抑うつ症状で病院に行ったら「うつ病」と言われた。
ゆっくりと休んで治療したので最近、調子が良くなってきた!
「活動的になった!」
「何だか楽しい!」
「おしゃべりもはずむ!」
「買いたい服も買った!」
って喜んでいたら…ある日「双極性障害」って言われた。
そんな疑問を持っているあなたに。うつ病から双極性障害へと診断が変わってしまったとき、どうすればいいのかをお伝えしていきたいと思います。
双極性障害は気づきにくい?抑うつ症状もある双極性障害
うつ病の基本症状である「抑うつ症状」。要は「気分が落ち込んでしまう状態が続くこと」です。
でも、ちょっと待ってください!この抑うつ状態はうつ病だけでなく、ほかの病気の症状として現れることもあるんですね。
その代表的なものが「双極性障害」です。
うつ病だと最初思われていた人の、およそ「10人に1人」が、最終的に双極性障害と診断されているんです。
うつ病から調子がよくなったら要注意
「自分はうつ病なんだ」と思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害は
この2つの状態をくりかえす障害です。
躁状態になると
といったことがみられます。
うつ病だけの治療では双極性障害の症状は悪化する
躁状態ではとても気分がよいので、本人には病気の自覚がありません。そのため、うつ状態では病院に行くのですが、躁のときには治療を受けないことがよくあるんですね。
しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまいます。
本人だけでなく、家族や周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づいてあげることが大切です。
双極性障害とうまくつきあう
双極性障害は治りにくく、治っても再発しやすいのが特徴です。
つまり一生付き合っていく病気なのです。
その上で大事なのは、
これらのことが、とっても大切になってくるんです。
自分が双極性障害だということを受け入れることの大切さ
特に大事なのは、「自分が双極性障害であることを受け入れる」ということです。
目に見える病気ではないため、自分で病気のことを受け入れることが、非常に難しいと思います。
うつ病でもよくある話ですが、うつ状態(うつ病エピソード)に入ると、「今の状態は病気のせいではなく、自分の努力が足りないせい」と自責してしまう強い傾向があるように思います。
それは、双極性障害を持つ人の立場になって少し考えてみれば、すぐに理解できることです。
逆に躁状態(躁病エピソード)に入ると、心も体も軽く、調子がとても良く感じられるので「自分は病気ではない」と考えてしまいます。「こんなに調子がいいのに、病気のはずがない」と。
自分が今「躁状態」であることにすら、気づいていないケースの方が多いのです。
うつ状態は自覚しやすいですが、躁状態はなかなか自覚できないのです。こうした認識を持つことが、まず第一歩です。
双極性障害と言われたときどうすればいい?
うつ病だと思っていたのが、ある日突然、先生から「あなたはうつ病じゃなく、双極性障害です」と言われたとき。どのようにすればいいのでしょうか?
双極性障害を治療していく上でのポイントについて、ご紹介していきたいと思います。
生活のリズムを整える
毎日の暮らしの中で、ストレスを上手に避けたり、生活のリズムを整えたりすることが大切です。生活リズムが乱れると、再発の引き金になったり、症状を悪化させたりすることがあるので気をつけましょう。
中でも大切なのが「睡眠のリズム」です。
徹夜は不眠を招き、「躁」状態を招く原因になるので絶対に避けましょう。
処方された薬を必ず飲む
双極性障害の治療において、薬物療法も忘れてはいけません。
薬として処方されるものには
この2つが第一選択となりますが、患者さんによって効く薬が異なるので、他にも多くの種類の薬があります。
気分や意欲が周期的に変化し、高い再発率で知られる「双極性障害」の患者さんが、安定した生活を送るためには、薬物療法で症状をコントロールしながら、再発予防に努めることが双極性障害を治療するうえでのポイントです。
うつ病じゃないと言われたときのまとめ
双極性障害は、その症状がわかりにくくて、本人に自覚がない場合も多く、他の疾患と間違えやすい障害です。
ですが、双極性障害は今まで築いてきた社会生活や、時には命にまで関わる重大な病気です。
現在、薬物治療に加え、双極性障害とうまく付き合っていく方法は確かに存在し、世の中には双極性障害でありながらも、上手く社会生活を送っている人がいるのも事実です。
本人だけではなく、家族など周囲も一緒になって病気の性質についてよく理解することで、双極性障害とうまく付き合い、予兆を感じたらすぐに担当医に相談することが大切です。
気分の波をうまくコントロールし、再発のリスクを抑えながら毎日楽しい生活を送れるように。そのためにも、本人も周囲も、互いを思いやりながら治療を進めていけるといいですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。