春に色とりどりの花を咲かせるチューリップは、自宅で育てている方も多いお花です。
しかし花が咲き終わった後の球根は、一体どうすれば良いのか悩んでしまいませんか?
やるべき事は一つです。
球根を掘り出して、来年も咲かせられるように保存する必要があります。
今回はチューリップが咲き終わった球根の掘り出し・お手入れ・保存方法について、詳しく解説していきますね。
来年も咲かせたいチューリップ!球根を取り出してお手入れしよう!
球根を取り出す前に、球根に十分な栄養素を与えなくてはいけません。
その為には、十分な準備が必要になります。
チューリップの球根を取り出す前の下準備
まずは、チューリップの花を摘み取りましょう。
花が枯れ始める頃、大体6月に入る前に行うようにします。
葉は全て残して、花の下で茎を折ります。
こうする事によって花が種を作るのを防ぎ、球根に栄養素を行き渡らせる事が出来るのです。
水やりはいつも通り行います。
更に薄めた液体肥料を月に3~4回与え、球根に元気を与えましょう。
やがて葉が黄色くなり、枯れ始めてくるはずです。
そうなったら、球根を取り出す機会が来たと言う合図です!
チューリップの球根の取り出し方
葉が黄色くなり枯れ始めてきたら、球根を土から掘り出します。
掘り出せたら球根のすぐ上で茎を切り、球根を一つ一つ分けていきます。
小さい球根は翌年花を咲かせるのが難しい為、廃棄します。
ツヤがあってふっくらしている球根や、手に取った時に重さを感じる球根は、翌年も花を咲かせてくれる事でしょう。
チューリップの球根のお手入れ方法
掘り出したチューリップの球根は、土を落とします。
土を完全に落とす為に水洗いをしがちですが、水洗いをすると保存中に球根が腐る原因になりかねません。
軍手や布で、拭き取る程度にするといいでしょう。
綺麗になった球根をネットの袋へ入れ、風通しのいい日陰に吊るして乾燥させましょう。
チューリップの球根を植えっぱなしはダメ?
チューリップの球根を掘り出さず植えっぱなしにしていても、球根に栄養が行き渡っていて腐っていなければ、再度花を咲かす事があります。
毎年植えっぱなしで、毎年のチューリップの花を咲かせている人も中にはいます。
しかし、来年も確実にチューリップの花を咲かせたいとなれば、球根を取り出した方がいいと思います。
お手入れは面倒ですし保存にも気を使いますが、綺麗で大きなチューリップを咲かせたい方は、球根を取り出して保存する方法をオススメします。
取り出したチューリップの球根の保存はどうしたらいいの?
では、取り出したチューリップの球根の保存方法について、見ていきましょう。
乾燥させた球根はネットに入れ、風通しのいい場所に保存しておきます。
複数の種類を育てている場合は、種類別にネットに入れておくと後々楽です。
球根に傷がついてしまうと、再度植えた時に芽が出なくなってしまうので、注意が必要です。
保存後のチューリップの球根の植え付け前には消毒が必要!
秋になって紅葉が見頃になったら、球根を植えつけます。
まずは植え付けの前に、チューリップの球根を消毒液に15分~20分程つけ置きします。
このとき「消毒液」と聞くと、アルコールなどを連想しがちですが、植物用の消毒液を使いましょう。
使用する消毒液は、
- ベンレート水和剤
- オーソサイド水和剤
- ホーマイ水和剤
消毒をしないと、病気になってしまったりダニが発生したりしますよ。
チューリップの球根の保存場所に冷蔵庫が最適って本当?!
チューリップの球根の保存場所は「風通しのいい日陰に吊るす」と書きましたが、そんな場所ない!という方、おられると思います。
もはや家の中か?!冷蔵庫かな!?と思われたあなた。
それもOK!なんです。
そして、チューリップの球根は冷蔵庫で保存しても良いのです。
そもそも、チューリップを10月に植えるのは、植えたあとに冬の寒さにさらされることで花芽が動き出すからです。
チューリップは、花芽を出すために“寒さ”が必要なのです。
この“寒さ”を人工的に作れるのが、冷蔵庫。
冷蔵庫に2ヶ月ほど保存してから、温かい場所で植えると早く開花するんだとか。
このように、人工的に寒さにさらすことを「春化処理」と言います。
水耕栽培の場合にはよく使われる方法だそうです。
このとき、球根は新聞紙や封筒などに入れて「チューリップ」などと明記し、直接冷気が当たらないように工夫してあげてくださいね。
保存場所がないなと困っておられる方や、早く花を咲かせたいと思われている方、一度チャレンジしてみても良いかもしれませんね。
我が家でのチューリップの球根を保管した場所
私の実家では、家の裏に簡易な屋根のついたスペースがあって、園芸用品をまとめて置いていたのですが、そこがまさにベストポジションでした。
屋根のところにうまくぶらさげられたし、家の裏だったので見た目も気になりませんでした。
でも、独立してからはそんな場所がなく…
ガレージはあるけど屋根が高すぎて手が届かないし。
迷った私は、倉庫の中に保存することにしました。
「倉庫の二段目の板の一番手前のところに重りを乗せてぶらさげる方法」を思いつきました。
「日陰」であるけど「風通し」は良くありません。
でも、我が家ではここしかない。
あまり良い方法ではないかもしれませんが、こんな風にして保存した球根(チューリップではなく、クロッカスでしたが)でも、一応花は咲きましたよ。
ご参考までに。
チューリップの球根が腐る?腐ったかどうかの見分け方は?
チューリップの球根は、腐ることがあります。
腐ったかどうかは、重さと手で触った感じでわかります。
ちゃんとした球根は、ずっしりと重たくて固いです。
それに対して腐った球根は、軽いですし触るとぐにゃっと柔らかいです。
チューリップの花が終わって球根に養分を蓄えている間は、水のやりすぎに気を付けなければいけません。
水をやりすぎると腐る原因になります。
この他にも、
- カビが繁殖してしまった
- 虫に食べられた
- 球根そのものの質が良くなかった
腐ったかどうかは、触ってみて、「重さ」と「手触り」で確認してみてくださいね。
保存後のチューリップの球根の植え付け方法
チューリップの植え付け時期の、地域ごとの目安は
■北海道や東北地方
⇒10月上旬から下旬以降
■北陸や中国日本海側地方
⇒10月下旬から11月上旬以降
■関東や東海地方・近畿・瀬戸内海沿岸
⇒11月上旬以降
■九州地方
⇒11月下旬以降
このような感じとなっています。
チューリップの球根を庭に植えるときは、前回植えたのとは別の場所に植えるようにして、場所を移動させるのがポイントです。
プランターや鉢植えで育てている場合は、土を新しく取り替えて植えましょう。
チューリップの球根を植え忘れたら?
チューリップを植えるのは、前述したように秋の時期です。
“紅葉が見頃を迎えた頃”に植えると良いのですが、
「チューリップ=春」
なので、うっかり秋に植え忘れてしまう方もおられるかもしれません。
私もすぐに忘れるので、学校や幼稚園で子どもたちが「球根を植えた」と言ってきて思い出します。笑
このように子どもたちに教えてもらって、我が家も植えなければ、となって重い腰を上げるのが毎年の恒例です。
チューリップの球根を植え忘れてしまったときは…
①ダメ元で植えてみる
②次の秋まで待つ
の2パターンだと思います。
植え忘れに気付いた時期にもよると思いますが、もし春になってから気付いた場合。
確実に咲かせたいなと思うなら次の秋まで待った方が良いと思います。
ダメ元で植えてみると、もしかしたら少しは咲くものがあるかもしれません。
でも、
- チューリップの葉がまっすぐ伸びなかったり
- 成長してもチューリップの花が綺麗に咲かなかったり
なのでやはり、秋に植えて地中で長く寒さにさらされたり気温に馴染んでいく過程は必要なんですね。
もし冬ぐらいに植え忘れに気付いたのであれば、冷蔵庫に半月ほど入れて寒さにさらしてから植えましょう。
春化処理をすることで、チューリップの花芽が動き出して通常と同じように花が咲くかもしれません。
全てをキレイに咲かせることは難しいと思いますが、こうなれば、開き直って実験の一つと思って観察してみても良いかもしれませんね。笑
チューリップの球根の保存期間ってどれくらい大丈夫なの?
チューリップの球根は、たいてい半年未満保存して植える方が多いと思います。
でも、植え忘れたり、いろいろな事情で植えられなかったりすることもあると思います。
そんなときは、そのまま球根のまま保存しておくしかありません。
球根の状態や気温などによるので厳密に「○年は保存可能」ということは言えません。
ただ、戸外に保存していると温かさで勘違いしたチューリップがそのまま発芽してしまう場合があります。
そのため、長期保存になりそうな場合は、冷蔵庫で保存すると良いそうです。
冷凍庫に保存するという方もおられるようです。
より長期に及ぶのであれば、冷凍庫が良いでしょう。
こうすることにより、チューリップは人工的にずっと冬の状態で眠ったまま保存できます。
状態が良ければ数年ほど保存できるようですが、それでも全てがキレイに咲くとは限りません。
冷蔵庫や冷凍庫で保存するときは、間違って食べてしまわないようにわかるようにしておきましょう。
当たり前ですが、冷蔵庫は基本的に食べ物しか入っていません。
あなたがわかっていても、他のご家族がわかっていなければ万が一食べてしまうこともあるかもしれません。
小さな子どもがいるご家庭では、特に気を付けましょう。
チューリップの球根ってそのままでいいの?のまとめ
チューリップの球根は、花が枯れる前に花を摘み取り球根を育てる必要があります。
水やりの他にしっかり肥料を与え、来年も花を咲かす事の出来るパワーを与えましょう。
また、球根はデリケートです。
保存する時はネットに入れて、風通しのいい場所に保管しましょう。
余談になりますが、チューリップの品種改良が進んでいるオランダでは、なんと食用のチューリップが売られています。
ただし普通のチューリップは毒性があり、観賞には問題ありませんが食べる事は出来ません。
味は上品な甘さがあるようで、一度食べてみたいですよね。
美味しいもの大好きな私個人としては、とても気になります!