
検便の提出日が迫っているのに、便がぜんぜん出ない。
そんな経験、ありませんか?
「もう時間がない。家族や同居人の便を借りたらバレないかな…」なんてことが、ちらっと頭をよぎってしまう気持ち、正直わかります。(焦っている時ほど、つい非常手段を考えてしまいますよね。)
でも、他人の便を使うことには「バレるかどうか」以上に深刻な問題が隠れています。
この記事では、他人の便を使ってはいけない本当の理由と、便が出ない時に実際に役立つ対処法を5つご紹介します。
提出期限が迫っていても、ちゃんと方法はありますよ。
他人の便は絶対にNG!理由は「バレる」より深刻です
先にはっきりお伝えします。
検便に他人の便を使うのは絶対にやめてください。
理由は「バレるから」ではありません。
自分自身の健康リスクを見逃すことになるから、これが本質的な問題です。
検便はあなたの腸の状態を調べるための検査なので、他人の便では意味をなしません。
焦る気持ちはよくわかります。
でも正しい方法で対処できるので、一緒に確認していきましょう。
他人の便を使ってはいけない3つの理由
「バレなければいいんじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。
でも問題はそこではないんです。
実際に何が起こりうるか、一つひとつ見ていきましょう。
理由①自分の健康状態がまったく把握できなくなる
職場の検便(腸内細菌検査)で調べているのは、サルモネラ菌・O157・赤痢菌・腸チフス菌などの感染の有無です。
これらに感染していても自覚症状がなく、気づかないまま保菌者として働き続けてしまうことがあります。
他人の便を提出してしまうと、もし自分が何らかの菌に感染していても検査で見つかりません。
最終的に感染を広げてしまうリスクは自分だけでなく、同僚やお客さんにも及ぶ可能性があります。
「自分は元気だから問題ない」は通用しないのが感染症の怖いところです。
無症状でも菌を持っているケースは実際にあります。
理由②借りた相手の菌が自分の結果として出てしまうことがある
もう一つ見落とされがちなリスクがあります。
便を貸してくれた人が何らかの菌を持っていた場合、あなたの名前で「陽性」判定が出てしまうことです。
何もしていないのに再検査になる、最悪の場合は仕事を一時的に休むよう求められることも。
借りた側も貸した側も、どちらにとってもプラスになることは一つもありません。
理由③検便そのものの意味がなくなってしまう
検便は保健所の指導のもと、飲食店や学校などの公衆衛生を守るために行われている取り組みです。
一つひとつの検査が積み重なって、感染症から多くの人を守る仕組みになっています。
その仕組みに穴を開けてしまうことは、自分と周囲の人への責任を果たせないことにもつながります。
以前勤めていた飲食店でも、まったく自覚症状がないスタッフが検便で陽性となり、一時的に出勤停止になったことがありました。
本人は驚いていましたが、早期に発見できたことで周囲への感染を防げたと、後から店長が話していたのを覚えています。
「バレるかどうか」について正直にお伝えすると
これも気になる方が多い部分なので、事実をお伝えします。
一般的な腸内細菌検査や便潜血検査では、提出された便が「誰の便か」を特定するようなDNA鑑定などは行われません。
同年代の健康な人の便であれば、通常の検査範囲では識別されないとされています。
ただし、以下のケースでは問題が発生します。
- 便を提供した人が何らかの菌を持っていて陽性判定が出る
- 乳幼児・高齢者など年齢層がかけ離れている場合
- 動物の便を使ってしまった場合(人間には存在しない菌が検出される)
昔から「犬の便を提出した子どもが大騒ぎになった」という話が語り継がれているほどです。
いずれにせよ、「バレないからOK」ではなく「自分の健康を確認できなくなること」が本当の問題だということを忘れないでください。
便が出ない時に試してほしい!正しい対処法5つ
他人の便はNG。
ではどうすればいいのか。
便が出ない時に実際に役立つ方法を5つご紹介します。
対処法①採取できた便を数日間保存しておく
実は、検便の便は提出当日に採取したものでなくても大丈夫な場合がほとんどです。
一般的に提出日の4〜5日前に採取した便でも使用できるとされています(キットによって異なるので必ず説明書を確認してください)。
便秘気味の人は早め早めに採取しておくのが、一番確実な方法です。
採取後は直射日光を避けた涼しい場所(冷蔵庫が理想的)で保管しましょう。
食品と一緒に保管することへの抵抗がある場合は、保冷ボックスに保冷剤を入れて保管するのも一つの方法です。
対処法②水分と食物繊維をこまめにとる
便が出にくい原因で多いのが、水分不足と食物繊維不足です。
- 1日2リットルを目安に水をこまめに飲む
- 野菜・果物・海藻・きのこ類など食物繊維の多い食材を意識する
- 朝に白湯や温かいコーヒーで腸を目覚めさせる
朝食後は腸が活発に動きやすい時間帯です。
「起きたらまずコップ一杯の水を飲む」を習慣にするだけでも、排便のリズムが整いやすくなります。
私は朝にホットコーヒーを飲む習慣をつけてから、排便のタイミングがかなり安定してきました。
体質にもよりますが、試してみる価値はありますよ。
対処法③お腹の「の」の字マッサージで腸を刺激する
外から腸の動きを助けてあげる方法として、腹部マッサージがあります。
おへそを中心に、時計回りで「の」の字を描くようにやさしく手のひらでマッサージします。
力を入れすぎず、気持ちいい程度でOK。
朝、ベッドで目覚めた直後にごろごろしながら行うだけでも、便意が来やすくなります。
対処法④市販の便秘薬(浸透圧性タイプ)を活用する
どうしても便が出ない時は、市販の便秘薬の力を借りる方法もあります。
ただし、ここに大事な注意点があります。
便潜血検査(大腸がん検診)の前には刺激性下剤は絶対に避けること!
センナ・プルゼニド・ラキソベロンなどの刺激性下剤は腸を強く刺激するため、出血を誘発して検査結果が正確に出なくなる可能性があります。
選ぶなら、便をやわらかくするタイプ(酸化マグネシウムなど)が安心です。
使用前には薬剤師さんに相談してみましょう。
職場の腸内細菌検査の場合は便秘薬の影響が少ないとされていますが、心配な場合はこちらも薬剤師さんへ確認を。
対処法⑤職場や学校に正直に相談して期限を延ばしてもらう
「便が出なくて困っている」という状況は、誰にでも起こりうることです。
慌てて他人の便を使うよりも、担当者に正直に相談するほうがずっとスマートな解決策です。
「便秘で採取が難しい状況で…」と伝えれば、提出期限の延長や再提出の機会をもらえることがほとんどです。(「便秘で」と伝えるのは少し恥ずかしいですが、担当者から見れば「よくある話」ですから。)
絶対にやってはいけないNG行動もチェックを
便が出ない時に焦ってやりがちな、絶対にNGな行動をまとめます。
どれも実際に起きている話です。
空の容器や何もついていない状態で提出する
採便スティックに便がついていない状態で提出しても、検査機関や職場にはすぐにわかります。
後から「自分のウンチを郵送するよう言われた」という経験談もあるほどです。(それのほうが絶対に嫌ですよね。)
動物の便を使う
昔から語り継がれている話ですが、犬など動物の便を提出した場合、人間には存在しない菌が検出されて大事になったという話があります。
絶対にやめてください。
便潜血検査前に刺激性の強い下剤を使う
大腸がん検診などの便潜血検査の前に刺激性下剤を使うと、腸への刺激で出血が起き、正確な結果が得られなくなるリスクがあります。
使うなら必ず浸透圧性タイプを選びましょう。
まとめ:正しい方法で自分の健康をきちんと守ろう
今回の内容を整理します。
他人の便を検便に使うことは「バレるかどうか」以前に、自分自身の健康を確認できなくなるという本質的な問題があります。
また借りた相手が菌を持っていれば、自分の名前で陽性判定が出るリスクも生まれます。
どちらにとっても何一つメリットはありません。
便が出ない時の正しい対処法は、数日前採取の便を保存しておくこと・水分と食物繊維をしっかりとること・お腹のマッサージ・市販薬(浸透圧性タイプ)の活用・そして職場や学校への正直な相談の5つです。
便潜血検査の際には刺激性下剤を避け、浸透圧性タイプを選ぶことも合わせて覚えておきましょう。
検便は「面倒」「恥ずかしい」と感じる方がほとんどだと思います。
でも一人ひとりの検便が、一緒に働く仲間やお客さんを守ることにもつながっています。
「他人の便を借りようかな」と思ってしまった気持ち、責める必要はまったくありません。
それだけ追い詰められていたということですから。
今年の検便が終わったら、来年のためにちょっとだけ準備しておきましょう。
水を飲む量を少し増やして、野菜を一品プラスするだけでも、体は意外と応えてくれるものです。
「ちゃんと自分の便で提出できた」と思える毎年になったら、きっと少しだけ気持ちが楽になるはずですよ。
もし「提出し忘れたときに、まず何から手を付ければいいか」が不安なときには、全体的な流れをまとめたページも一緒に確認してみてくださいね。