」
などの声があるため、安全性が確立されていない今は“避けるのが正解”だと思っています。
乾燥しているレーズンは特に糖分が凝縮されているので、ほんのひとかけでもリクガメの小さな体には負担が大きい可能性があります。
個人的にも「これはリクガメにあげていいのか?」と迷う時は、“あげない”を選ぶのがやっぱり安心です。
うっかりあげちゃう前に!食材を見分けるポイント
「人にいい=カメにいい」ではないことを理解しよう
私たち人間の感覚では、「これ体に良さそう」「栄養が豊富そう」と思うと、ついペットにも与えたくなってしまうんですよね。
特に自然派志向な方ほど、「人工的なものより野菜や果物の方が安心」と考えがち。
でも、リクガメと私たち人間では体の仕組みも必要な栄養もまったく違うんです。
たとえば、私たちが健康食として食べているほうれん草やキャベツが、リクガメには毒になることもあるという事実。
びっくりですよね。
私も以前、「サラダに入ってるし、体にいいんじゃない?」と軽い気持ちでキャベツを何度かあげたことがありました。
でもそのあと食欲が落ちてしまって…。
その経験から、「“人間にいい”と“カメにいい”は全然別物」と、身をもって学びました。
市販のミックスサラダやカット野菜の注意点
忙しいときや手軽さを優先したいとき、スーパーで売っているカット野菜やミックスサラダはすごく便利。
でも、リクガメのごはんとして使う場合にはじつはとても注意が必要なんです。
というのも、そうしたサラダにはキャベツやほうれん草など、リクガメにはNGな食材が当たり前のように混ざっているんですよね。
一見して葉っぱばかりで安全そうに見えても、裏の原材料欄をよーく見てみると「ん?これ入ってるの?」というケースが本当に多いんです。
さらに、保存のために洗浄液が使われていたり、カットから時間が経って栄養価が落ちていたりと、野菜そのものの質にもばらつきがあるのが実情。
やっぱり、リクガメには新鮮な生野菜を丸ごと自分で選んであげるのがベストです。
加熱すればOK?生だとNG?判断の基準を知っておく
「これって加熱すれば大丈夫なんじゃない?」と思う場面、ありますよね。
たとえば、ジャガイモやカボチャのように、人間にとっては火を通せば安全になる食材もあるから、リクガメにも…と考えがち。
でも、加熱しても毒素が残る食材もありますし、加熱によって栄養価が変化して、リクガメの体にとって逆に負担になることもあります。
特にソラニンやアリルプロピルジスルファイドといった天然の有害成分は、加熱しても完全に無毒化できないケースがあるんです。
これは見た目では判断できないし、ネット情報もまちまちなので、本当に迷うなら「与えない」選択がいちばん安心。
うちでも、「これ大丈夫かな?」とちょっとでも心配になったときは、一度スマホで検索するか、思いきって別の野菜に切り替えています。
リクガメの健康は“予防”がいちばんの薬だと思ってます◎
どうすればいい?安全なエサとの置き換えアイデア
リクガメが喜ぶ!安全な野菜・果物リスト
代表的なのは小松菜・タンポポ・チコリ・サラダ菜。
これらは栄養価が高く、リクガメも大好きな食材です。
私の子も、小松菜の袋を開ける音だけでスタスタ寄ってきます(笑)。
とくにタンポポやオオバコは、野草の中でも栄養バランスが優れていて、カルシウムも多く含まれているため、甲羅の成長にもプラス。
ただし、採取する場所には注意が必要です。
農薬や排気ガスがかかっていそうな場所は避けて、できれば自宅の庭やプランターで育てたものがベストです。
それから、チコリやサラダ菜のような苦味の少ない葉物もおすすめ。
水分が多くて消化にも良く、夏の水分補給代わりにもなってくれるんです。
お腹の調子が気になるときには、こうした葉野菜を中心にすると安心です。
おやつとしての果物の与え方と頻度の目安
果物は、リクガメにとって「ごほうび」みたいなもの。
ついついかわいさに負けて与えすぎたくなりますが、そこはグッとこらえて…
「たまに、ちょっとだけ」が鉄則です。
月に1~2回程度、親指の先くらいのサイズを目安にしましょう。
あげすぎると糖分の取りすぎでお腹を壊したり、偏食の原因になることも。
ちなみにうちでは、薄くスライスしたイチゴやキウイを、手から直接あげることでコミュニケーションの時間にもしています。
ただ与えるだけじゃなく、「今日は何あげようかな?」と選ぶ時間すら楽しいんですよね。
食事のバランスとカルシウム補給の工夫
リクガメの健康を支えるのは、なんといってもバランスのいい食事。
主食には葉野菜をたっぷり使い、そこにカルシウムパウダーをふりかけるのが基本のスタイルです。
カルシウムは甲羅や骨の健康にとって命綱みたいなもの。
日光浴や紫外線ライトと合わせて、カルシウムの吸収をサポートしてあげると◎。
うちでは、毎朝「今日のメニュー」に合わせて、軽くふりかけてます。
さらに、乾燥野草(たとえば乾燥タンポポやイタリアンライグラス)をミックスすることで、食物繊維や香りの刺激にもなって食欲アップにもつながりますよ。
最近は栄養バランスに優れたリクガメ用のペレットも売られていて、
「どうしても野菜が少ない日」
「旅行で準備ができない日」
なんかに重宝しています。
ただし、メインはやっぱり新鮮な野菜と野草!できるだけ自然な食生活を心がけたいですね。
まとめ
リクガメにとって「食べること」は健康そのもの。
言い換えれば、何を食べさせるかが命を左右すると言っても過言ではありません。
だからこそ、
「なんとなく良さそう」
「人間にとって体にいいから」
といった理由だけで与えてしまうのは、思いがけない体調不良や命の危険につながる可能性があるんです。
私も、一度やってしまったことがあります。
知らずに与えた野菜のせいで、うちの子の便がゆるくなってしまって、あのときの焦りと後悔といったら…。
一気に心配になって夜もぐっすり眠れず、「私が間違ったからだ」と自分を責めました。
でもその出来事があったからこそ、「正しい知識を持とう」「今後は同じことを繰り返さないようにしよう」と心に決めたんです。
今思えば、その経験が私とリクガメとの距離をぐっと近づけてくれた気もします。
ごはんを用意するときの一つひとつの選択が、この子の未来をつくっていくんだと思えるようになりました。
大事なのは、「うちの子を守れるのは飼い主だけ」という強い意識。
そして、完璧じゃなくていいから、少しずつ学んでいくこと。
この記事が、あなたとリクガメの暮らしをもっと安心で楽しいものにする、そんなきっかけになれば本当にうれしいです。
一緒に、リクガメとの暮らしをもっと心あたたかな時間にしていきましょうね◎