お正月遊びの定番「いろはかるた」、そして学校のかるた部や競技かるたとして使われる「百人一首」。
一体どこが違うのか?「詳しくは知らない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「いろはかるた」と「百人一首」の違い、そして地方によって異なる「いろはかるた」についてご紹介していきたいと思います。
ぜひ、日本文化を深く知るきっかけにしてみてくださいね。
いろはかるたのことわざは地方によって違う?一覧で比較!
まずは、お正月遊びの定番「いるはかるた」から。
と言っても、今の時代、お正月に「いろはかるた」をする家庭は減ってきているのではないでしょうか。
私もコロナ禍で実家に帰省できなかった2年前、久しぶりに自宅で家族とかるた遊びをしました。
かるたも「いろはかるた」ではなく、3歳の子でも楽しめるキャラクターのかるたを使いました。
久しぶりのかるたは、なかなか白熱した戦いで盛り上がりましたよ。
さて、「いろはかるた」に話を戻して、実は「いろはかるた」は、
- 江戸(東京)
- 大阪/尾張(愛知県の西部)
- 上方(京都周辺)
さっそく、一覧で比較していきますね。
地方によって、かるたの内容が大きく違うことが分かりますね。
ちなみに私は大阪出身ですが、子どもの頃遊んでいた「いろはかるた」は、「江戸」であることが分かりました。
では、次に「いろはかるた」と「百人一首」の違いについて詳しく見ていきましょう。
競技かるたはどんなかるたを使うの?ルールはいろはかるたと違う?
まずは、「いろはかるた」について見ていきましょう。
「いろはかるた」の特徴とルール
「いろはかるた」は、
- 読み手が読む文字だけで書かれた「読み札」「字札」
- 読み札に合った絵柄が描かれた「取り札」「絵札」
他にも
- 「いろはにほへとちりぬるを…」の47文字のカード
- もしくは47文字に「京」が加わった48文字のカード
- 複数人で遊べる
- たくさんの「取り札」「絵札」を取った人の勝ち
「百人一首」の特徴とルール
一方、学校のかるた部や競技かるたで使われる「百人一首」は、
- 読み手が百人一首の「上の句」「読み札」を読む
- 競技者は「下の句」「取り札」を探して取り合う
- 100枚のうち50枚を使う
- 1対1で行う競技の一つ
- 自分の陣地「自陣」の札が早くなくなった方の勝ち
百人一首は、「全日本かるた協会」という協会があって、スポーツ競技としてしっかりと成り立っているのが大きな特徴です。
映画「ちはやふる」で、知っているという方も多いのではないでしょうか。
では、スポーツ競技である百人一首を使った「競技かるた」について詳しく見ていきましょう。
「競技かるた」の基本的なルールやマナー
「競技かるた」の基本的なルールやマナーを見ていきましょう。
「競技かるた」のルールとマナー①男女の区別が無いスポーツ
スポーツによっては、男女に分かれているスポーツが多いですが、「競技かるた」は男女の区別がないスポーツです。
自分が対戦する相手が異性である可能性もあるというわけです。
つまり、「競技かるた」は、老若男女関係なく楽しめるスポーツなんです。
お正月に親戚みんなでトーナメント戦なんてするのも盛り上がりそうですね。
「競技かるた」のルールとマナー②1対1で競う
複数人で楽しめる「いろはかるた」とは違って、1対1で競うのが「競技かるた」です。
「競技かるた」のルールとマナー③私語厳禁
「競技かるた」の会場内は、私語厳禁です。
競技者だけでなく、会場内にいる人全員が静かにしておく必要があります。
特に「下の句」から「上の句」にかけての3秒の余韻の時間は、一切の音を立ててはいけないとされています。
もちろん、スマホや携帯の着信音や通知音・バイブレーション機能もオフにしておく必要があります。
「競技かるた」のルールとマナー④素振りの練習は試合開始前の13分~15分の間のみ
「競技かるた」では、試合開始前に15分の札の暗記時間が設けられます。
そのうちのラスト2分間、つまり13分~15分の間は素振りの練習が許可されるルールとなっています。
それまでは、「素振り」も「手を振ること」も「畳を叩くこと」も許されていません。
試合中も大きな音を立てない素振りを心掛けるのがマナーです。
「競技かるた」のルールとマナー⑤正装は和装で袴(はかま)を着る
「競技かるた」の大会によっては、正装が義務づけられている大会もあります。
「競技かるた」の正装は、和装の「袴(はかま)」です。
正装が義務づけられていない大会や練習は、ジャージにTシャツなど、動きやすい服装で行います。
また、静かに挑むルールがある「競技かるた」では、動くと音が鳴る服装やアクセサリーは着用禁止です。
「競技かるた」の試合の進め方
次に「競技かるた」の試合の進め方を見ていきましょう。
「競技かるた」の試合の進め方①挨拶をしっかり行う
「競技かるた」では、挨拶が基本とされています。
- 会場に入った際
- 試合開始時
- 終了時
「競技かるた」の試合の進め方②1人25枚の取り札を選ぶ
百人一首は、その名の通り100枚札が存在しています。
でも、「競技かるた」で使用する「取り札」は、裏向けにした100枚の札の中から競技者1人あたり25枚を無作為に選びます。
その、自分が選んだ25枚の取り札を「持ち札」を呼びます。
25枚の持ち札×2人の合計50枚の「取り札」で競うというわけです。
「競技かるた」の試合の進め方③持ち札を並べる
1人25枚の持ち札が決まったら札を表にします。
そして、幅87cmの自分の陣地「自陳」の上・中・下段に持ち札を表向きに並べていきます。
「競技かるた」の試合の進め方④試合開始前15分で取り札を暗記していく
取り札を並べた後、試合開始前に15分間の暗記時間が設けられます。
「競技かるた」の試合の進め方⑤読み手が序歌を詠む
「競技かるた」の試合開始直前には、読み手が「序歌」で百人一首にない句の王仁(わに)の「なにはづの歌」を詠みます。
下の句が2回詠まれ、読み終わったらいよいよ試合が始まります。
「競技かるた」の試合の進め方⑥「上の句」に合った「下の句」を取っていく
「競技かるた」では、読み手が「上の句」を読み、競技者は「下の句」を探して取るスポーツ競技です。
取り札は、競技線の外に出すことで、自分の取り分と認められます。
だから、勢いよく取り札を取るための素振りをする練習が重要になるんですね。
さらに、相手陣の取り札を取った時は、自陣の持ち札を相手に送ることができます。
そうして、自陣の札が全て先になくなった方が「勝ち」となるのが「競技かるた」です。
「競技かるた」の試合の進め方⑦お互いの陣地の境目にある競技線から頭を出してはいけない
お伝えしているように「競技かるた」には、自分の陣地である「自陣」と相手の陣地である「相手陣」があります。
陣の境目にある「競技線」を超えて、相手の陣地に頭を出してはいけません。
「競技かるた」の試合の進め方⑧お手つきをしたら札を1枚もらう必要がある
「競技かるた」には3種類のお手つきがあります。
①競技者が選んだ50枚以外の百人一首である「空札」が詠まれた時に取り札に触れるお手つき
②詠まれた札が自陳にあるにも関わらず、相手陣の取り札に触れてしまうお手つき
③詠まれた札が相手陣にあるにも関わらず、自陳の取り札に触れてしまうお手つき
です。
つまり、「競技かるた」では、「自陣にある札が詠まれて、違う自陣の札を触れてもお手つきにはならない」という特徴があるのです。
「競技かるた」の試合の進め方⑨最後も挨拶を終える
「競技かるた」では、試合が終わった時も「ありがとうございました」としっかり挨拶をします。
かるたと百人一首の違いは?のまとめ
「いろはかるた」と「百人一首」の違いについて解説してきました。
一言に「かるた」と言っても、全然ルールや遊び方が違うことが分かりましたね。
最近では、かるたをする習慣も薄れてきてはいますが、ぜひ地方性を知ったり、記憶力の向上や家族の団らんにかるたをやってみてはいかがでしょうか。
百円均一やスマホアプリで手軽にはじめられますよ。