社会人として寝坊で会社に遅刻するのを繰り返すのは厳禁!ということが分かっていても。
寝坊による遅刻を繰り返した場合、会社をクビになるのでしょうか?
また、どうしたら朝スッキリ起きられるようになるのか?
今回は、試してみるべき改善策を5つご紹介していきたいと思います。
もしかするとズボラな性格なのではなく、病気が潜んでいる可能性もあります。
当てはまるという方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
遅刻が多いからとクビになった例はある?いきなり「明日からこなくていい」なんてありえるの?
実際に遅刻が多いからとクビになった例は、日本にあります。
クビになった事例「東京海上火災保険事件」
平成12年7月28日に裁判所でクビが認められた事例は、
- 通勤時のケガや病気などが理由で「4ヶ月間」「5ヶ月間」「6ヶ月間」「1年間」の4回にわたり長期欠勤した
- 約5年5ヶ月のうち約2年4か月欠勤した
- 2年間の出社日数のうち約4割が遅刻した
一方で、寝坊で遅刻をしてもクビにならなかった事例もあります。
クビにならなかった事例「高知放送事件」
昭和52年1月31日に裁判所でクビにならなかった事例で、
- アナウンサーは2週間の間に2度寝過ごした
- ラジオ放送が10分間/5分間中断となった
- アナウンサーに悪意はなく故意的なものではなかった
- 朝起こす担当になっていた人も2度寝過ごしている
つまり、寝坊など遅刻が続いていた場合でもその背景にある原因や理由によっては、クビになるとは限らないということです。
「明日からこなくていい」なんてありえるの?
よくテレビドラマなどで「明日からこなくていい」というセリフを聞きますが。
実際に日本で「明日からこなくていい」と言って従業員を退職させるのは「不当解雇」にあたります。
「不当解雇」とは、労働基準法などの法律や会社の就業規則を守らず、会社都合で一方的に従業員をクビにすることを言います。
本来、会社が従業員を解雇するには、
- 客観的かつ合理的な理由
- 社会通念上相当な方法であること
実は、「客観的かつ合理的な理由」に「遅刻が多い」という理由は該当しないんです。
また、会社が従業員をクビする場合、労働基準法第20条に従ってクビにしたい30日以上前には「解雇予告」をしておかなければいけません。
もしも、解雇予告をせず従業員をクビにした場合、「解雇予告手当」と言う残日数に合わせた賃金を支払う義務があります。(労働基準法第20条2項)
参考URL:労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)
遅刻でクビになりそうなときに従業員がするべきこと
会社側は従業員クビにする場合、法律に従い「解雇予告」する必要があるとお伝えしました。
では、従業員側は、遅刻でクビにされそうな時どうしたら良いかを解説していきますね。
遅刻でクビにされそうなとき①遅刻が分かったら早めに連絡をする
まず、遅刻をすると分かった時点で会社に連絡を入れましょう。
連絡をする時は、到着時間やどうしても到着までにやらなければいけない仕事があれば伝えましょう。
無断の遅刻は、クビになる恐れが高くなりますよ。
遅刻でクビにされそうなとき②遅刻の原因を正直に伝える
遅刻するには何らかの理由があります。
「寝坊」は、遅刻をして良い理由にはなりませんが、嘘をついてはいけません
また、
- 電車の遅延
- 高齢者や障がい者のサポート
- 子どもの保育園への送迎
- 家族の看病
理由のある遅刻であれば、会社に非難される必要はありません。
遅刻でクビにされそうなとき③風邪なら「診断書」うつ病や適応障害なら「労災保険」
「風邪」や「うつ病」「適応障害」など、病気が原因で遅刻してしまう場合もあります。
遅刻が風邪などの病気なら病院を受診して、医師の診断を受けてから診断書を入手し、会社に提出しましょう。
そして、会社関連が原因で起きた「うつ病」や「適応障害」の場合、遅刻は正当な理由と見なされ、労災保険の給付を受けることができます。
さらに、療養中と以後30日は、解雇は禁止されているので、安心して体と心を休ませることができます。
遅刻でクビにされそうなとき④反省と謝罪をする
正当な理由のない遅刻であれば、きちんと会社に反省と謝罪を伝えましょう。
仕事上での過失やミス・規定違反行為を明らかにして謝罪する「始末書」を書かされる場合もあります。
反省と謝罪をきちんとしておかなければ、すぐにクビとまではいかないにしても信頼を失い仕事を与えてもらえなくなるでしょう。
遅刻でクビにされそうなとき⑤退職勧奨に応えない
遅刻をした後ろめたさはあるかもしれませんが、会社を辞めたくない場合、会社の退職勧奨に応える必要はありません。
そもそも退職勧奨は、会社が一方的に労働者へ退職するように勧めるものです。
労働者自身が退職するつもりが無ければ応える必要などないのです。
もし「退職合意書」などの退職を承諾するような書類の記入を強要されたら拒否しましょう。
それでも退職に追い込もうとするのであれば、早めに弁護士へ相談し、会社と争うのも一つですよ。
寝坊が治らないときに試して欲しい改善策!それでもダメなら病院でしてもらうべき?
会社を「遅刻」する。
と一言に言っても原因は様々です。
ここでは、遅刻の原因が「寝坊」という場合に絞って、改善策を5つ紹介していきたいと思います。
寝坊が治らないときの改善策①モーニングコールをしてもらう
自分の力では起きられない人は、誰かにモーニングコールをお願いしておきましょう。
挨拶も兼ねて少し会話をすると脳が活性化されて、スムーズに起きることができますよ。
しかも今の時代には、モーニングコールをお願いできるサイトがあります。
1回50円、1ヶ月1,500円~なので、どうしても朝、起きられない人は要チェックですよ。
他にもスマホアプリにもモーニングコールアプリがあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
寝坊が治らないときの改善策②爆音目覚まし時計
Amazonやドン・キホーテでは、爆音の目覚まし時計が販売されています。
そんな爆音目覚まし時計を枕元ではなく、歩かなければ届かない場所にセットしておくことで、朝目覚ましを止めに歩くので目覚める可能性が高くなります。
寝坊が治らないときの改善策③目覚まし時計を何個もセットする
スマホの目覚まし時計一つで起きられない人は、もう一つ目覚まし時計を追加し、それでもダメならさらにもう一つ目覚まし時計追加しましょう。
目覚まし時計を何個もセットする時も爆音目覚まし時計と同じように起き上がらないと消せない場所に目覚まし時計をセットしておきましょう。
寝坊が治らないときの改善策④夜ご飯を少なめにする
夜ご飯を少なめにしておくことで、朝、空腹で目が覚めて、ご飯をしっかり食べる習慣が身に付きます。
また、夜ご飯をしっかり食べることは胃の中に食材が残り、睡眠の質を下げてしまうことも明らかになっています。
寝坊が治らないときの改善策⑤自動起床装置付きのベッドに変える
起床時間になると体部分が自然と起き上がる「自動起床装置付きベッド」に変えるのも一つです。
消防士さんや駅員さんも使用しているくらいなので、寝起きはバッチリなのではないでしょうか。
寝坊の原因は病気が潜んでいる可能性も
ただ、モーニングコールをしてもらっても、目覚まし時計を増やしても、寝坊を繰り返す場合、体に自律神経や心に関わる病気が潜んでいる可能性があります。
寝坊の原因になる可能性がある病気①起立性調節障害
自律神経の乱れによる病気で、
- 立ちくらみ
- めまい
- 頭痛
- 動悸
- 水分不足
- 運動不足
- ストレス
- 生活習慣の乱れ
また、体調不良は午前中に強く表れ午後には弱まる特徴もあります。
午後には元気になるため一見さぼり癖のように見られますが、れっきとした病気なので、症状が当てはまる方は早めに病院を受診してみてくださいね。
寝坊の原因になる可能性がある病気②睡眠障害
ストレスや生活習慣の乱れ・病気・薬など様々な要因で、
- 寝つけない
- 何度も目が覚める
- 朝早くに目が覚める
- 眠気が出て日中の生活に支障が出る
- 疲れやすい
- 思考力が低下する
- 集中力が低下する
- ストレスを溜めやすい人
- 環境に変化があった人
- 昼夜逆転の生活をしている人
- ホルモンバランスが崩れやすい人
寝坊の原因になる可能性がある病気③うつ病
10時間以上寝ても寝たりないと感じている人は「うつ病」の可能性があります。
一言に「うつ病」と言っても過眠状態に陥るうつ病は、「非定型うつ病」と呼ばれる元気な時もあれば元気がない時もある「うつ病」です。
寝すぎることで朝、起きられないことが続き、体内時計が狂い、もっともっと朝に起きられなくなるのです。
うつ病は、子どもの頃から聞き訳が良くて、真面目で他人の顔色をうかがえる人が発症やすい病気です。
体と心の不調が続いて、朝起きられないと感じる人や症状が1ヶ月以上続いている人は、早めに病院を受診しましょう。
「起立性調節障害」「睡眠障害」「うつ病」の可能性がある人は、心療内科や精神科がおススメです。
心療内科や精神科は、恥ずかしい病院ではありません。
風邪の人が内科に行くのと同じことです。
早めに治療を始めることで、自分も家族もそして会社の人の役に立ちます。
ためらわず、まずは一歩を踏み出してみましょう。
寝坊による遅刻を繰り返すと…のまとめ
寝坊で遅刻を繰り返す場合、会社はクビになるのか?は、「クビにはならない」可能性が高いということが分かりました。
「遅刻」は、会社が従業員をクビにする条件の「客観的かつ合理的な理由」に該当しません。
ただし、寝坊による遅刻を繰り返すことは、社会人としての信頼を失い、仕事を与えてもらえなくなる恐れが高い行為です。
すぐにでも生活習慣や生活環境を見直す必要はあるでしょう。
ただし、寝坊で遅刻する背景には「起立性調節障害」「睡眠障害」「うつ病」などの自律神経や心の病気の性可能性あります。
朝どうしても起きられない時や体と心の不調が続く時は、ためらわずに病院を受診してみてくださいね。