私のように会社勤めの人にとって、毎年年末になると会社から『〇〇日までに提出してね』って気軽に言ってくる『年末調整』。
年末の忙しい時期に、しかも提出期限までそんなに期間もないし、書くのも年に1回だから、去年書いた内容なんて覚えてない。(ちゃんとしてる人はコピーとかスキャナでちゃんと残してるんだろうけど)
なので、毎年提出期限の直前になってから、バタバタとネットで書き方を調べて、急いで書いて提出してる私のような人って多いハズ。
今年の年末調整も、例年と同じように提出期限の直前になって『やばっ!明日までに提出だった!!』と、気が付いて。
提出日の前日に急いで書き方を調べて、『今年からマイナンバーを書かなきゃいけないんや!めんどくさいなぁ』とつぶやきながらバタバタと書き上げて、翌日会社に無事提出。
しかしです!
提出して1週間ほどしてから、ふと『あれ?今年の年末調整に障害者控除って書いたっけ?』と、毎年書いている妻の障害者控除を書いた覚えがないことに気がつきました。
障害者控除の記入は『障害者手帳の番号』とか『手帳の交付日』を書かなきゃいけないんだけど、『書くために手帳を確認した憶えがない ⇒ ってことは障害者控除の申請を書いてない!』ってことで、書いてないことを確信しました…。
そこでこの記事では、こんな風に、私みたいに年末調整を提出期限が短い中でバタバタと書いて、提出した後から控除の書き忘れに気がついたときの
- 控除の書き忘れがあったら、何がどうちがってきちゃうの?
- そんな時には諦めるしかない?何か方法ってないの?
年末調整で障害者控除を書き忘れた
毎年書いている内容だけど、1年に1回、しかも年末の忙しい時期にやってくる年末調整。
今回の私みたいに、うっかり控除の書き忘れをしちゃうことってありますよね。
私の場合は、今年から子供の入院保険に加入したから、去年までは書いてなかったそこの部分に気をとられすぎちゃったってところもあった気がします。
年末調整には障害者控除の他にも、いろんな控除を『申請することで』初めて受けることができるんです。
逆に言うと、申請しなかったら受けることができないんですよね。
- 同一生計の親についての控除
- 年収38万円を超える配偶者の所得控除
- 配偶者と離婚や死別した時の寡婦控除
- 配偶者控除
- 障害者控除
- 男性だから対象にならないと思って申請しなかった時の寡夫控除
- 同居していないから扶養に入らないと思って申請しなかった扶養控除
- 配偶者の年収が103万円を超えるからと言って記入しなかった配偶者特別控除
- 住宅ローン2年目以降になった時の住宅ローン控除
- 今年入ったばっかりの生命保険とか地震保険の保険料控除証明の書類が手元に届くのが間に合わなかった
- 保険料控除証明書をなくしてしまったので、再発行したけど間に合わなかった
- 年末調整提出後に入籍したので配偶者控除の記入が間に合わなかった[/su_box]
こんな感じで、本当にたくさんの控除があるんですよね。
ちゃんと注意していないと、そんな控除があるとか知らなかったり、私のようにうっかり忘れちゃいます。
でも、そんな風にして自分が控除対象になるって知らなかったり、控除の記入を忘れちゃってて申請しなければ。
例えば税務署なんかが気をきかせて『この人は申請してないけど、この控除が対象だから』って言って控除してくれたりなんてことは絶対にないので、自分で気をつけるしかないんですよね。
なので、定期的に『今の自分に当てはまる控除って他にないか』っていうことは確認するようにしましょうね。
年末調整での控除を書き忘れるとどうなるの?
年末調整で、本当は控除対象となるようなものを書き忘れちゃうと、何にどう関係してくるんでしょうか?
所得税を多く払わないといけなくなる
年末調整で私が書き忘れたような『障害者控除』とかの控除って何の控除かというと、所得額の控除になるんです。
そして、所得額が控除されると何が変わるかというと、その所得にかかってくる『所得税』の額が合わってくるんですね。
本来、所得税はその年に納めるべき所得税を計算するために、所得控除の記入をした年末調整をもとに計算されます。
そこで控除も加味されて計算された所得税と、会社が毎月の給料から差し引いている所得税(こちらは控除は関係なく計算されてることがほとんど)との差額を求めて、翌年の給料でその差額を調整します。
普通は控除によって払いすぎている所得税が戻ってくることが多いんだけど、会社の計算によっては、毎月の給料からの天引き額が少なくて、逆に支払わなきゃいけなくなることもあります。
実際私も過去に1度だけ、お金が戻ってくるんじゃなくて、足りなかった分を支払った(給料から差し引かれた)ことがあります。
戻ってくるのが当たり前って思っていたので、その年の年末調整はかなりショッキングでした。
そんな風に、年末調整でちゃんと書いておけば控除されるべき所得税。
でも、その控除を書き忘れちゃうことで控除されないっていう事は、控除された場合よりも所得税を多く払わないといけなくなっちゃうってことです。
例えば、あなたの所得が300万円だった場合、所得税率は10%になるので、年間の所得税は30万円になります。(細かな計算とか控除はわかりやすくする為に考えずに計算した場合です)
それが、障害者控除が適用されると障害者控除の金額は27万円になるので
(300万-27万)の所得税10% = 27万3千円
控除がないときの所得税が30万円なので、なんと2万7千円も多く払わなきゃいけなくなっちゃうんですね。
控除なんてものの数分で書けちゃうので、その数分の書き忘れでそんなに損をしちゃうんです。
時給換算したら、おそろしい事になっちゃいますね~。
翌年の住民税が高くなる
住民税は翌年度課税なので、所得から控除されるべきものが申請してないことで控除されないままだと、翌年度の住民税が高くなっちゃうんです。
住民税の計算式は市町村によって違うから一概に『いくら違う』っていうのは言えないけど、私が住んでいる市町村を例にあげると。
障害者控除を申請しているときと、申請を忘れてしまったときでは、先ほどの所得税のときと同じ所得が300万円の場合だと、年間の支払う住民性(市民税+県民税)が1万4千円くらい違ってきちゃうんです。
なので、この『所得税』と『住民税」の税金を障害者控除を書き忘れたことによって、所得が300万円の場合だと4万円以上も多く払わなきゃいけなくなっちゃうんです。
改めて計算してみるとびっくりですよね~。
これが同じ障害者でも、『同居している特別障害者控除』だったりすると、控除額が倍以上の75万円になったりしてしまいます。
その他の控除とかも合わせると『うっかりしてた』とか『知らなかった』では悔やみきれない金額になっちゃいますよね。
なのでしっかりと確認して提出するようにしましょうね~(この言葉、もちろん自分にも投げかけています)
障害者控除を書き忘れた時には確定申告
それでも、やっぱり提出期限まで日もあんまりないし、制度が知らない間に変わっちゃっていたりして申請漏れがあることに、後から気がついちゃうことってありますよね。
そんな時は自己責任ってことで、払わなくても良かった税金を払わなきゃいけないんでしょうか?
間に合えば会社でも対応してもらえることも
年末調整を提出した翌月には、源泉徴収票が手元に届くと思うけど、実はそれが届くまでの間なら、基本的には『再年末調整処理』っていう形での再提出は可能なんですね。
ただ、実際にはどうかって言う話になると
- 源泉所得税の過不足金の再計算をしなきゃいけない
- 法定調書の合計表とか給与支払報告書の作成や報告っていった事務処理のやりなおしが必要になる
場合によっては、受け付けてもらえなかったりする事もあるかもしれません。
ただ、提出期限直後とかなら、まだ間に合うこともあるので、12月中であれば、会社に相談してみてもいいでしょう。
それ確定申告でも申請できます
会社での再提出が無理な場合は、個人的に税務署に確定申告することで、年末調整で記入漏れしてしまった控除の手続きをすることができるんです。
『確定申告』って聞くと、
- 何か個人でお店とかを会社を経営してるような『個人事業主』だったり
- 入院とか手術とかで医療費がかかった年に領収書とかをかき集めて出す医療費控除の申請だったり
だけど、実は確定申告でできちゃう所得税の控除って14種類もあるんですよね。
そして実は、会社での年末調整では、そのうちの11種類しか申請することができないんです。
なので、残りの3種類は会社勤めの人でも確定申告をしないと、所得税の控除を受けることができないんです。
そして、私のように会社勤めしてて年末調整での申請をしてる人でも、年末調整で対応してない残りの3種類の控除申請できるのと同じように。
年末調整で控除できる11種類の控除でも、年末調整に書き忘れちゃった(申請し忘れた)場合、確定申告で控除申請することができちゃうんです。
2月16日とか3月15日が土日祝日でお休みの時は、休み明けの平日になります。
でも今回の私のように年末調整での申請漏れで、還付される(お金が戻ってくる)のが間違いないような場合。
そんなときには、源泉徴収票が手元に届いたら、すぐに手続きをすることができます。
なので確定申告の開始時期となってる2月16日を待つ必要はないんですね。
ちなみに源泉徴収票は、発行期限が1月末までとなっているので、年末調整を提出した後の12月くらいから、翌年の1月くらいには会社から渡されると思います。
それまでに源泉徴収票以外に必要なもの(保険控除証明書、障害者手帳とか)をちゃんと準備しておきましょうね。
確定申告は最寄りの税務署または、確定申告の受付期間中は指定の確定申告会場に行って手続きをします。
自分がどこの税務署に行ったらいいのかわからない時は「国税庁のホームページ」から、自分の市町村の地図をクリックすれば簡単に調べることができちゃうので、確認しておきましょうね。
私の住んでる地域は、確定申告期間中は税務署じゃなく商工会館が確定申告の申請受付会場になっているので、最寄りの税務署で確認してみるといいですよ。
確定申告もはじめてのときは、誰もが『自分には確定申告の書類作成なんて無理』って思っちゃいます。
でも最初は難しそうって思ってても、実際にやってみると『以外と簡単だった』なんてことってありませんか?
確定申告をする場合って、申請用紙に必要事項を書いて必要書類を添えて提出します。
でも「書き方がわからない!」ってときには、必要書類を持って税務署とかの確定申告会場に行きましょう。
事情を説明すると、とっても親切に教えてくれますよ。
私が実際に確定申告を初めてしたときもそうで、最初は『難しそうだなぁ~自分にできるんやろうか?』って思ってました。
でも実際にやってみたら、拍子抜けするくらいに、簡単にあっさりとできちゃいました。
その時は、医療費控除での確定申告しに行ったんだけど『大量の病院とか薬局の領収書』を持って行って、何をどうしたらいいのかわからずにいました。
そんな兄もわからない私にも、担当者の人が嫌な顔ひとつせずとってもわかりやすく教えてくれて、無事手続きをすることができました。
初めて確定申告に行く前は、わからないことだらけで
- とっても厳しい人から、細かなことを1つ1つ指摘されまくるんじゃない?
- 私みたいに何もわからないような奴が行ったら、こんなのじゃダメですって軽くあしらわれちゃって門前払いになるんじゃ?
でも実際にうやってみると、そんな怖い人は一人もいなくて、まさに『案ずるより産むがやすし』でした。
※『案ずるより産むがやすし』っていうのは、『物事は、実際に行なってみると、事前に心配していたほど難しくはないですよ』っていう意味です。
そんな人には、『確定申告の書類を郵送して申請』っていう方法もあるんですね。
「国税庁の確定申告書等作成コーナー」で、確定申告に必要な書類とか申請方法を詳しく教えてくれていて、手順に従って必要項目を入力すれば、自宅のプリンターで確定申告の必要書類が作成できちゃうので、とっても便利です。
ここで作った確定申告の書類と、申請に必要な証明書、返信用の切手を封筒に入れてポストに投函すれば、申請完了です。
わざわざ税務署に行く必要もないので、いまいち税務署には行きたく足が向かないっていう人や、税務署まで遠いからって人も、これなら大丈夫ですよね。
私も最近では、このサイトを使って書類を準備して郵送するっていう方法で、医療費控除などの確定申告をしています。
また、後から控除申請が漏れてて税金を払いすぎていることに気が付いたときには、払いすぎた税金の還付申請っていう形になります。
この場合には確定申告の期限は関係なくって、税金を納めた翌年の1月1日から5年間が還付申請の受付期間になっているので、「去年とか一昨年の分だからって、知らずに諦めちゃう」なんてことはないようにしましょうね。
年末調整で障害者控除を書き忘れたときのまとめ
いつもはちゃんと書いてる年末調整。
でも、ちょっとした書き漏れとかタイミングで年末調整で控除申請から漏れちゃうと、本来は控除されて減額されるはずの所得税とか住民税を払わなきゃいけなくなります。
書き忘れに気が付いた時、最初は『やっべー』って相当焦ったけど、調べるとちゃんと方法はあるんですよね。
でもまぁ、何よりも『年末調整』は私のようにギリギリになって書かずに、少し余裕をもって申請漏れのチェックをしてから提出するのが一番ですけどね。
あと障害者控除を書くと、どうしても障害者手帳を持ってることが会社にわかってしまいます。
中には会社に自分が障害者だってことや、家族に障害者がいることを知られたくない人もいますよね。
そんな時、どうしたらいいかについてを『障害者控除で会社にばれない劇的な方法!年末調整はスルーすべし!』に詳しく書いてるので、参考にされてみてくださいね。