「堆く」という言葉を知っていますか?
「字は見たことがあるけど、読み方がわからない・・・」という人も多いのではないでしょうか?
普通に生活している中では、「堆く」とかってそんなに目にすることのない言葉ですよね。
この
「堆く」は「うずたかく」と読みます。
この「うずたかく」という言葉ですが、「堆く」という漢字の表記と、「うず高く」というわかりやすい表記の2種類が存在します。
前者の「堆く」はなかなか読めませんが、後者の「うず高く」であればフリガナがなくても読めますよね!
「うず高く」と「堆く」はい同じ意味?!なぜ違う漢字が使われているの?
同じ「うずたかく」と読む言葉でも、書くときは「うず高く」と「堆く」の2パターンあるのは不思議ですよね。
表記が違う「うず高く」と「堆く」は意味が違うのかなと思いがちですが、実は全く同じ意味なのです。
国語辞典で調べてみると、「堆い」は見つかっても「うず高い」はありません。
つまり、「うずたかい」を書くときは「堆い」と書くのが正しい表記になるのです。
では「うず高い」がどこから来たのかというと、誤って使った表記が色々な場面で広まったものなのです。
そもそも「堆い」は「積み重なって高く盛り上がっている」という意味があります。
高く積み重なっているイメージからすると、「うずたかい」を「うず高い」と書きたくなるのも納得です。
「うず高い」は誤用ではあるけれど、徐々に広く受け入れられてきていて、最近の辞書では「うず高い」と併記されているものもあります。
「堆い」は読み方を知らないとなかなか読めない難読漢字だけど。
でも「うず高い」だと、小学校低学年の子どもでも読めるという点も、一般的になった背景にあるのかもしれませんね。
ということで、「うず高い」と「堆い」は同じ意味で、「うず高い」は「堆い」の誤用であるというのが結論です。
うずたかくの「うず」ってどんな意味なの?
「うずたかく」を「うず高く」と表記すると、「うず‐たかく」と分解できそうですよね。
「高く」の意味はわかるとしても「うず」ってなんだろうと気になります。
でも、すでにお伝えしたように、「うずたかく」は「堆い」が正しい表記です。
「うずたかい」で一つの言葉になるため、「うず‐たかい」に分けることはできません。
「めずらしい」を「めず‐らしい」に分解できないのと同じことです。
なので、「うずたかい」から「うず」だけ取り出して意味を調べることはできないのです。
「堆い」の意味と語源は?
ただ、「堆い」の意味と語源を考えることで「うず」が何なのかというヒントが得られるかもしれません。
「堆い」は「積み重なって高くなっている」という意味で、現代では使われています。
でも、古語では「気品がある」という意味を持っていました。
「気品がある」という意味の「堆い」で語源を調べてみると。
「うち(内)ゆたかし(高し)」という言葉がもとで、「内から高い=内側から高くなっている=高貴である」との意味があります。
そこから、「うちゆたかし」「うつたかし」「うずたかい」と変化してきたそうです。
他にも「うず」の由来には諸説あり、「珍(うづ)」や「埋(うづみ)」が変化したものとも言われています。
「堆い」で一つのまとまった言葉になるため「うず」の意味を調べることはできませんが、語源を辿れば何か発見があるかもしれませんね。
「うずたかく」の使用例とその意味は?
「堆い」の意味は、「物事が積み重なって、高く盛り上がっているさま」です。
「堆い」は形容詞なので、活用によって色々な例文が考えられます。
「堆い」を使った例文をご紹介します。
「堆い」を使った例文
- 仕事から帰ってきたら、シンクの中に汚れた食器が堆く積まれていた。
- 堆く積もった雪の中から、小さな花がかすかに見えた。
- 堆く盛り上がった両目の涙が、ぽろりとこぼれ落ちていった。
他にも
- 堆き本(うずたかきほん)
- 堆い土(うずたかいつち)
「本が堆く積みあがっている」という文章を、「堆き本」の一言で表現できるわけです。
なんとなく俳句や短歌などではこのような表現方法が使われそうな印象があります。
また、終止形や仮定形にした例文もあります。
「堆い」の終止形や仮定形にした例文
- 家から車で30分程度のところにある丘は、堆い。
- テレビの裏にあるホコリが堆ければ、真っ先に掃除をしよう。
日常会話ではあまり使う場面に出くわさない「堆い」。
でも何かの拍子にさらっと使えれば、「おっ!言葉をよく知っているね!」という印象を与えられるかもしれませんね。
うず高くつもるって?まだまだある使用頻度低めの難しい日本語ベスト10
上記の例文を見てもわかる通り、「うず高く」という言葉は積み重なって盛り上がっている様をあらわします。
なので、「うず高くつもる」とは、積み重なって高く積もっている様子を意味しています。
このように、日常生活では「中々使う事のない日本語」は沢山存在するんですよね。
そこで、こういった「使用頻度低めの難しい日本語ベスト10」をご紹介します(^O^)/
普段あまり使わない難しい日本語【第十位】月代
月代は「さかやき」と読みます。
簡単な漢字を使っていますが、意味は知っていますか?
- 古代以後、成人男子が常に冠や烏帽子をかぶったために、すれて抜け上がった前額部。
- 中世末期以後、成人男子が前額部から頭上にかけて髪をそり上げたこと。また、その部分。簡単にいうと、侍の額のあたりをさす言葉です。
普段あまり使わない難しい日本語【第九位】一縷
一縷は「いちる」と読みます。
- 1本の糸。また、そのように細いもの
- ごくわずかであること
- ひとすじ
「一縷の望みを残す」などの言葉は聞いたことがあるかもしれませんね!
普段あまり使わない難しい日本語【第八位】老獪
老獪は「ろうかい」と読みます。
「いろいろな経験を積んでいて、悪賢いこと。また、そのさま」という意味の言葉です。
「老獪(ろうかい)なやり方」などで使う言葉です。
沢山の経験から悪だくみをする人のことを指す言葉ですね。
普段あまり使わない難しい日本語【第七位】沽券
沽券は「こけん」と読みます。
言葉の意味は
- 土地・山林・家屋などの売り渡しの証文。
- 人の値うち。体面。品位。
「沽券(こけん)にかかわる」という言葉は聞いたことがあると思います。
これは、「面目や体面に差しさわりがある」という意味になります。
普段あまり使わない難しい日本語【第六位】矜持(きょうじ)
矜持は「きょうじ」と読みます。
「自分の能力を優れたものとして誇る気持ち。自負」という意味の言葉です。
今でいう「プライド」と同じ意味になります。
普段あまり使わない難しい日本語【第五位】不遜
不遜の読み方は「ふそん」です。
- へりくだる気持ちがないこと
- 思いあがっていること。また、そのさま。
「不遜な態度」などで使われるもので、偉そうな態度のことをあらわします。
普段あまり使わない難しい日本語【第四位】一家言
一家言の読み方は「いっかげん」です。
この言葉も、一つ一つの漢字は簡単ですが、言葉自体は中々耳にすることはないですよね。
意味は、その人独特の意見や首長。
また、ひとかどの見識のある意見をさす言葉です。
「伝統芸能に一家言をもっている」などと使います。
普段あまり使わない難しい日本語【第三位】吝嗇
吝嗇は「りんしょく」と読みます。
これは中々読めない漢字ですね。
意味はいくつかあります。
- むやみに金品をおしむこと。また、そういう人やそのさま。
- 粗末な事。価値がない事。また、そのさま。貧弱。
- 気持ちや考えが卑しい事。心が狭い事。また、そのさま。
- 縁起の悪いこと。不吉なこと。また、難癖(なんくせ)。
- 景気が悪い事。また、そのさま。不景気。
普段あまり使わない難しい日本語【第二位】匕首
匕首の読み方は「あいくち」です。
- ツバのない短刀。九寸五部。
- 人と何かをするときの相性。
- 互いに話が合い、気心の合うこと。また、その間柄。
普段あまり使わない難しい日本語【第一位】敷衍
敷衍は「ふえん」と読みます。
この言葉は、夏目漱石の本にも使われている言葉ですが、中々これが読めて、意味を分かっている方は少ないかと思われます。
この言葉の意味は、
- 押し広げること。
- 意味・趣旨をおし広げて説明すること。例などをあげて、くわしく説明すること。
言葉の意味自体は難しいものではないので、日常生活にもとりいれてみてはいかがでしょうか?
堆くとうず高くはどちらが正しい?のまとめ
堆くとうず高くはどちらが正しいの?ということについて見てきました。
難しい言葉をたくさんご紹介しましたが、これらの言葉はパソコンで漢字に変換する時もちゃんとでてくる立派な日本語です!
「うず高く」をはじめとしたちょっと難しい日本語たち。
是非普段の会話に取り入れて、会話のレベルアップをしてみてくださいね。
そして、今ではあまり使わないけど、耳にはしたことがある「上げ膳据え膳」。
でも意外と、この正しい意味だとか使い方を知っている人って少ないんです。
に詳しくまとめていますので、この記事をここまで読んでくださった方は、ぜひ「上げ膳据え膳」の正しい意味や使い方をぜひ知っておいてくださいね!