
餌はモリモリ食べているのに、うちのリクガメ、なかなか大きくならない…って心配ですよね?
SNSで同じ月齢の子と比べてうちの子だけ小さく見えると、「飼い方が間違ってる?」「もしかして病気?」とモヤモヤしてしまうじゃないですか。
実はリクガメの成長は、温度や紫外線、餌、カルシウムなど複数の要素が絡んでいて、原因がひとつに絞れないことも多いんです。
この記事では「うちの場合はこれかも」と当てはめられるよう、大きくならない原因を6つに整理しました。
家で見直せば改善するケースと、病院に相談したほうがいい危険サインも切り分けて解説します。
読み終わるころには、何をチェックすればいいかが見えてくるはずですよ。
リクガメは本来ゆっくり育つ生き物だから焦らなくても大丈夫
まず最初にお伝えしたいのは、リクガメはもともと数年かけてゆっくり大きくなる生き物だということ。
犬や猫みたいに数か月でぐんぐん体が変わるわけではないので、「最近大きくなった気がしない…」と感じるのはごく自然なことなんです。
とはいえ、本当に成長が止まっているケースもあって、その多くは飼育環境のちょっとしたズレが原因。
温度、紫外線、餌、カルシウム、寄生虫、ストレス。
このあたりを順番にチェックしていけば、家でも改善できることがほとんどです。
逆に、家での見直しでも変化がなかったり、体重が減ってきたり、甲羅が柔らかい感じがする場合は、爬虫類を診られる動物病院に相談したほうが安心。
「とにかく病院」でも「とにかく餌を増やす」でもなく、原因の見当をつけてから動くのが、リクガメにもあなたにも一番やさしい選び方ですよ。
食べているのに育たない仕組みはここにある
「ちゃんと食べているのに大きくならないって、なんで?」って思いますよね。
実はここに、リクガメ飼育の少しややこしいポイントが隠れているんです。
そもそも成長スピードは種類ごとに違う
ヘルマンリクガメ、ギリシャリクガメ、ロシアリクガメといった人気の小型〜中型種は、もともとゆっくり成長するタイプ。
ヒガシヘルマンリクガメの場合、成体サイズである20cm前後になるまでに約4年かかると言われています。
幼体期にあたる0〜3歳ごろは比較的成長が早く、甲長5cm前後から12cmくらいまで伸びていく時期。
体重は数十gから300〜500g程度まで増えていくことが多いです。
ただし、これはあくまで目安。
同じ種類でも個体差があるので、隣の家の子より少し小さくても、すぐに「異常」と決めつけなくて大丈夫です。
食べていても栄養を吸収できていないことがある
ここがけっこう大事なポイントなんですけど、餌を食べていても、体が栄養をうまく取り込めていないと成長につながらないんです。
たとえば腸の中に寄生虫がいて栄養を横取りされていたり、温度が低くて消化機能が落ちていたり、紫外線が足りなくてカルシウムを吸収できなかったり。
「食べる量」と「育つ量」は必ずしもイコールではないんですよね。
原因が複数重なっていることも多い
ベテラン飼育者や爬虫類の専門家の間でも、「原因不明の成長不全はリクガメには割とある」と話題にされることがあります。
完璧な環境で育てているように見えても、なぜか伸び悩む子はいる、ということ。
なので原因を1つ突き止めればOK、というよりは、怪しいポイントを複数チェックして、ひとつずつ整えていくイメージで向き合うのが現実的です。
うちの子も最初の半年はほとんど変化がなくて、毎日体重を量っては「今日も同じ…」ってため息ついていました。
でも振り返ってみると、半年で20gは増えていたんですよね。
リクガメの「大きくなった」はこのくらいゆっくりなんだなと、後から実感しました」
リクガメが大きくならない原因6つと今日からの対処法
ここからが本題。
お家でチェックしてほしいポイントを6つに分けて紹介していきます。
全部いっぺんに見直そうとせず、気になるところから順にチェックしてみてくださいね。
原因①ケージ内の温度が低すぎる
リクガメは変温動物なので、自分で体温を作ることができません。
体温が下がると代謝が落ちて、食べたものを消化吸収する力も弱くなります。
これが続くと、食欲はあるのに育たない…という状態に。
種類によって差はありますが、ケージ全体は25〜30℃前後、バスキングスポット(日光浴をする一番暖かい場所)は30〜35℃を目安に保ちたいところ。
冬場や朝晩は特に温度が下がりやすいので、サーモスタットでしっかりキープしてあげると安心です。
温度計を2か所に置くのがおすすめ
ケージ内には温度の高い場所と低い場所、両方を作るのが基本。
温度計もバスキング側とクール側の2か所に置いて、一目で確認できるようにしておくと、温度トラブルに早く気づけます。
原因②紫外線(UVB)が足りていない
これも超重要ポイント。
リクガメはUVBという紫外線を浴びることで、皮膚の中でビタミンD3を作り、それがカルシウムの吸収を助けます。
UVBが足りないと、いくらカルシウムを餌から摂っても体に取り込めません。
ここで初心者さんがよく見落とすのが、ライトの「寿命」です。
- UVBライトは点灯していても、半年〜1年で紫外線量が落ちていく
- 「光ってるから大丈夫」ではなく、定期交換が必要
- ガラス越しの日光浴では、UVBはほとんど届かない
- ライトとリクガメの距離が遠すぎると効果が弱まる
ライトを買って満足、ではなく、半年〜1年を目安に交換するのを忘れずに。
原因③カルシウムが足りない・バランスが悪い
骨や甲羅を作るには、カルシウムが欠かせません。
リクガメに必要なカルシウムとリンの比率は、4:1〜6:1ともいわれていて、これは他の爬虫類より多めの基準です。
カルシウムは餌に振りかけて補うのが基本
野菜だけだとどうしてもカルシウムが不足しがちなので、カルシウムパウダーを餌に少量ふりかけて与えるのが定番。
ただしビタミンD3入りのものを毎食たっぷり、はNGです。
ビタミンD3を取りすぎると、逆に体に負担がかかることがあります。
人工フードはあらかじめカルシウムが添加されていることが多いので、毎回上から振りかける必要はありません。
ライトとサプリのバランスを見ながら使うのがコツです。
カルシウム吸収を邪魔する野菜に注意
ホウレン草やキャベツ、穀類、豆類は、シュウ酸やフィチン酸といった成分がカルシウムの吸収を妨げる場合があるとされています。
「健康そうだから」と毎日ホウレン草、というのは避けたほうが無難。
小松菜やチンゲン菜のほうがカルシウムが多めで、リクガメには合っていますよ。
原因④餌のメニューが偏っている
「人工フードだけ」「野菜だけ」、どちらかに寄りすぎていませんか?
- 人工フードだけだと、栄養は満たせても野菜を食べなくなることがある
- 野菜だけだと、栄養バランスが偏ってしまう
- レタス中心だと、水分ばかりで栄養がほとんど取れない
個体の食いつきや好みも見ながらの調整になりますが、野菜と人工フードをバランスよく組み合わせるのが基本路線です。
原因⑤腸の中に寄生虫がいる
これは見落とされがちなんですけど、けっこう大事。
リクガメは蟯虫(ぎょうちゅう)や回虫を持っていることがとても多いと動物病院の症例でも報告されています。
特にお迎えしたばかりのベビーや、海外から来たワイルド個体は感染率が高め。
糞の中に白くてウネウネした小さな虫を見つけたら、まず病院で糞便検査を受けるのがおすすめです。
少量の寄生虫なら様子見になることもありますが、数が多いと栄養を横取りされて成長が止まる原因に。
「食べているのに育たない」の影に、寄生虫が隠れているケースは意外と多いんです。
糞便検査は1回でわからないこともある
寄生虫の卵は、便の中に毎回出てくるわけではありません。
1回目の検査で何も出なかったからといって、絶対にいない、とは言い切れない部分もあります。
気になる症状が続くようなら、時期をあけて再検査することも検討してみてくださいね。
原因⑥ストレス・狭いケージ・運動不足
リクガメは見た目以上に環境変化に敏感です。
- お迎え直後で慣れていない
- 人通りの多い場所にケージがある
- ケージが狭くて動き回れない
- シェルター(隠れ家)がなくて落ち着けない
- 頻繁に持ち上げられたり覗き込まれたりしている
特にお迎えしたばかりの最初の1年は、必要以上に触らず、ケージの外に出さず、そっと観察してあげるくらいがちょうどいい距離感かもしれません。(早く仲良くなりたい気持ち、わかります…)
よかれと思ってやりがちなNG行動
最後に、頑張りすぎる飼い主さんがやってしまいがちな注意点もまとめておきますね。
いきなり餌を増やすのはNG
「大きくならないから、もっと食べさせよう!」は危険信号。
急激に成長させようとすると、甲羅がデコボコになるピラミッディングや、内臓に負担をかけるリスクがあります。
成長は急がせるものではなく、整えるものです。
ビタミンD3の過剰摂取に注意
ビタミンD3はカルシウムの吸収を助けてくれますが、取りすぎると体の各組織にカルシウムが沈着したり、腎臓に負担をかけたりすることが知られています。
サプリは必ず適量を守って与えましょう。
自己判断で人間用の薬やサプリを与えない
ネットでは「ヨーグルトを与える人もいる」「人間用のサプリでもいい」といった情報を見かけることもありますが、リクガメに人間の食品やサプリを安易に与えるのはおすすめできません。
専門家の中でも意見が分かれる部分なので、不安なら必ず爬虫類を診られる動物病院に相談してくださいね。
私も飼い始めて半年くらいの頃、「成長してほしい」一心で人工フードを多めにあげていたんです。
そうしたら甲羅の縁が少しデコボコしてきて…慌てて野菜の割合を増やして調整しました。
あのとき気づけて本当によかったです。
家で確認するチェックリストと病院に行く目安
ここまで読んで「で、まず何からチェックすればいいの?」となった方のために、家でできるチェックポイントと、病院に行ったほうがいい危険サインをまとめておきます。
家で今日から確認できるポイント
- ケージ全体の温度・バスキングスポットの温度を温度計で確認
- UVBライトを最後に交換したのはいつか思い出す(半年以上前なら要交換)
- ライトとリクガメの距離が遠すぎないか確認
- カルシウムサプリを使っているか・量は適切か見直す
- 餌のメニューが偏っていないかチェック
- 月に1回は体重と甲長を測って記録する
デジタルスケールで0.5g単位まで量れるものを使えば、毎日の小さな変化までわかります。
「全然大きくなってない」と思っていても、半年単位で見ると意外と増えていることも多いんですよ。
こんなサインが出たら動物病院へ
家での見直しで改善しないときや、次のような症状が出ているときは、早めに爬虫類を診られる動物病院に相談したほうが安心です。
- 体重が減ってきている
- 1週間以上ほとんど餌を食べない
- 甲羅が柔らかい・押すと凹む感じがする
- 四肢の動きが弱い・歩き方がおかしい
- 目が開かない、目やにが出ている
- 口を開けてゼーゼー呼吸している
- 糞に白い虫やゼリー状のものが混じる
リクガメは体調の変化を表に出しにくい生き物なので、「気になる」と思ったタイミングが受診のタイミングですよ。
うちは年に1回、爬虫類を診てくれる病院で糞便検査をしています。
最初に行ったときは「甲羅の状態も体重も問題ないですよ」と言ってもらえて、それだけでもすごく安心できました。
健康なときに一度行っておくと、いざというときも相談しやすくなりますよ」
リクガメと長く穏やかに暮らすためにできること
リクガメが大きくならないと不安になる気持ち、すごくよくわかります。
でも振り返ってみると、原因のほとんどは家でチェックできる範囲のことだったりするんです。
- 温度
- 紫外線
- カルシウム
- 餌のバランス
- 寄生虫
- ストレス
この6つを順番に見直して、それでも改善が見られなかったり、危険なサインが出ていたら、爬虫類を診られる動物病院へ。
これが基本の流れです。
そして何より大切なのは、リクガメは数年単位でゆっくり育つ生き物だということ。
同じ月齢の子と比べて焦るより、月に1度のペースでわが子の体重を量って、その子だけの成長の記録をつけていくのがおすすめです。
毎月ほんの数gずつでも、半年後、1年後に見返したときに「こんなに大きくなったんだ」と気づける日が必ずきます。
今は不安かもしれないけれど、できることから少しずつ整えていけば大丈夫。
あなたとリクガメのペースで、長く穏やかに暮らしていけたらいいですよね。
