新年の始まりに見る「初夢」。
昔から「一富士二鷹三茄子」なんて言われるように、初夢には縁起をかつぐ意味が込められていて、できることなら明るく前向きな夢を見て、気持ちよく一年のスタートを切りたいところですよね。
ですが実際には、毎年のように怖い夢や不安になる夢ばかり見てしまって、「また今年も悪夢だった…」と落ち込んでしまう方も少なくありません。
そんなとき、
「これは何か悪いことの前触れなのかな?」
「もう初夢なんて見たくなかった…」
と不安やストレスを感じてしまうのも無理はありませんよね。
実は、こうした思いを抱えている人は意外と多くて、夢の内容によって新年早々モヤモヤした気分になってしまう人も多いんです。
この記事では、怖い初夢を見てしまったときの心の整え方や、夢を見ないためにできるちょっとした工夫。
そして縁起を切り替えるおまじないなど、気持ちを前向きにするためのヒントをやさしく丁寧にご紹介していきます。
夢に振り回されすぎず、自分らしい新年のスタートを迎えるための参考にしてみてくださいね。
怖い初夢ばかり見ると不安になる…
初夢とはいつ見る夢のこと?
初夢といえば、お正月に見る最初の夢というイメージがありますよね。
一般的には、1月1日の夜から2日の朝にかけて見る夢のことを「初夢」と呼ぶのが定番です。
つまり、このタイミングで夢を見なければ、初夢を見たことにはならないということになります。
でも実は、「初夢は1月2日の夜に見る夢」という説も昔からあったり、地域によって解釈が異なる場合もあるんです。
たとえば、年賀状やおせちなどのお正月行事が一段落した後の夜に見る夢のほうが、より意味があるとされていたりもします。
また、1月1日の夜は生活リズムが乱れがちで眠りが浅くなることも多く、夢を見やすいタイミングとして知られているんですね。
そのため、「初夢を見たくない」と思う人にとっては、どのタイミングで寝るか・どう眠るかも実は大事なポイントになってきます。
「初夢なんて見たくない」と思うのは普通の感情
「毎年初夢で怖い夢ばかり…」そんな経験が続くと、「もう初夢なんて見たくない」と思ってしまうのも自然なこと。
実はそう思っている人は意外と多くて、SNSや身近な友人に聞いてみても「自分もそう!」という声がちらほらあがるくらいです。
中には、新年の夜にあえて早く寝ず、初夢を見る時間帯を避けたり、ホットミルクを飲んでぐっすり眠れるように工夫している人もいます。
ほかにも、宝船の絵を枕の下に敷いて縁起直しをするなど、夢の内容に一喜一憂しない工夫を取り入れている人も少なくありません。
つまり、「初夢なんて見たくない」と感じるのは、けっしてネガティブなことではなく、自分なりに心の平穏を保ちたいという自然な感覚なんですね。
怖い夢ばかり見る原因は自律神経の乱れ?
夢は浅い眠り(レム睡眠)のときに見やすい
私たちの睡眠は「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」を交互に繰り返しています。
これはおよそ90分ごとに訪れるサイクルで、一晩に何度も繰り返されているんです。
レム睡眠は身体はしっかりと休んでいるのに、脳はある程度活動している状態で、このときに夢を見やすいと言われています。
とくに感情が強く動いた日の夜や、ストレスを感じたときなどは、レム睡眠が多くなって夢を見やすくなる傾向があります。
つまり、眠りが浅くなっているときほど夢を見やすくなるというのは、単に眠りの深さだけでなく、心の状態にも左右されているんですね。
また、レム睡眠中に目が覚めてしまうと夢の内容を覚えていることが多く、特に印象に残りやすい悪夢や怖い夢が記憶に残ってしまうこともあります。
悪夢の原因はストレスや不安、生活習慣の乱れ
怖い夢や嫌な夢には、心や体の状態が影響していることが多いです。
強いストレスや不安を感じていたり、生活リズムが乱れていたりすると、それが悪夢となって現れることがあります。
たとえば、
- 仕事や人間関係で悩んでいるとき
- 引っ越しや入学、転職などで生活が大きく変わる時期
その影響で、睡眠の質が落ちてしまい、浅い眠りが増えて悪夢を見やすくなるんですね。
また、
- スマホやパソコンの長時間使用による脳の過活動
- 就寝前のカフェイン摂取
- 遅い時間の食事
普段の何気ない生活習慣が、知らず知らずのうちに夢に影響を与えているんです。
自律神経が乱れると眠りが浅くなり夢を見やすくなる
ストレスや不規則な生活で自律神経が乱れてしまうと、深く眠れなくなり、レム睡眠の時間が長くなります。
その結果、夢を見る機会が増えてしまい、嫌な夢ばかりが印象に残るようになるんです。
自律神経とは、体のリズムや内臓の働き、体温調節などを自動でコントロールしてくれる神経で
「交感神経」
「副交感神経」
この2つのバランスが大切です。
このバランスが崩れてしまうと、心拍が乱れたり、寝つきが悪くなったりして、睡眠が浅くなってしまうんですね。
特に、就寝前にスマホを見続けたり強い感情の刺激を受けたりすると、交感神経が優位な状態のまま眠りにつくことになり、リラックスできずにぐっすり眠れなくなってしまいます。
これが続くと慢性的な睡眠不足や悪夢のループにつながってしまうので、できるだけ心を落ち着けてから眠ることが大切です。
嫌な初夢を見ないためにできること
まずは生活リズムを見直すことから
夢を見にくくするには、深い睡眠をとることが大切です。
そのためには、日ごろの生活リズムを整えることが第一歩になります。
睡眠の質を高めるには、寝る時間と起きる時間をなるべく一定に保つのが効果的です。
たとえ休日であっても、極端に寝坊をしたり夜更かしをしたりすることは避け、いつものサイクルを大きく崩さないようにすると、体のリズムが安定していきますよ。
また、睡眠の質を左右する要因は時間帯だけでなく、「寝る前に何をするか」もとても重要です。
例えば、スマホやパソコンの画面を長時間見るのは、脳を刺激して寝つきを悪くする原因になってしまいます。
できれば就寝の30分~1時間前には、ブルーライトを避けるようにして、部屋の照明も少し暗めにしておくと、自然に体が「眠る準備」に入ることができます。
さらに、夜の時間にゆったりとしたストレッチや深呼吸を取り入れることで、心身ともにリラックスしやすくなります。
自分の生活に無理なく取り入れられる範囲で、こうした習慣を少しずつ取り入れてみるといいですね。
こういった小さな積み重ねが、深い眠りをつくり、夢の記憶が残りにくい状態へとつながっていきますよ。
自律神経を整えるおすすめ習慣5つ
自律神経のバランスを保つには、無理のない範囲で生活を整えることが大切です。
急に完璧な生活リズムに切り替える必要はありませんが、できることから少しずつ積み重ねていくことで、自然と体の調子が整ってきます。
たとえば、次のような習慣が効果的です。
夜型生活をやめて早寝早起きに切り替える
夜遅くまで起きていると交感神経が優位になりがちなので、22時~23時までには布団に入るよう心がけましょう。
朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びて体内時計をリセットする
朝の光を浴びることで、セロトニンという気分を安定させるホルモンの分泌も促進されます。
栄養バランスを考えた1日3食の食事を心がける
とくに朝ごはんは、体を目覚めさせて自律神経を整えるスイッチになります。
忙しい日でも自分の時間を確保するようにして、毎日30分程度のリラックスタイムを持つ
好きな音楽を聴いたり、アロマを焚いたり、読書をするなど、自分がほっとできる時間を意識的につくることが大切です。
軽い運動を毎日取り入れてストレスを発散する
ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、無理なく継続できるものでOKです。
こういった習慣を少しずつでも取り入れていくことで、心身ともに安定しやすくなり、自然と眠りの質も改善していきます。
結果として夢も見にくくなり、穏やかな睡眠が手に入りやすくなっていきますよ。
ホットミルクでリラックスして安眠をサポート
夜寝る前にホットミルクを飲むのもおすすめです。
牛乳に含まれるトリプトファンという成分が体内でセロトニンに変わり、その後睡眠ホルモンのメラトニンの生成を促してくれるんです。
メラトニンは体内時計のリズムを整え、自然な眠気を促す作用があるため、寝つきが悪い人や、夜中に何度も目が覚めてしまう人にとっても頼れる味方になります。
また、ホットミルクのように温かい飲み物をゆっくり飲むことで、胃腸が温まり、全身がリラックスモードに切り替わります。
気持ちが落ち着いてくるので、頭の中がぐるぐるして眠れない…というときにも効果的ですよ。
さらに牛乳には、トリプトファン以外にも
- カルシウム
- ビタミンB群
- マグネシウム
寝る前に少しぬるめのホットミルクを飲むことで、心も体もリラックスして、ぐっすりと深い眠りにつきやすくなりますよ。
怖い初夢を見てしまったらどうすればいい?
意味を気にしすぎないことが大事
怖い夢を見てしまうと、つい「これって悪いことが起きるサイン?」と気になってしまいますが、夢はあくまで自分の心の中の状態を映しているだけ。
とくに初夢のように「縁起」が気になる場面では、夢の内容を深刻に受け止めてしまいがちですが、夢は日常のストレスや不安、身体の疲れが形を変えて現れているものにすぎません。
たとえば
「事故に遭う夢」
「誰かが亡くなる夢」
は、実際にその出来事が起こるという予知ではなく、自分自身が何かに対して不安を感じていたり変化を恐れていたりする心理が投影されていることが多いんです。
だからこそ、意味を深読みしすぎず、
「最近ちょっと疲れていたのかな」
「考えごとが多かったのかも」
と受け止めて、必要以上に気にしないことが大切です。
夢は見る人の心の鏡のようなもの。
夢の内容そのものにとらわれるよりも、
「今、自分はどんな気持ちでいるのか」
「何が負担になっているのか」
といったことを見つめ直すきっかけにしてみてくださいね。
縁起直しに使える「宝船」のおまじない
昔から、初夢で良い夢を見るためには、七福神が乗った宝船の絵を枕の下に敷いて寝るといいとされています。
しかもこのとき、絵には
「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」
という回文のような言葉を書き添えると、より縁起が良いとされているんですよ。
そして、もし初夢で悪い夢を見てしまったときは、同じ宝船の絵を川に流すことで「悪い夢を流す」おまじないになるとも言われています。
実際に絵を描いて流すという行動そのものが、自分の中にある不安を手放すための儀式のようなものとして働くんですね。
流れていく船の絵に、自分の怖い夢や嫌な気持ち、不安な思いを一緒に乗せて送り出すようにイメージしてみてください。
それだけでも気持ちがすっと軽くなったり、心の切り替えができたりするんですよ。
夢を「流す」ことで気持ちの切り替えに
とはいえ、川に流すという行動が難しい場合もありますよね。
そんなときは、もっと手軽にできる方法でも十分効果があります。
たとえば、見た夢を紙に書いて、それを破ったり丸めて捨てたりする。
あるいはスマホのメモ帳に記録したあと削除するなど、「夢を手放す」イメージで処理するだけでも心の整理に役立つんです。
こうした「見えないものにカタチを与えて処理する」という行為は、心理的にも大きな意味を持ちます。
夢に対して「これはもう終わったこと」と明確に線引きをすることで、頭の中のモヤモヤが落ち着いていくんですね。
何より大切なのは、夢に振り回されすぎず、「いまこの瞬間の自分をどう整えてあげるか」を意識すること。
夢は夢として受け流し、自分をやさしくケアする習慣を持つことが、穏やかな毎日をつくってくれますよ。
まとめ|夢に左右されない一年をスタートしよう
怖い初夢=悪いことが起きる前兆ではない
怖い初夢を見ても、それがそのまま悪いことの前触れになるわけではありません。
夢というのは、心の奥にある感情や無意識の思いが映し出されたものだと言われています。
多くの場合、それは日常の中で感じている不安やストレス、心の緊張状態が夢というかたちで現れているだけなんです。
とくに年末年始は普段と違う生活リズムになったり、帰省や行事の準備などで心身ともに疲れやすくなる時期でもあるので、夢にネガティブな内容が反映されやすくなってしまうんですね。
心と体を整えて、いい睡眠でリフレッシュ
怖い夢に悩まされないためには、心と体のバランスを整えることがとても大切です。
睡眠の質が良くなると、自然と夢を見にくくなったり、たとえ夢を見たとしても悪い印象が残りにくくなったりします。
そのためには、生活習慣を少しずつ見直していくことが大事です。
たとえば、朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる、夜はぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、スマホやテレビは就寝前にはなるべく見ないなど、小さなことからで大丈夫です。
また、リラックスできる時間を意識的に作ることも効果的。
アロマをたいたり、やさしい音楽を聴いたり、軽いストレッチをしたりするだけでも、心の緊張がふっとゆるみますよ。
ぐっすり眠れる夜が増えることで、心にも体にも余裕が生まれて、夢に対する不安も次第に小さくなっていきます。
新しい一年を気持ちよく迎えるためにも、無理せずできることから始めてみてください。
大切なのは、「こうしなきゃ」と思い詰めるのではなく、「できることから少しずつ」でOKという気持ち。
ゆったりとした気持ちで、自分をいたわるような眠りを重ねていけるといいですね。