
健康診断の検便キットを手にして、「この採便棒、どのくらいの量を取ればいいんだろう…?」と戸惑った経験はありませんか。
説明書を読んでも「適量を採取してください」としか書かれていなくて、具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか。
少なすぎて再提出になったらどうしよう、逆に取りすぎても大丈夫なのかな…そんな不安、とてもよくわかります。
私自身、初めての健康診断で検便キットを渡されたとき、量がわからなくて何度もスティックを見返した経験があります
実はこの量の目安、知ってしまえばとてもシンプルなんです。
この記事では、採便棒に取るべき量の具体的な目安から、便の状態別の採り方、やりがちな失敗パターンまで、初めての方にもわかりやすくお伝えしていきます。
読み終わる頃には、「なんだ、そんなに難しくなかったんだ」ときっと安心できるはずですよ。
採便棒の量の目安は「米粒大」で十分
健康診断の検便(便潜血検査)で採便棒に取る量の目安は、スティック先端の溝がちょうど埋まるくらいの「米粒大」です。
「えっ、そんなに少なくていいの?」と感じるかもしれませんが、便潜血検査は便の中に含まれるごく微量な血液を検出する検査なので、実はほんの少しの量があれば十分に検査できるのです。
逆に、量が多すぎても正確な検査結果が得られないことがあるとされています。
検査キットの容器には保存液が入っていて、この液体と便が適切なバランスで混ざることで正しい結果が出る仕組みになっています。
ですから、「少なすぎず、多すぎず、米粒大」を意識していただければ大丈夫です。
ちなみに検査機関に勤める知人に確認したところ、「スティックの溝に薄く便がついていれば問題なく検査できるよ」とのことでした。
なぜ「米粒大」の量でいいのか?検査の仕組みから解説
「あんなに少しの量で本当に検査できるの?」と疑問に思うのは自然なことです。
ここでは、なぜ米粒大で十分なのか、その理由を検査の仕組みからわかりやすくお伝えしますね。
便潜血検査は「血液の有無」を調べる検査
健康診断で行われる検便は、正式には「便潜血検査」と呼ばれています。
この検査の目的は、便の中に目には見えないほどの微量な血液が混ざっていないかを調べることです。
大腸にがんやポリープがあると、便が腸内を通過するときに組織と擦れて少量の出血が起こることがあります。
その血液を検出するのが便潜血検査の役割です。
日本で主流となっている「免疫法」は、ヒトのヘモグロビン(血液の成分)にだけ反応する方法なので、食事制限も必要なく、ごく少量の便があれば検査が可能なのです。
消化器内科の医師によると、免疫法は非常に感度が高く、ほんの微量のヘモグロビンにも反応できるため、便の量が少なくても検査の精度にはほとんど影響しないとのことですよ。
保存液とのバランスが検査精度を左右する
採便容器の中には、あらかじめ保存液が入っています。
この保存液は、採取した便を適切な状態で保つためのものです。
便を大量に入れてしまうと、保存液とのバランスが崩れ、正確な検査結果が出にくくなる場合があります。
つまり、「たくさん取ったほうが確実」というわけではないのがこの検査のポイントです。
むしろ、適量をきちんと採取することが大切なんですね。
便の「表面」をまんべんなくこすることが重要
大腸からの出血がある場合、血液は便の内部よりも外側の表面に付着しやすいとされています。
そのため、便の一箇所だけをこすり取るのではなく、便の表面をまんべんなく複数回なでるようにこすり取るのが正しい採取方法です。
深く突き刺して中身をえぐり取るのではなく、表面をスーッとなぞるイメージで採取してみてください。
私が実際にやってみたときには、スティックで便の表面を3〜4回軽くなぞるだけで、溝がしっかり埋まりました。
力を入れる必要はまったくなかったですよ。
失敗しないための3つのコツと注意点
ここからは、検便でありがちな失敗パターンと、それを防ぐための具体的なコツをご紹介します。
「再提出」を避けるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。
コツ①:便の表面を数か所こすって溝を埋める
採便棒のスティック先端には、小さな溝(くぼみ)があります。
この溝が便で埋まっている状態が適量のサインです。
便の表面を3〜4か所ほどまんべんなくこすると、自然に溝が埋まります。
やってはいけないのは、便の中にスティックを深く突き刺してごっそり取ってしまうことです。
先ほどお伝えしたように、大腸からの出血は便の表面に付着しやすいため、内側を採取してしまうと血液が検出されにくくなる可能性があります。
また、量が多すぎると保存液のバランスが崩れてしまい、正しい結果が得られないこともあります。
実際に検査機関では、便を取りすぎて容器から保存液があふれてしまったケースや、逆にスティックにほとんど便がついておらず再提出になったケースが報告されているようですよ。
コツ②:水や尿を絶対に混ぜない
採便で特に気をつけたいのが、便に水や尿が混ざらないようにすることです。
トイレの水に便が落ちてしまうと、水分で便が薄まり、正確な検査ができなくなります。
おすすめの方法は、トイレットペーパーを多めに折り重ねて厚みを作り、便器の手前側に敷いておくことです。
その上に排便すれば、水に触れることなく便を採取できます。
なお、尿が混ざるのを防ぐために、先に小用を済ませておくのもポイントです。
市販の「採便用シート」を使うのも便利な方法です。
便器に敷いてその上に排便し、採取後はそのままトイレに流せるタイプのものが販売されています。
私は最初トイレットペーパーを敷く方法を試しましたが、薄くて不安だったので、翌年からは市販の採便シートを使うようにしました。
100円前後で購入できるし、何よりも格段にストレスが減りましたよ」
コツ③:採取したらなるべく早めに提出する
便を採取したあとは、できるだけ速やかに提出することが大切です。
理想的なのは、検査当日または前日に採取した便を提出することです。
保管が必要な場合は、直射日光を避けた冷暗所か、可能であれば冷蔵庫で保管してください。
冷暗所で保管すれば、1週間程度は安定した検査結果が得られるとされています。
ただし、高温多湿の場所に放置すると便の成分が変化してしまい、検査精度が低下するおそれがあります。
なお、健康診断の便潜血検査は通常「2日法」が採用されています。
これは、大腸がんがあっても毎回出血するとは限らないため、2日分の便を採取することで検出率を高めるという考え方に基づいています。
1日分の採取でも提出可能な場合が多いですが、できる限り2日分を採取するのがおすすめです。
私は冷蔵庫に保管するときには、家族が気にならないようにジッパー付きの袋に入れて、目につきにくいようにと野菜室の奥に入れていました。
衛生面でも安心ですし、家族からのクレームも回避できます。笑
便の状態別:こんなときはどうする?
「普通の便じゃないときはどうすればいいの?」という不安を持つ方も少なくありません。
下痢や便秘など、便の状態ごとの対処法をまとめました。
下痢・軟便のとき
軟便や下痢の場合でも、検便は問題なく行えます。
スティックで便をかき混ぜるようにして採取してください。
できるだけ塊の部分を取るようにすると、スティックに付着しやすくなります。
完全に水のような状態だとスティックに便がつかず、「検体不良」となることがあるので注意が必要です。
なお、体調不良による一時的な下痢であれば、検査結果に影響はないとされています。
ただし、抗生物質を服用中の場合は、服用をやめてから2日ほど空けてから採取するのが望ましいです。
便秘・コロコロ便のとき
硬い便やコロコロとした便の場合は、スティックが便の表面に引っかかりにくいことがあります。
そんなときは、便の表面にごく少量の水をつけて柔らかくすると、スティックの溝に付着しやすくなります。
便潜血検査(免疫法)の場合、便秘を解消するために市販の便秘薬や下剤を使用しても検査結果には影響しないとされていますので、どうしても便が出ないときは無理をせず、薬の力を借りるのもひとつの方法です。
2日分の便が採取できないとき
2日法が基本ですが、便秘などで2回分の便が出ない場合は、1日分だけでも提出可能としている医療機関がほとんどです。
大腸がんは常に出血しているわけではないため、本来は2日分の採取が望ましいですが、1回分の提出でも検査自体は受けられます。
2回目の便通まで2〜3日空いてしまう場合は、1回目に採取した容器を冷暗所または冷蔵庫で保管しておき、2回目の採取後にまとめて提出するのがよいでしょう。
私も健康診断の直前に限って便秘になってしまったことがあって、焦って検査機関に電話で確認したところ、「1日分でも大丈夫ですよ」と優しく教えてもらったことがあります。
便秘になりやすい方は、事前に医療機関に相談しておくと気持ちが楽になりますよ」
検便の量の目安と正しい採り方のまとめ
ここまでの内容を整理しますね。
健康診断の検便(便潜血検査)で採便棒に取る量の目安は、スティック先端の溝が埋まる程度の「米粒大」です。
多すぎても少なすぎても正確な結果が得られにくくなるため、適量を意識することが大切です。
採取の際に覚えておきたいポイントは以下の3つです。
- 便の表面をまんべんなく数か所こすって、溝を埋める程度の量を採取する
- 水や尿が混ざらないよう、トイレットペーパーや採便シートを活用する
- 採取後は冷暗所か冷蔵庫で保管し、なるべく早めに提出する
下痢や便秘など、便の状態にかかわらず採取は可能です。
困ったときは事前に検査を受ける医療機関に相談すると安心です。
検便は、大腸がんの早期発見につながる大切な検査です。
年に一度の機会を上手に活用していきましょう。
便潜血検査を毎年受け続けることで、大腸がんによる死亡率を大幅に下げられることがわかっています。
私の周囲でも、便潜血検査がきっかけでポリープが見つかり、早期に対処できた方がいました。
検便は誰にとっても少し気が進まないものですよね。
でも、正しい量と採り方さえ知っておけば、思っていたよりずっと簡単に終わります。
「米粒大でいいんだ」と思えば、気持ちもグッと楽になるはずです。
大切なご自身の体を守るために、今年の健康診断もぜひ前向きに受けてみてくださいね。
正直に言うと、私も最初は検便がとても苦手でした。
でも一度やってみたら「あれ、こんなに簡単だったんだ」と拍子抜けしたのを覚えています。
あのとき思い切ってやっておいてよかったと、今では心から思っています!
提出までの焦りや当日の不安をまとめて整理したページはこちらです。
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