有休消化義務という言葉があります。
これは有給を使わなくてはいけないということで、積極的に会社が有給を取りなさいと言ってくれるわけです。
有給消化義務というのは、「有給を取らせないと会社に罰則があるので、取れば~?」みたいな感じじゃなくて、「絶対有給取りなさいよ!」というレベルになります。
昔は、有給なんかあったって使わせてもらえないなんていう会社多かったですよね。
有給を買い取ってくれるならいいですが、使わないで消えちゃうのだから悲しい話です。
人数ぎりぎりで回しているような会社でも、休みたいと言いにくい雰囲気もあります。
冠婚葬祭以外の休暇は認めないとか、完全にブラックです。
時代はだいぶ変わりました。
ただ、有給消化義務というのは、有給を10日以上もっている人は最低5日は消化しなくてはいけないというものです。
なので、勤務日数の少ないパートにはあまり適用しませんね。
パートでも有給を使えるの?
パートが多くいる職場というのは。
だいたい誰かしら子供が熱だしたとか子供の授業参観だ、運動会だ卒業式だと平日に休むイベントが盛りだくさんです。
こういう職場はパートさんは休むものという認識ですので、堂々と有給を使って休めます。
義務化されなくてもいやでも使ってしまうわけですが、いいことです。
パートでも勤務年数が長くなると、もらえる有給も日数が増えます。
6年半以上で週4日働いている人は年間15日有給をもらうことができます。
すでに子供が大きくなって強制的に有給を使わなくてはいけない状況から離れてしまうと、あまり休まない人も出てきますよね。
ですが、10日以上持っているので有給を使わなくてはいけません。
せっかくの権利ですから、お友達と旅行に行くなどに利用してみてはいかがでしょうか。
パートの有給休暇は週20時間以上の出勤で取得できるの?
パートの有給休暇は何日で取得できるかですが、基本的には週1の勤務でももらうことはできます。
ただし半年間の労働日数が8割超えていることが条件です。
ただし、半年勤めて年間1日です。
少ないですが、働いてないので仕方ないですね・・・
週2勤務なら3日、週3勤務なら5日、週4勤務なら7日、勤め始めて半年たてばみんながもらえます。
週5勤務で週30時間以上勤務していれば、正社員と同等の有給休暇をもらうことができます。
正社員は半年務めると10日の有給がもらえます。
有給休暇の有効期限は?
ちなみに有給休暇の有効期限は2年間なので、使わないでいると自動的に消滅します。
半年ごとに10日もらえるという意味ではなく、次にもらえるのは1年後になりますよ。
そして勤務年数が上がるごとに有給日数も増えていくので、1年後には11日の有給休暇がもらえます。
まったく使わないでいると、1年半後には21日の有給をもっていることになります。
消えてしまうのはもったいないので、月1くらいでコンスタントに有給休暇を入れるといいかもです。
なかなか連休を取るというのは厳しいでしょうから・・・
パートの有給の賃金は6割?平均賃金の計算の仕方を解説
パートの有給の賃金が6割しかもらえないという話がありますが、本当でしょうか?
正社員の人は10割もらえているのに、パートやアルバイトは6割というのは納得できない部分がありますね。
なぜ6割なのか、調査してみました。
そもそも、パートの有給賃金の計算ですが、2つの計算方法があります。
パートの有給賃金の計算方法①
1つ目は、1番最近の3か月間の総賃金÷総暦日数で割った金額です。
例えば毎月10万円をもらっているパートがいるとします。
3カ月分ですから10万円×3カ月で30万円になります。
総暦日数とは、カレンダーの日数をそのまま足します。
30日と31日の日がありますが、ここでは1カ月30日としましょう。
「30万円÷90日(30日×3カ月)=3333円」
となります。
パートの有給賃金の計算方法②
2つ目の計算は、総賃金÷勤務日数×60%の金額です。
このパートが週4勤務だとして、1カ月に16日勤務しているとすると、3カ月で48日働いたことになります。
「30万円÷48日×60%=3750円」
ですね。
パートと正社員の有給金額が違う理由は?
この2つの計算で、金額の高いほうを給料として支払うという決まりがあります。
というわけで、2つ目の計算の方が高いので、このパートの有給は3750円になります。
大半のパートは60%をかける方の計算の方が高くなるため、パートは6割という話になっているのだと思います。
なぜパートはこのような計算なのかといえば、パートというのは時給制ですから、毎月の給料が一定ではありません。
10万の月もあれば5万の月もあるので、その直近3か月分の平均賃金として計算して有給の金額にしましょうとなりました。
だけど、最近のパートは正社員と同等の勤務日数で働いている人も多いのに、有給だけ6割というのは頭にきますよね。
時給900円だとして、1日8時間の月20勤務したとしても、パートの有給は4000円台のままです。
なんだか安く使われている気分で悲しくなりますね。
パートに有給を取らせない?会社側が罰則対象になるケースも!
パートに有給をとらせないと、会社側が処罰対象となるケースもあるのでしょうか?
結論からお伝えをすると、パートでも対象者がいる場合もあります。
対象者がいるのに有給休暇を取得させないと、処罰対象になりますよ。
パートと言っても、立派な従業員ですよね。
有給消化義務の対象になるパートの条件とは?
雇用形態が正社員でなくても、一定の要件をクリアしていれば、有給消化義務の対象になりますよ。
パートの方も全員対象になるわけではありませんが、勤続年数が長くなると対象になる可能性は増えます!
例えば、週4日勤務で3年6ヶ月以上経つと、年に10日の有給休暇が取得できますよ。
もし週に3日勤務であれば、5年6ヶ月以上経つと対象になります。
直近の1年間の出勤が80%以上…というのも条件ですね。
ちなみに週2日勤務は7日間の有給休暇がもらえます!
7日だと、有給消化義務の対象にはなりませんので、覚えておきたいところですね。
経営者は、パートだから対象にならない…と思っていると危険です。
上記の条件がクリアできると、パートでも有給消化義務の対象になるわけです!
もし有給を取らせなかったらどんな罰が課せられる?
もし有給をとれるような環境がつくれないと、罰則が課せられます。
パートでも対象者に5日間の有給休暇を取得させなかったとします。
そうなると、労働基準法違反として、経営者は罰金となります!
金額としても30万円以下の罰金となるので、とても痛手ですよね。
労働基準監督課から指導があり、その後の改善がみられなければ、更に罰則があるようです。
会社任せにせず自分でチェックをしよう
これは、会社側だけに任せておいてはいけないことですよね。
義務として有給が取得できるなら、家族のためにも取得するべきです!
自分がどのように働いていて勤続何年目なのか。
そしてどのぐらい有給がもらえて有給消化義務の対象になっているのか、チェックしておきましょう!
長年同じ場所に勤めているパートの方は、対象になるケースが増えます。
義務なのに有給が取得できない…とならないためにも、自分でしっかり把握しておきたいですね。
有給消化義務はパートでも適用される?のまとめ
今では当たり前にパートも有給がもらえるし使える時代になりました。
しかし、有給消化義務というのは10日以上の有給を所有している人に当てはまる義務です。
といっても有給は誰もが自由に使っていい権利なのですが、職場の雰囲気や人数の関係で取りにくい環境の場合もありますね。
そんな中での有給消化義務というのも、中小企業泣かせの規則ではありますよね。