健康診断の検便で「出ない…」と焦った経験、ありませんか？
特に女性の方に多いのが、普段から便秘に悩んでいて検便のタイミングにうまく出せなくて困ってしまうというパターンです。
忙しい朝に限って便意がこなかったり、いざ検便キットを手にしたときに限ってお腹がスッキリしなかったりと、なかなかタイミングよく排便できないこともありますよね。
そんなとき、「便秘薬を飲んででも出したほうがいいのかな？」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、実際に下剤を使ってしまっても検査に影響しないのか、副作用はないのか、少し不安になってしまう気持ちもよくわかります。
この記事では、検便前に便秘薬を飲んでも大丈夫かどうかという疑問にお答えしながら、できるだけ体に負担をかけず、自然に便を出すための方法をいろいろな角度からわかりやすく紹介していきます。
正しい知識をもとに、自分の体調や生活リズムに合わせた対策をして、無理なくスムーズに検便に臨めるよう一緒に考えていきましょう。
検便前に便秘薬を飲んでも大丈夫？
下剤の使用は「最終手段」と考えるべき理由
どうしても出ないとき、つい頼りたくなる便秘薬。
特に検便の提出期限が近づいていたり、健康診断の予定が迫っていたりすると、「このままじゃ提出できない…」と焦ってしまいがちです。
でも、そんなときこそ落ち着いて対処することが大切です。
便秘薬を使うと確かに便は出やすくなりますが、急激な刺激で腸が活発になりすぎてしまい、大量の便が一気に排出されることもあります。
これは体にとってはかなりの負担になりますし、お腹が痛くなってしまうことも。
さらに強い下剤の場合は、腸の粘膜を刺激しすぎてしまうことで、体を傷つけてしまう可能性もあるんです。
便に血が混じると再検査になる可能性も
強い下剤を使ったあとに排出された便の中に、目に見えない程度でも血が混じってしまうと、検査で「陽性」と判定されることがあります。
そうなると、精密検査が必要と判断され、内視鏡検査を受けることに。
おしりからカメラを入れる検査なので、準備も大変ですし、精神的な負担も大きくなりますよね。
また、誤って陽性判定が出た場合、時間もお金もかかるだけでなく、検査結果に対して不安になってしまうこともあると思います。
だからこそ、リスクをできるだけ減らすためにも、下剤の使用は最後の手段と考えるのが安心です。
できれば自然な排便を目指すのがベスト
体に優しく、そして検査結果を正しく反映させるためにも、自然なかたちで便を出すのが理想です。
お腹や腰を温めたり、マッサージを取り入れて腸の動きを促したりと、体の外側からアプローチする方法も意外と効果的なんですよ。
それに加えて、水分をこまめにとったり、食物繊維の多い食事を心がけることで、腸内環境も徐々に整ってきます。
すぐに効果が出ないこともありますが、継続することでスムーズな排便ができるようになるケースも多いので、ぜひ試してみてくださいね。
どうしても出ないときの対処法とは？
病院や診療所に相談すれば提出日を延ばせることも
「どうしても出ない！」というときは、焦って無理に出そうとするよりも、まずは落ち着いて行動することが大切です。
そういうときこそ、提出先である病院や診療所に一度相談してみるのがおすすめです。
多くの場合、状況を説明すれば無理にその日に出す必要はなく、柔軟に対応してもらえることが多いんですよ。
実は、検便の提出には1週間ほどの猶予が設けられていることもあります。
特に個人検診や会社の健康診断では、検体を提出するまでに多少の時間的余裕があることがほとんどです。
提出が遅れそうでも、事前に連絡を入れておけば、快く延長を認めてくれるケースが多いので、無理をせず相談してみましょう。
1週間程度の猶予をもらえるケースが多い
この1週間のあいだに、腸内環境を少しずつ整えておけば、体に無理な負担をかけずに自然な排便ができるようになるかもしれません。
急に全部を改善するのは難しくても、水分を意識的にとったり、ヨーグルトや納豆など発酵食品を取り入れたり、できることから少しずつ始めてみるといいでしょう。
また、毎日決まった時間にトイレに座る習慣をつけたり、朝食をきちんと摂って腸を目覚めさせたりと、生活のリズムを整えることも大切です。
諦めずに小さなことからコツコツ取り入れることで、少しずつ便意が訪れやすくなってきますよ。
便秘を改善するおすすめの方法
納豆菌などで腸内環境を整えるのが効果的
腸内環境を整えるには、発酵食品を日常的に摂ることがとても効果的です。
発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌など、腸内で良い働きをする善玉菌が多く含まれていて、それらが腸の動きを活性化してくれるんですね。
なかでも、日本古来の発酵食品である納豆に含まれる「納豆菌」は、特に注目したい存在です。
納豆菌のいいところは、摂取した菌そのものが腸内で善玉菌を直接増やしてくれるだけでなく、自分の体内にすでに住んでいる腸内細菌を活性化してくれるという点です。
これは“定着性”という観点でも非常に優れていて、腸に届きやすい菌とも言われているんです。
ですので、毎日の食事の中に納豆を取り入れるだけでも、便通が改善されやすくなる可能性がありますよ。
ご飯にのせたり、ネバネバ食材と一緒に和えるなど、工夫しながら取り入れてみてくださいね。
ヨーグルトが効かない人は「菌の相性」に注目
「毎日ヨーグルトを食べてるのに、全然お腹の調子が良くならない…」という人も、実は意外と多いんです。
これは決して体質がおかしいわけではなく、単に摂取している乳酸菌と自分の腸内に元々いる菌との“相性”が良くないだけという場合も多いんです。
乳酸菌にはいろいろな種類があり、どの菌が自分の腸に合うかは人によってかなり差があります。
ですので、「このヨーグルトが合わないな」と思ったら、ほかの銘柄や種類を試してみるのもおすすめです。
また、乳酸菌だけに頼るのではなく、“腸内細菌を育てる”という視点で“プレバイオティクス”も取り入れてみるとより効果が実感しやすくなります。
プレバイオティクスとは、オリゴ糖や食物繊維など、腸内の善玉菌のエサになるような成分のこと。
これらを意識的に摂ることで、自分の腸の中にすでにある善玉菌を増やして、より良い腸内環境を保つ手助けができますよ。
マッサージで腸を刺激して自然に出す！
お腹をやさしく円を描くようにマッサージ
便秘のときには、お腹に手を当てて時計回りに優しく「の」の字を描くようにマッサージしてみましょう。
これは、腸の動きを外からやさしく促す効果が期待できるんです。
お腹全体をゆっくりと撫でることで、リラックス効果も高まり、自律神経が整って自然な便意が起こりやすくなりますよ。
マッサージは朝起きた直後や、お風呂上がりなど体が温まっているタイミングで行うのがより効果的です。
力を入れすぎずに、深呼吸をしながらリラックスした気持ちで行ってみてくださいね。
S字結腸をピンポイントで刺激して便意を促す
仰向けに寝た状態で、おへそから左下あたりにある「S字結腸」を優しく押してみましょう。
S字結腸は便が滞りやすい場所なので、ここをピンポイントで刺激してあげると、たまっていた便が動き出すきっかけになることがあります。
マッサージは20回ずつを目安に軽く押しながら、少しずつ場所をずらして刺激を与えるのがコツです。
お腹が冷えていると腸の動きも鈍くなりがちなので、あらかじめホットタオルなどで温めてから行うのもおすすめですよ。
腰を温めるマッサージもおすすめ
腰のあたりを温めることも、腸の血流を促すのにとても効果的です。
手のひら全体を使って、腰を上下にやさしくさすってみましょう。
特に下着のゴムあたりから背中にかけての部分を中心にマッサージしてあげると、腰まわりがじんわりと温まり、腸の働きも活発になってきます。
さらに、カイロや湯たんぽを使って温めるのも効果的です。
腰がぽかぽかしてくると、自然とお腹も緩みやすくなり、便意が起こりやすくなりますよ。
即効性を期待するならこの方法も
温かい牛乳＋はちみつのドリンクが腸に効く
牛乳には、乳糖による軽い下剤作用があります。
特に牛乳に含まれる「ラクトース」という成分が腸に届くと、腸の中の水分量が増えて、便が柔らかくなりやすくなると言われています。
また、乳糖が発酵してできる酸が腸のぜん動運動を活発にしてくれるため、便通を促すサポートになることもあるんです。
さらに、そこにはちみつを加えることで、効果がより高まると言われています。
はちみつにはオリゴ糖が豊富に含まれており、このオリゴ糖が腸内の善玉菌のエサになって、腸内環境を整えてくれるんですね。
つまり、牛乳の乳糖と、はちみつのオリゴ糖という“ダブル効果”で腸にやさしく働きかけてくれるんです。
飲むタイミングとしては、朝起きたときや寝る前がオススメです。
とくに寝る前に飲むと、夜の間に腸がじんわり刺激されて、朝に便意が訪れやすくなることも。
ただし、冷たい牛乳はお腹を冷やす原因になるので、できれば人肌くらいに温めてから飲むようにしましょう。
また、飲みすぎると逆にお腹を下してしまう可能性もあるので、コップ1杯程度にとどめて様子を見てみてくださいね。
ラジオ体操や軽い散歩で腸を動かす
軽い運動も、腸の動きを活発にするためにはとても効果的です。
激しい運動でなくても構いません。
たとえば、朝のラジオ体操第一をしっかり行うだけでも、全身の筋肉が刺激されて血流が良くなり、自然と腸のぜん動運動も促されるんです。
また、10分から15分程度のウォーキングでも、骨盤まわりがよく動くことで腸が刺激されて、便意につながりやすくなります。
運動は朝食前の時間帯に取り入れるのが理想的です。
朝の太陽の光を浴びながら体を動かすと、体内時計が整い、自律神経のバランスも整いやすくなります。
これによって腸の活動もスムーズになってくるので、毎日のちょっとした習慣として取り入れてみるといいでしょう。
まとめ｜便秘薬を使う前にできることを試そう
下剤に頼る前に自然排便の工夫を
検便のために便秘薬を使うのは、できるだけ避けたいところです。
なぜなら、薬に頼ると腸が本来の動きを忘れてしまい、さらに便秘が悪化するおそれもあるからです。
まずは、腸を温めたりマッサージをしたりして、リラックスしながら自然に出す工夫をしてみましょう。
腸を刺激することで、体に無理なく便意を促すことができるんですよ。
どうしても無理なら医療機関へ相談しよう
それでもまったく出ないときは、無理をせずに医療機関に相談してみるのが一番です。
長引く便秘は、放っておくとお腹の張りや不調につながることもありますし、自力で解決しようと無理に出そうとすると、かえって体を傷つけてしまうこともあります。
病院では、状況に応じたアドバイスや処置をしてくれるので安心ですよ。
体に優しく、正しく検査を受けられるように、無理せず、自分に合った対処法を少しずつ取り入れていきましょう！