ペットボトルのキャップだけを別で回収しているゴミ箱をよく見かけませんか?
また、以前に聞いたことがあるエコキャップ活動。
飲み物や調味料の容器などにもついているボトルキャップ。
リサイクルとして回収され地球のためになっているのだろう・・・と漠然と思っていました。
実際のところ、ボトルキャップはその後どうなっているのか知っていますか?
何かしら、役に立っているのであろうと感じていても、正直、分別する必要があると思っていてもめんどくさい作業と保管場所にうんざりするときも。
ペットボトルキャップはリサイクルすると何になる?驚きの大変身
ボトルキャップは実は、新しい姿にリサイクルされて身近なものに変身しています。
- 住宅用建材
- レジのカゴ、ゴミ箱などの各種プラスチック製品
- 杭やプロテクター、トラック用ストッパーなど
- 自動車部品や植木鉢
- イスの背もたれ
ボトルキャップはどんな風にリサイクルされているの?
①キャップを砕く→回収されたボトルキャップは一度工場に集められ、きれいに洗い、粉砕機という機械でバラバラに砕かれます。
②色を均等に混ぜる→ボトルキャップにはいろいろな色がありますよね。
砕いたキャップをおおきなタンクに入れて、回転させることで色を均一にします。
③高熱で溶かす→混ぜ合わせた細かいキャップを高熱でドロドロに溶かします。
溶かしたものを細い糸のような形にして水で冷やし固めます。
3㎜くらいの長さにきって出来上がったものを「ペレトット」と言われます。
このペレットが他の工場で成型されてあらたなプラスチック製品として生まれ変わるのです。
ペットボトルのキャップは燃えるゴミに入れちゃ駄目?理由を解説
ペットボトルのキャップは、燃えるゴミに捨てるとどうなるのでしょう?
結果は、自治体によって分別方法はことなるので、ここではっきりとNG!OK!とはジャッジできません。
ペットボトルや蓋を燃えるゴミとして出すのが可能な自治体であれば、蓋ごと一緒に燃えるゴミに出してしまいましょう。
ただ、ペットボトルのキャップは、エコにもなります。
何も分別しないで、燃えるゴミに出したとしたら最終焼却処分となります。
そうすると、空気中に二酸化炭素を排出することにつながりますよね。
この二酸化炭素が地球の温暖化を進めるということになれば、すこしでもリサイクルできるものが燃えるゴミに出すのではなく、環境問題に目を向けていきましょう。
ペットボトルのキャップは換金できる!?回収場所まとめ
ペットボトルキャップは。寄付することができるのです。
ペットボトルのキャップを回収する活動を「エコキャップ活動」と言われているのを知っていますか?
ペットボトルのキャップを集めてリサイクルで発生した利益を発展途上国にいる子供に、ワクチン代として寄付する運動のことです。
ボランティアとして手軽に始めることだできるため、小学校や幼稚園、スーパーなどでもよく実施されています。
今では、
★「エコキャップ推進協会」
で回収を実施しています。
エコキャップ運動のはじまり
エコキャップ運動を始めたきっかけを作ったのは、当時の女子高校生です。
ボランティア活動を積極的に行っていた彼女は。
「ペットボトルはリサイクルされているのに、キャップはゴミになるのがもったいないのでは?」と提案。
その時はペットボトルの本体のみがリサイクル可能とされていました。
材質や、色もさまざまなボトルキャップは難しいと言われていました。
その話を偶然耳にした、「元・日本労働組合 総連合会長 笹森清」さんです。
笹森さんが中心となって、活動が始まりました。
この活動のテーマが
- 地球環境問題
- 資源活用
- 国際貢献
このテーマをもとに多くの団体に参加を呼び掛けて2006年には任意団体にまで成長させました。
ここで設立されたのが「エコキャップ推進 全国連絡協議会」です。
2007年には、「エコキャップ推進協会」に名前を変更し2008年にはNPO法人として認証され正式に活動を始めるようになりました。
そして、この活動は全国にも広がり2010年には毎月1億個のキャップが集まるようになりました。
エコキャップ運動はいいこと尽くめではなかった・・・
ゴミになってしまうキャップが小さい子供の命を守るものに変身するとなれば、こんなにいいことは無い!
と思うエコキャップ運動ですが、デメリットも存在することがわかりました。
- 環境問題をとおしてこどもにワクチンを届け、命を助けることに繋がる
- 活動することで、人員の確保が必要になる
- キャップを粉砕する過程で発生する二酸化炭素が結局環境汚染につながるのでは?
活動に参加するために必要以上のペットボトルを購入してキャップを持ってくる子供もいるなど、本来の資源の無駄使いにつながっている状況も否めませんでした。
集めたキャップを送付先に送るには、郵送費も発生します。
エコキャップ推進協会では、キャップを再生業者に発送できる佐川急便の「エコキャップ配送サービス」を利用しています。
このサービスを利用したとしても、1袋約6kg(2400個)を送ろうとすると発送料は420円です。
そこから、浮いた金額の寄付金額はたった60円にしかならないのです。
結果、ほとんどの金額が輸送業者と協会に持っていかれてしまっています。
ワクチンは、1人分20円。
このために必要なキャップの数は、約2kg(800個)です。
高い輸送費を払ってキャップを送るよりは、直接ワクチン代を寄付すればいいのではないか?という意見も出ています。
エコキャップ運動の寄付金が不正使用されていた!!
エコキャップ運動で問題になったのが、覚えている方もいるのではないでしょうか。
「寄付金の不正使用」。
エコキャップ推進協会の理事長が、2013年9月~2014年8月にあったカップリサイクルの収入約9,000万円の内訳について。
- キャップの洗浄や異物の除去などの作業をお願いした障害者支援事業に1900万円。
- 人件費として約3900万円。
- 事務所の家賃などに約3900万円
そして、エコキャップ推進協会の役員は月35万という報酬を得ているという事実が発覚しました。
さらに、2013年9月以降には寄付金がワクチンなどの支援に使われていないことが分かりました。
まさかこんな使われ方をしているとは誰も思いませんよね。
ワクチン不足の子供を助けたいという善意を、悪用された、裏切られたという気持ちになります。
ペットボトルキャップの分別は無駄!?のまとめ
最後は、エコキャップ運動のなんとも悲しいお話をしてしまいましたが、ペットボトルのキャップの分別は無駄ではないことは、わかっていただけましたでしょうか。
環境問題のことを考えても、リサイクルできるものは、再利用して、それに協力できることがある私たちは、できる限りそれに協力するのが大切ですね。
また、今ではボトルキャップを回収して慈善団体に寄付をする活動をおこなっているところもあります。
もしキャップを寄付するのであれば自分で調べて信用できる団体に持ち込んでくださいね。