健康診断の検便、タイミングよく便が出てくれなくて困ったことはありませんか。
提出日が明日に迫っているのに、今日一度も出ていない。
「下剤を飲んで出してもいいのかな」
「浣腸を使ったら検査の結果がおかしくなる?」
そんな風に不安になって、ネットで調べ始めた方もきっと多いと思います。
結論からいうと、下剤や浣腸の使い方さえ間違えなければ、検便への影響は最小限に抑えられます。
この記事では、どの下剤なら使っていいのか、浣腸を使うときに気をつけるべき点は何か、実際の場面別の対処法とあわせてわかりやすくお伝えします。
基本的には使っても問題ない、ただし「種類」と「状態の確認」が重要
健康診断などで行われる便潜血検査(免疫法)では、下剤を使って採便しても基本的には検査に問題ないとされています。
浣腸についても、採取した便の状態に問題がなければ使用後の採便が可能です。
ただし、使う下剤の種類や浣腸の使い方によっては検査結果に影響が出てしまうことがあります。
「とにかく便を出せれば何でもOK」というわけではないため、以下のポイントをしっかり確認しておくことが大切です。
なお、飲食業や給食に関わる仕事をしている方が受ける検便は、食中毒を引き起こす細菌を調べるものであり、便潜血検査とは目的が異なります。
いずれも下剤・浣腸の扱い方については、不安があれば提出先の医療機関や健診センターに確認しておくと安心です。
なぜ下剤・浣腸の使い方が検査結果に関係するのか
そもそも便潜血検査とは、便の中に目に見えないほど微量の血液が混じっていないかを調べる検査です。
大腸がんやポリープなどがあると、便が腸の中を通る際に腸壁をこすって少量の出血が起きることがあり、その血液を検出することで病気の早期発見につなげています。
つまりこの検査は、「腸の内側で出血が起きているかどうか」を見るものです。
そのため、下剤や浣腸によって腸や肛門が傷ついて出血した場合、その血液が便に混ざると「腸の病気による出血」なのか「薬によって起きた出血」なのかの区別がつかなくなってしまいます。
これが、下剤・浣腸の使い方が検査に影響するといわれる理由です。
下剤の種類によって影響の大きさが変わる
下剤には大きく分けて「便を柔らかくして出やすくするタイプ」と「腸を刺激して動かすタイプ」の2種類があります。
検便での使いやすさは、この種類によってかなり異なります。
酸化マグネシウムのような、腸への刺激が穏やかな下剤は、検便前でも比較的使いやすいとされています。
一方、センナや大黄などの成分を含む刺激性の下剤は、腸の粘膜に強い刺激を与えて出血を引き起こす可能性があるとされており、検便での使用は避けた方が無難です。
市販の便秘薬の中にもセンナ系の成分が含まれているものがあるため、購入時は成分表示を確認することをおすすめします。
浣腸は「肛門への影響」を必ずチェックする
浣腸(グリセリン浣腸)は、肛門から薬液を注入して直腸を刺激し、排便を促すものです。
市販品では「イチジク浣腸」が有名で、10分以内に効果が出るほど即効性が高いのが特徴です。
検便での使用で気をつけたいのは、浣腸のノズルや刺激によって肛門が傷ついて出血した場合、その血液が便に混じって陽性反応が出やすくなる可能性があることです。
使用後に肛門に痛みを感じたり、血が混じっているように見える場合は、その便を検便に使うことは控えましょう。
痛みや出血がなく、便がある程度の形で出た場合は採便が可能です。
また、浣腸後の便が水様に近い状態になっても、採便スティックでかき混ぜるように採取すれば対応できるとされています。
実際の場面別・下剤・浣腸を使った採便の対処法
「それでも実際にはどうすればいいの?」という疑問に答えるために、よくある3つの場面をもとに具体的な対処法を紹介します。
どれも実際に「困った」と感じやすいシチュエーションです。
①便が固くてスティックにつかない場合
便が固くてなかなか採便スティックの溝につかないケースはよくあります。
無理にスティックを押し込もうとすると、便が飛び散ったりうまく採れなかったりして焦ることも。
こういう場合は、採便スティックの先端に少量の水をつけてから、便の表面を引っかくように採取する方法が有効です。
それでも採れにくい場合は、酸化マグネシウムなどの穏やかな下剤を使って翌日の便を柔らかくして採る方が、結果的にスムーズに採取できることが多いです。
私も以前、提出前日に固くてスティックがうまくつかなかったとき、コップ1杯の水を多めに飲んで翌朝に備えたことがありました。
②どうしても出ないので浣腸を使いたい場合
2日分の採便が必要なのに、どうしても便が出ない日が続くとかなり焦りますよね。
浣腸を使う場合は、使用後に以下の2点を確認してから採便するかどうかを判断してください。
- 肛門に痛みや出血がないこと
- 排出された便に血が混じっていないこと
この2点に問題がなければ、浣腸後の便でも採取して提出できる場合があります。
水様便になった場合は採便スティックでかき混ぜるように採取し、採取後はすぐに冷蔵保存して早めに提出することが大切です。
迷った場合は提出先に事前に電話で相談するのが一番確実です。
③センナ系の刺激性下剤を普段から服用している場合
便秘の治療でセンナや刺激性の下剤を処方・使用している場合、いきなりやめることも体への負担になりかねません。
できれば検便の採取日前後だけでも酸化マグネシウムなど穏やかなタイプに相談の上で切り替えるか、採取日を調整することを主治医や薬剤師に相談してみてください。
なお、刺激性の下剤を週2回以上常用することは腸内環境や腸の動きに影響を与える可能性が指摘されています。
便秘が長く続いている場合は、自己判断で薬を増やすのではなく、一度医療機関に相談してみることをおすすめします。
やってはいけない3つのこと
下剤・浣腸と検便に関して、特に気をつけてほしいことがあります。
採便後に長時間室温で放置することは避けてください。
時間が経つほど便中の血液成分が変化し、正確な結果が出にくくなると言われています。
採取後は冷蔵保存が基本で、4日以上経過した便は信頼性が低下するとされています。
また、浣腸を立ったままの姿勢で行うことは非常に危険です。
立位では腹部に余計な圧力がかかったり、肛門の筋肉が緊張したりするため、ノズルが刺さりにくくなり、無理に挿入しようとすると腸壁を傷つけるリスクがあります。
必ず横向きに寝た状態か、前かがみの姿勢で行いましょう。
さらに、採便できなかったときに「空の容器をそのまま提出する」のは絶対にNGです。
採便できなかった場合は必ず提出先の医療施設に申告してください。
まとめ:正しく使えば、検便に下剤・浣腸は頼っていい
検便のタイミングに便が出ないのは、決して珍しいことではありません。
この記事のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 便潜血検査(免疫法)では、下剤を使って採便しても基本的には問題ない
- 使うなら酸化マグネシウムなど腸への刺激が少ないタイプが向いている
- センナ・大黄などの刺激性下剤は腸への出血リスクがあるため避けるのが無難
- 浣腸後は肛門の痛み・出血がないことを確認してから採便する
- 採便後は冷蔵保存し、できるだけ早く提出する
不安が残るときは、提出先の医療機関や健診センターに事前に確認するのが一番確実です。
「こんなこと聞いていいのかな」と遠慮する必要はまったくありません。
検便はそれだけ大切な検査ですから、担当者もきちんと答えてくれます。
検便は、大腸がんをはじめとする大腸の病気を早期に発見するための大切なチェックです。
毎年欠かさず受けることで、症状が出る前に気づけるチャンスが生まれます。
「今年は便が出なくてパスしてしまおうかな」と思ったとき、この記事のことを少しでも思い出してもらえたら嬉しいです。
正しい知識を持って、ぜひ今年も検便を提出してみてください。
あなたの体を守ることに、きっとつながりますよ。
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