毎年恒例となりつつある、家族4人での潮干狩り。
今年はちょっと勝手が違って、採ってきたあさりの砂抜きをしてると、6才の娘が
「わーぁ、水をピューッって出した!すごーい。このあさりさん飼いたい♪」
って言ってきました。
私は
「ん?飼いたい??あさりを???あさりを飼うってどういうこと????」
って頭の中が「?」でいっぱいになってしまいました。笑
だって、今まであさりを飼うとか全く考えたこともなかったから、いきなり「あさりを飼いたい」って言われるとびっくりしちゃいますよね~。
その時は(子供の発想ってやっぱすごいわぁ)って思いながら、
「さすがに、これ全部飼っちゃうと多すぎるし、今晩のおかずがなくなっちゃうから、少しだけね~」
と、あさりの飼うことの難しさを知らずに安易に飼うことを了承しちゃいました。
でも「あさりを飼育する」って簡単にできるんでしょうか?
飼育セットなんて見たことないし、餌とかも何を準備すればいいんでしょうか?
あさりの飼育方法ってどうすればいいの?
娘から、潮干狩りで採ってきたあさりを飼いたいって言われて簡単にOKしたけど、いろいろ調べてみると、実はあさりの飼育って、超難しいんです。
あさりだけじゃなく、その仲間の二枚貝は飼育が難しいって言われているんです。
何で難しいかって言うと、次の3つが考えられます。
- あさりは水質や砂質にとっても敏感
- あさりって死んでしまうと地雷化しちゃう
- あさりのエサって簡単に入手できない
あさりは水質や砂の状態にとっても敏感
あさりって水質にとっても敏感なんです。
基本、水が濁ってなければ問題ないんだけど、他の貝の死骸とか浮遊物がたくさんあるような場合は、注意が必要です。
あさりって、水管って呼ばれるあの「ニョキッ」って出てくる管から、常に大量の水を体内に取り込みます。
その時に、水の中に浮遊してる貝の死骸のカケラだとか、浮遊物が詰まってしまって、水槽の中のあさりが大量死しちゃうことがあるんです。
あと、あさりはほとんとの時間を砂の中で過ごします。
なので、砂の中の状態が悪いとどんどん弱ってきちゃったり、死んでしまうこともあるんですね.
あさりは死んでしまうとほかのアサリにとっての地雷になる!?
実は、あさりなどの貝類は、死んでしまうと有毒化してしまうんです。
なので、死骸をそのまま水槽にいれておくと「あっと言う間に水槽の中のあさりが全滅!」なんてことも珍しくないんですね。
あとは、砂の中で死んでしまった場合も、同様に有毒化しちゃうので、あさりの主な生活の場でもある、砂の中の状態が最悪になってしまいます。
これまた「あさりが全滅」なんてことの原因にもなってしまいます。
このように、死んで有毒化してしまったあさりが、まさに「地雷」となって、元気なあさり達もその地雷に巻き込まれて、犠牲になっていっちゃうんです。
あさりのエサって簡単に入手できないって本当?
例えば、金魚だとか熱帯魚って言ったように、飼育がメジャーなものだったら、近所のホームセンターとかペットショップで「〇〇の餌」として売られてます。
なので、比較的簡単に入手することができますよね。
でも、「あさりの餌」はと言うと、探してもまず置いてないです。
なので、何をあげたらいいのかわからないし、エサに何をあげればいいのか、とっても困ってしまいますよね。
こんなとき、どうすればいいんでしょうか?
この「あさりのエサ」については、後ほど詳しく解説していきますね。
あさりを飼育するときのポイント
では、あさりの飼育をするときのポイントについて、見ていきましょう。
- 元気な精鋭部隊を選んで飼育する
- 弱ってきたあさりは早めに選別する
- 「あさり密度」に注意する
- 死んでしまったあさりは、すぐに取り除く
では、これらのポイントについても、詳しく解説していきますね。
アサリ飼育のポイント①元気な精鋭部隊を選んで飼育する
かわいそうではあるけど、弱ってきたあさりを入れておくと、気が付かないうちにすぐに死んでしまって、その死骸が有毒化してしまいます。
すると、他の元気でピンピンしていたあさりまで弱ってしまって「大量死」なんてことになってしまいます。
なので、弱ってきたあさりは、他の元気なあさり達を守る為にも、早めに選別するようにしましょう。
アサリ飼育のポイント②弱ってきたあさりは早めに選別する
あさりって普段は砂の中にもぐっているから、弱ってきたかどうかがとってもわかりづらいんです。
なので、弱ってきているあさりがいないか定期的にチェックする必要があります。
死んでしまってからだと、どうしてもすぐに水が汚れてしまって、すぐに水を入れ替えたりしないと他のあさりにまで影響が出てきちゃいますから、大変なことになっちゃいます。
そこで、初めての人でもわかりやすい、弱ったあさりの見分け方を2つ紹介しますね。
このとき、なかなか潜らなかったり、もぐるのが遅い場合は弱ってきてる可能性が高いので要注意です。
元気なあさりの場合だと、びっくりしてすぐに殻(から)を閉じちゃいます。
この時に、閉まりが悪かったりとかちゃんと閉まらない貝がいたら、弱ってる可能性が高いっていうことになります。
これは何でかって言うと、貝って貝柱を使って殻を開けたり閉じたりするんですね。
この貝柱(要は筋肉)が弱ってきちゃうと力が入らなくなちゃって、一生懸命閉めようとしても閉まらない状態になちゃってることが考えられるからです。
アサリ飼育のポイント③「あさり密度」に注意する
あさりは、普段から大量の海水を吸い込んで吐き出してます。
なのであまり密集して飼育するのは環境的によろしくありません。
私の経験的な感覚だと、だいたい「海水10リットルに対してあさり1個くらいがちょうどいいんじゃないかって思います。
水槽の大きさや飼育する数を決めるときの参考にしてみてくださいね。
アサリ飼育のポイント④死んでしまったあさりはすぐに取り除く
これは、「弱ってきたあさりは早めに選別する」にも書いたけど、死骸をそのままにしておくと水質がすぐに悪くなっちいます。
それが原因となって、有毒化で他のあさりまで大量死しちゃうことにもなってしまいます。
なので、できればやっぱり弱ったあさりを早めに見つけて取り除くことが大切です。
もし、死んでしまったあさりを見つけたら、速やかによりのぞいてやって水替えと砂の洗浄をしっかりとしてあげましょう。[/su_box]
あさりの飼育は淡水ではダメなの?
潮干狩りであさりを採りに行くのって海ですよね?
そう、あさりは海の生物なんです。なので、普段は海水で暮らしてます。
じゃぁ、淡水では暮らしていけないんでしょうか?
あさりは淡水が苦手?
実はあさりって「淡水で暮らしていけるかどうか」ってレベルじゃなくって、淡水が超苦手なんです。
どれくらい苦手かって言うと、例えば砂の上にちょっとだけ顔を出してても、ちょっとでも雨が降っていたら速攻で砂の中にもぐっていっちゃいます。
それくらい、大キライなんですね。
それに、大雨なんかで大量の淡水が流れ込んできちゃうと、大量死してしまう事もあるんです。
テレビなんかで見たことがある人もいるかもだけど、「豪雨で養殖のあさりが大量死」っていうのがたまにニュースにもなったりしてるくらいです。
それくらい、アサリって淡水が苦手…どころの話ではなく、「恐怖」なんです。
なので、おうちで飼育するときに、淡水にぶち込むなんてことは、あさりにとっては「拷問」以外のなにものでもないので、注意しましょう!
あさりを飼育するには海から海水を調達するしかないの?
「あさりが淡水じゃ生きられないとなると、海水を調達してくるしかない?」って、「それすごく大変やん」と思ってしまいますよね。
「家のすぐ目の前が海で、海水なんてすぐにくんでこれるし!」なんて人は、ごく一部の人しかいないだろうし。
それでもやっぱり、海水の入ったバケツを運んでくるとなると、重くて大変です
そもそも家の目の前が海!なんて人がわざわざアサリを飼いたいって思うかどうかは置いておいて。。。
こんな時に便利なのが人工海水の素です。
これがあれば、水道水に溶かすだけで海水を簡単に作ることができちゃうんですね。
海水魚を飼育してる人には欠かせないアイテムなので、あさり用にももちろんバッチリ使えちゃいます。
あさりを飼育するときの餌は何をあげればいいの?
あさりを飼育するぞー!ってなった時に「そういえば、あさりって何を食べるんだっけ?」と、餌に何をあげたらいいのか、考えちゃいますよね。
実はあさりの主な食べ物は「プランクトン」なんです。
あさりの餌に使えるプランクトンには種類がある
「じゃぁプランクトンをあげればいいんだね」と、ペットショップに行って「サンゴの飼育用」に売られてるプランクトンをあげてる人がいます。
でも、実はプランクトンには「動物性」と「植物性」の大きく分けて2種類があるんです。
そのうち、あさりが食べるのは「植物性プランクトン」で、サンゴ用のプランクトンは動物性なんです。
あさりは、大量の水をニョロってした管から体に取り込んでるので、サンゴ用のものをあげても体には取り込んで、一見食べてるようにも見えるんですよね。
けど、実はほとんど体には吸収できてない(エサになってない)っていう状態となってしまってるんです。
そして、以前はこの植物性のプランクトンなんて一般の家庭じゃなかなか手に入るものじゃなかったんだけど。
でも最近では二枚貝を飼う一般の人も増えてきて、それに「ネット」で購入することができる世の中になったことで、誰にでも簡単に手に入れることができるようになったんです。
そんなあさりの飼育に適したプランクトンの中でも、私がお勧めなのは「フィトクローム」っていう二枚貝飼育用に売られてるプランクトンです。
これを水槽の中に入れると、砂の中からニョキニョキって水管を出してくるので「ちゃんと食べてくれてるんだ」ってわかって楽しいですよ。
あさりの寿命はどれくらい?どれくらい大きくなるものなの?
あさりちゃんを可愛がっていると、どうしても気になる「寿命」。
あさりの寿命は、7~9年と言われています。
個人的には「割と長生きするのだな」という感想を持ちました。
では、あさりの年齢はどのようにわかるのでしょうか。
実は、ぱっと貝殻を見ただけでは正確な年齢はわかりません。
あさりの貝の表面には、木の年輪のように線が入っています。
年齢を調べるにはこの線が関係しているようです。
樹木のように線の数を数えるだけで年数がわかればいいのですが、そうはいきません。
素人には判別できるものではなく、専門家の方に顕微鏡などを使って調べてもらわないと、正確な年齢はわからないそうです。
ちなみに、普段スーパーで売られている3cmぐらいのサイズに成長するには1~3年かかるそうです。
地域によってかなり差があります。
なので、3cmよりも大きなサイズであれば4才以上のあさりということも言えるのかもしれませんね。
年を取ったあさりは、模様がぼんやりしてくるので、それも一つの参考になるでしょう。
あさりの最大の大きさは5cm~9cmほどなんだそうです。
見慣れているあさりの倍以上の大きさです!!
9cmぐらいだとハマグリと見間違えちゃいそうですよね。
あさりの寿命はスーパーで売っているアサリも同じ?
スーパーで売っているアサリの寿命…というか、“消費期限”は2日ほどです。
安全に食べられる期間が2日ほどということです。
売られているアサリは、食用としての下処理をされています。
保存温度を低くして「休眠状態」にして、できるだけ鮮度を保った状態で店頭に並んでいます。
潮干狩りなどで捕まえた活きの良いアサリとは違います。
スーパーで売っているアサリの寿命を調べてみたのですが、きちんとした答えは見つけることができませんでした。
ただ、やはりスーパーで売られているアサリを飼う場合の寿命は、かなり短いと思って良いと思います。
アサリ自体を飼うのがかなり難しいので、スーパーの生鮮食品売り場スタートのアサリお場合。
やはり、すぐに死んでしまうという確率の方が圧倒的に高いでしょう。
あさりの飼育をすることになったまとめ
子供から言われて、簡単に考えてた「あさりの飼育」について、実は思った以上に大変ってことを紹介してきました。
でも、砂からにょきって水管を出してる姿を見てると、思った以上に癒されてます。
「手がかかる子ほどかわいい」って言うけど、だんだんと愛着もわいてきちゃいますしね。