「クワガタ、飼ってみたいかも…」
そんなふうに思ったのは、夏の虫取りイベントのあと。
子どもが手にしたクワガタに、目を輝かせているのを見て、ふと気になったのがはじまりでした。
あの瞬間の、小さな命に触れたときのドキドキ。
かっこいい!と言いながらも、おそるおそる指を伸ばす子どもの横顔に、どこか懐かしさすら感じました。
「じゃあ、うちでも飼ってみる?」なんて、軽い気持ちで検索を始めてみたら、まぁ出てくる出てくる。
コクワガタ、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタ、ヒラタクワガタ、オオクワガタ…
見た目も違えば、性格も違う。
中には外国産の大型クワガタまで。
正直、最初は何を基準に選べばいいのかさっぱりわかりませんでした。
「飼いやすいってどういうこと?」「子どもでも世話できるの?」
そんな疑問が次々にわいてきて、気がつけば夜中までネットサーフィン。
でも、あの頃の自分にいま伝えたいことがあります。
「まずはこの5種類から始めてみようよ!」
この記事では、実際に初心者からクワガタ飼育を始めて、試行錯誤しながらも
たくさんの発見と喜びを味わってきた筆者が、
「これは間違いない」と思える、性格も育てやすさもバランスの良い5種類のクワガタを厳選してご紹介します。
どの子も見た目にインパクトがありながら、飼いやすさにも定評のあるメンバーばかり。
「子どもと一緒に育てたい」「自由研究のテーマにしたい」そんな願いにもきっと応えてくれます。
はじめてのクワガタとの暮らしが、楽しくて、ちょっと誇らしい冒険になりますように。
この記事が、その最初の一歩になれたらうれしいです。
初心者におすすめのクワガタ5選
①コクワガタ|小型で扱いやすく初心者に大人気
最初に飼ったのはコクワガタ。
正直、「地味だな」って思ってました。
でも、驚くほどおとなしくて、人の手にもすぐ慣れてくれるんです。
体が小さいぶん、100均ケースでも飼えるくらいで場所も取らず、お財布にもやさしい。
動きもおだやかなので、小さい子どもでも安心して一緒にお世話できます。
なにより、夜になるとゼリーを食べてる姿がもう可愛くて…!
その食べ方が、ちょこんと座って一生懸命口を動かしている感じで、見ているだけで癒されるんです。
個人的には、最初の1匹としてコクワにして本当によかったなと思っています。
初心者が「飼ってみたい!」と思ったときのハードルをぐっと下げてくれる、やさしい存在です。
②ノコギリクワガタ|動きが活発で観察が楽しい
「クワガタといえばこれ!」といえる王道の見た目。
大きなアゴを動かしながら、元気にケース内を動き回る姿に、子どもたちは大興奮!
ちょっと気が荒い子もいますが、個体によってはけっこう落ち着いていて、
我が家のノコくんは、意外とおとなしく手の上でもじっとしてくれます。
木登りが好きで、登り木や枝を設置すると積極的に動いてくれるので、
毎日の観察がほんとうに楽しくなる種類です。
夏に採れることも多く、はじめての1匹に選びやすい存在です。
「クワガタらしさ」をしっかり感じたいなら、この子がおすすめです。
③ミヤマクワガタ|独特のツノと風格ある姿が魅力
見た目のかっこよさならダントツでミヤマ!
ツノの形も独特で、森の王様みたいな風格があります。
その存在感に、思わず「おおっ」と声が出てしまうほど。
ただし、暑さが苦手なので、真夏は室内飼育が前提になります。
とはいえ、うちでは保冷剤+小型のファンで温度管理して、意外と簡単にいけました。
温度管理の工夫次第で、初心者でもじゅうぶん楽しめます。
観察好きの人や、かっこいい見た目を重視したい人にぴったりな種類です。
図鑑で見た「かっこいいクワガタ」をそのまま手元で育てられる感動を、ぜひ味わってほしいです。
④ヒラタクワガタ(国産)|頑丈で長生きしやすい
パワフルで見た目も迫力満点のヒラタ。
でも実は、とっても長生きで丈夫なんです。
我が家のヒラタは2年近く生きてくれて、愛着もひとしお。
大きなアゴで威嚇する姿もかっこいいけれど、
ゼリーを食べるときの無防備な姿とのギャップに、なんだかキュンとします。
ただし、他のクワガタとの同居はNG。
ケンカっぱやいので、1匹飼育が基本です。
脱走力も高めなので、フタはしっかりロックを忘れずに!
しっかり準備さえすれば、安心して長くつきあえるパートナーになりますよ。
⑤オオクワガタ|飼いやすさと人気を兼ね備えた王道
「最初からオオクワは贅沢かな…」と思ってました。
でも、飼ってみたらその魅力にどっぷり。
大人しい性格で、環境さえ整えれば初心者でも安心。
長生きで繁殖も比較的しやすいので、じっくり育てたい人に最適です。
さらに、オオクワは「育てる楽しさ」と「育てた満足感」が両方得られる特別な存在。
「自分でここまで育てたんだ」という実感が、他のクワガタ以上に強く感じられます。
初期費用はちょっと高めですが、手間が少なく安定感は抜群です!
「長く続けたい」と思った人には、最初からこの子を選ぶのも大いにアリです。
クワガタ選びで失敗しないためのポイント
飼育環境や予算に合った種類を選ぼう
はじめてクワガタを飼うなら、やっぱり「育てやすさ」が最優先。
でも、それだけではなく、もう一歩踏み込んで「自分の暮らしに合っているか?」を考えることが、失敗しないための大切なポイントなんです。
たとえば、真夏でもエアコンをあまり使わないご家庭であれば、暑さに弱いミヤマクワガタは避けたほうがいいかもしれません。
逆に、涼しい地域や温度管理がしやすい家庭環境なら、ミヤマも十分に楽しめる選択肢になります。
また、置き場所の広さも見逃せません。
大きな飼育ケースを置けるかどうか、棚の上か床に置くのか、お世話のしやすさもふまえて考えてみましょう。
たとえば、「家にあまりスペースがない…」という場合でも、コクワガタやノコギリクワガタなら、小さめのケースでも問題なく飼育できます。
逆に「見応えが欲しい!」という人なら、ヒラタやオオクワといった大型種にもチャレンジしやすいかもしれません。
さらに、小さな子どもと一緒にお世話するなら、性格が穏やかで扱いやすい種類を選ぶことが大切です。
急に暴れたり、攻撃的な一面があると、小さな子どもは驚いてしまうことも。
家族みんなが安心して関われることが、飼育を楽しい思い出にする第一歩。
自分と家族の生活リズムやペースに合ったクワガタを選ぶことが、長く続けるための秘訣です。
国産と外来種の違いにも注意
最近は、SNSやYouTubeなどでよく見る「ヘラクレス」や「ギラファ」などの外来種が注目を集めています。
たしかに見た目は派手でインパクト抜群!「一度は飼ってみたい…」という気持ちもよくわかります。
でも、初心者にとってはちょっとハードルが高め。
その理由は大きく分けて3つあります。
ひとつ目は「温度・湿度管理の難しさ」。
多くの外来種は日本の気候に合っておらず、夏でもエアコンを使って室温を一定に保つ必要があります。
湿度も含めた環境作りには、かなり気を配らないと体調を崩してしまう可能性も。
ふたつ目は「流通の制限や法律の壁」。
外来種の中には環境省の規制がある種類もあり、飼育や販売、譲渡に届け出や許可が必要なケースもあります。
知らずに違反してしまうとトラブルにつながるおそれも。
そして三つ目が「価格の高さ」。
人気の外来種は数千円~数万円するものも多く、初心者が気軽に手を出すには少しリスクがあります。
それに比べて、国産クワガタは圧倒的に飼いやすい!
気温の変化にもある程度強く、近くのショップやホームセンターでも手に入りやすい。
まずは国産種でクワガタの魅力やお世話の楽しさをじっくり味わってから、
少し慣れてきたら外来種にチャレンジしてみる
そんなステップアップが、いちばん自然で無理のない流れです。
「最初の一歩」は、やっぱり国産クワガタが頼れるパートナーですよ。
まとめ|まずは1匹、気軽にスタートしてみよう!
クワガタは、一見どれも似て見えるかもしれません。
でも、実際に飼ってみると、性格も動きも食べ方も違って、
まるでひとりひとりの個性と向き合ってるような感覚になります。
「今日はゼリーを完食してくれた!」
「なんか昨日より元気がないかも?」
「おっ、登り木の上で寝てる!かわいい!」
そんな日々のちいさな変化が、飼育の楽しみであり、命と向き合う学びでもあります。
生き物とのふれあいって、毎日がちょっとしたドラマの連続なんですよね。
特に子どもと一緒に育てていると、驚くほどたくさんの気づきがあるんです。
「どうしてエサを食べないの?」「暗いほうが落ち着くんだよ」なんて、
自然と“命の気持ち”を考えるようになる。
そうやって、言葉にしづらい大切なことが、クワガタとの暮らしの中から育まれていく気がします。
最初の1匹は、どれを選んでもきっとあなたの世界を広げてくれます。
見た目で選ぶのもOK、子どもが気に入った種類でもOK、気軽にお迎えして大丈夫。
一緒に過ごすうちに、どんどんその魅力に引き込まれていきますよ。
クワガタとの暮らし、きっと楽しいです。
いや、楽しいだけじゃなく、ちょっと誇らしくて、愛おしくて、忘れられない思い出になります。