印鑑は、いろいろな手続きをするときに必要なのかな、と思われがちなものですよね。
私は元銀行員なのですが、銀行の手続きをするのにはたいてい印鑑が必要です。
そのため、元銀行員の感覚からすると、パスポート申請にも印鑑は必要なのかなと思ってしまいます。
ですが、実は、パスポート申請や受取には印鑑は必ずしも必要ではないのです。
…というか、たいがいの人は不要です。
パスポート申請に必要な本人確認書類は、
「運転免許証」
「船員手帳」
「写真付き住基カード」
などのいずれかがあればOKです。
しかし、上記の証明書が一つもない場合は、下記の「AとBの各1点」または「Aから2点」の提出が必要になります。
- 健康保険証
- 国民健康保険証
- 共済組合員証
- 船員保険証
- 後期高齢者医療被保険者証
- 国民年金証書(手帳)
- 厚生年金証書
- 船員保険年金証書
- 恩給証書
- 共済年金証書
- 印鑑登録証明書(登録した印鑑も必要)
- 学生証
- 会社の身分証明書
- 公の機関発行の資格証明書
上記でAの書類として「印鑑登録証明書」を選んだ人のみ、「印鑑登録証明書と実印」が必要になります。
ちなみに、「本人確認書類」以外に必要なものは、
- 一般旅券発給申請書(インターネットでも申請書類を作ることができます)
- 戸籍謄本または抄本
- 住民票の写し(住民登録していない都道府県で申請する等のときのみに必要)
- 写真(縦45mm×横35mm)
- 申請にかかる費用
前述したように、パスポート申請や受取に印鑑は不要です。
シャチハタの印鑑ですら不要です。
実印もいりません。
ただ、自治体によっては、書類に不備があって訂正する場合に「シャチハタ以外の認印」が必要な場合があるようです。
間違えて書かなければ不要ですし、万が一間違っていてもその場でもう一度書き直せます。
代理方に行ってもらうときだけ、書類に不備がないかどうかを念入りにチェックしましょう。
パスポート申請のとき印鑑証明は必要?ないとき代わりで使える書類はないの?
こちらも、前述したように、印鑑証明書は必ずしも必要ではありません。
印鑑証明書がない場合も、他の書類(AとBの各1点、またはAを2点)を提出すれば事足ります。
ちなみに、小さな子供の場合だと、
- 保険証
- 乳幼児・こども医療受給者証
「子どもの実印がない!」と焦る必要はありませんので、安心してくださいね。
若い方の場合、実印を作って印鑑登録されている人は少ないかもしれません。
実印が必要になるタイミングは、家などの高額なものを契約したりローンを組むときや、相続手続きをするときぐらいですからね。
なので、それ以外の書類で準備するか、「良い機会だから}と実印を準備するのもアリだと思いますよ。
実印に登録できる印鑑について(参考)
少し話がそれますが、元銀行員の印鑑の話を一つさせていただきます。
- 100均の印鑑
- シャチハタ
…答えは、否です。
実印は、さきほどお話したように、重要な契約や取引をするときや、本人確認書類として使う極めて重要なものです。
人によっては、貸金庫などに厳重に保管されるものなんですね。
100均の印鑑は、三文判とも呼ばれ、とても簡単に複製できてしまいます。
100均で売られている印鑑を見比べてみても違いはわかりません。
なので100均の印鑑は、銀行印として届けるのも避けた方が良いです。
不鮮明であれば、目視でも、機械の照合でもわからないことがあるからです。
シャチハタの印鑑も、実印には登録できません。
なぜなら、シャチハタはゴムでできているので、形が変形してしまいやすいからです。
少しでも形が変わってしまうと、同じ印鑑として照合できません。
そのため、実印を登録する場合は、はんこ屋さんできちんと彫って作ってもらうべきですね。
パスポート申請で100均の印鑑はダメなの?のまとめ
パスポート申請で100均の印鑑はダメなのか?ということについて見てきました。
ポイントを簡単にまとめておきますね。
- パスポート申請(受取も含む)に印鑑は基本的に不要です。
- 免許証、住基カードなどの証明書がない場合の本人確認書類の一つに「印鑑証明書」がありますが、それ以外の場合は印鑑はいりません。
- 「印鑑証明書」を本人確認書類とする場合は、必ず登録されている印鑑が必要です。
- 書類に不備があって訂正するときのみ、シャチハタ以外の認印が必要になる場合があります。
元銀行員としては、「印鑑なくてほんとにいいの?!」という謎の疑問がうずまいてしまいますが、印鑑を押したところで照合するものは何もないので、いらなくて当然ですね。
今は新型コロナ感染拡大予防のために海外への渡航はなかなか厳しいですが、早く終息して、楽しく海外旅行に行けるようになればいいですね。