
妊娠初期に便秘がひどくなって、トイレで便を出そうとお腹に力を入れるたびに「今いきんだけど、赤ちゃんは大丈夫かな?」って気になってしまいますよね。
妊娠前はこんなに便が出にくくなかったのに、急に硬くてなかなか出ない。
それでもつい力んでしまって、毎回ひやひや…(あの、出そうで出ないときの何とも言えない時間、ほんとつらいですよね)。
先に、いちばん気になっているところからお伝えします。
大きなトラブルなく順調に経過している妊娠であれば、便を出すためにトイレでいきむこと自体が、すぐに流産や早産につながるとは考えにくいとされています。
妊娠初期に便秘になりやすいのは、妊娠で増えるホルモンの働きで腸の動きがゆっくりになるためで、あなたの過ごし方が悪いせいではありません。
そして、強くいきまなくても便を出しやすくする工夫はちゃんとあります。
この記事を読み終わるころには、「なんだ、そんなに怖がらなくてよかったんだ」と肩の力が抜けて、今日からできることが見えているはずです。
この記事でわかること
- 妊娠初期の便秘でいきむことと赤ちゃんへの影響の考え方
- 妊娠初期に便秘になりやすくなる理由
- 強くいきまずに便を出すための具体的な7つの工夫
- 痔やお腹の張りへの注意と産婦人科に相談する目安
妊娠初期の便秘でいきんでも赤ちゃんにすぐ影響するとは考えにくい
まずは、いちばん不安に思っている「いきんで大丈夫なの?」というところに、正面からお答えしていきます。
ここがはっきりすると、このあとの便秘対策の話もずっと気楽に読めるようになりますよ。
正常な妊娠経過なら排便のいきみで赤ちゃんが出ることは考えにくい
赤ちゃんは子宮という袋のなかにいて、子宮の出口はぎゅっと閉じています。
便を出すときにお腹へかかる力と、赤ちゃんがいる場所はまた別、とイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
だから、大きなトラブルなく順調に経過している妊婦さんであれば、トイレでいきんだくらいで赤ちゃんが出てきてしまったり、破水したりすることは考えにくいとされています。
便秘そのものについても、便秘だからといって赤ちゃんの成長に悪い影響が出ることは少ないと言われています。
ですので、「さっきいきんじゃったけど大丈夫だったかな」と一回ごとに思いつめなくても大丈夫。
まずはここで、ふっと息をついてくださいね(毎回ドキドキしながらトイレに行くの、地味に疲れますもんね)。
もう少しだけ補足すると、排便のときにかかるのは「お腹の外側を内向きに押す力」です。
一方で赤ちゃんを守っている子宮の出口は、妊娠を続けるあいだしっかり閉じた状態に保たれています。
この出口は、出産が近づいて体の準備が整って初めて、少しずつ開いていくしくみになっています。
だから、便を出すための一時的な力みと、赤ちゃんが出てくることとは、別のできごとと考えてよいとされているんですね。
そう聞くと、「なるほど、そういう仕組みなら少し安心かも」と思えてきませんか。
強く長くいきみ続けるのだけは避けると安心できる
とはいえ、「じゃあ思いっきりいきんでOK」というわけでもありません。
気をつけたいのは、出ないからといって何分も顔を真っ赤にして強くいきみ続けることです。
長く強くいきむと、お腹が張りやすくなったり、あとでお話しする痔の原因になったりすることがあります。
目安としては、少しいきんでみて出そうになければ、いったん切り上げる。
出そうな感覚があるときに、軽くお腹に力を添えるくらいにとどめる。
この「ほどほど」が、体にやさしい付き合い方です。
便を出しやすくしておけば、そもそも強くいきむ必要がなくなっていくので、後半でその工夫をたっぷりお伝えしますね。
「どのくらいまでなら平気か」を数字ではっきり線引きするのは、実はとても難しいことです。
体の状態や妊娠の経過は人それぞれだからです。
だからこそ覚えておいてほしいのは、強くいきまないと出ないのは、便が硬くなりすぎているサインだということ。
力の入れ方そのものを気にするより、便をやわらかく保って、軽い力でするっと出せる状態にしておくほうが、ずっと体にやさしいんです。
長いあいだトイレにこもって、出ないのに粘り続けるのもおすすめしません。
いったん立って、また便意が来たときに行く。
それくらいの気持ちでいきましょう。
いきむときのちょっとしたコツとして、息を止めてぐっと力むより、軽く息を吐きながらお腹の力をそっと下に向けるほうが、体への負担が少ないとされています。
歯を食いしばって全身に力を入れるのではなく、肩の力は抜いたまま、下腹だけにやさしく意識を向けるイメージですね。
深呼吸をひとつしてから、ふぅっと息を吐きながら。
たったこれだけでも、顔を真っ赤にして力みっぱなしになるのを防げます(気づくと肩までガチガチ、ってありますもんね)。
切迫流産や安静の指示があるときは医師の指示を最優先にする
ここだけは、はっきりお伝えしておきたいことがあります。
もし産婦人科で切迫流産や切迫早産と言われていたり、お腹の張りや出血があって安静の指示が出ていたりする場合は、話が変わります。
そのときは強くいきむことを避けたほうがよいとされているので、自己判断せず、必ず主治医の指示を最優先にしてください。
この記事でお伝えしている「いきんでも大丈夫」という話は、あくまで大きなトラブルなく順調に経過している場合のお話です。
あなたの体の状態をいちばん分かっているのは、診てくれているお医者さんです。
便秘がつらいことも、いきむのが怖いことも、健診のときに正直に伝えて大丈夫。
気になることがあれば、遠慮なく聞いてみてくださいね。
私も最初の妊娠のとき、便が硬くて出なくて、いきむたびに「今ので何かあったらどうしよう」とビクビクしていました。
でも健診で先生に思いきって聞いたら「普通に経過していれば、トイレでいきんだくらいで赤ちゃんは出てこないから大丈夫よ」と言われて、その一言で本当にほっとしたのを覚えています。
妊娠初期に便秘が増えるのはホルモンの働きが大きい
「妊娠前はむしろお通じが良かったのに、どうして急に?」と不思議に思いますよね。
ここでは、妊娠初期に便秘になりやすくなる理由を整理します。
原因が分かると、このあとの対策にも納得感が出てきますよ。
黄体ホルモンが腸の動きをゆっくりにする
妊娠すると、赤ちゃんを育てる準備のために「黄体ホルモン(プロゲステロン)」という女性ホルモンがぐっと増えます。
このホルモンは妊娠を安定させる大切な働きをしてくれる一方で、腸が便を押し出す動き(ぜん動運動)をゆっくりにするという作用もあるんです。
腸の動きがゆっくりになると、便が腸のなかに長くとどまります。
すると、その間にどんどん水分が吸い取られて、便が硬くコロコロになり、出にくくなってしまうというわけです。
つまり、あなたの食生活や努力が足りないわけではなく、体が妊娠モードに切り替わったことで自然に起きやすくなっている変化なんですね(自分のせいじゃないと分かるだけで、ちょっと気がラクになりませんか)。
この黄体ホルモンは、体に水分をためこもうとする働きもあるとされています。
体が水分を抱えこむと、その分、大腸では便から水分を多めに吸収しようとするため、これも便が硬くなる方向に働きます。
妊娠初期に「前はスルッと出ていたのに、急にコロコロの硬い便になった」と感じる人が多いのは、こうしたホルモンの働きが背景にあると考えられています。
だから、便が硬いのは「あなたの体がさぼっているから」ではなく、「赤ちゃんを守るための体の変化の、いわば副産物」。
そう思うと、自分を責めずにすみますよね。
つわりで水分や食事の量が減ることも重なる
妊娠初期は、ちょうどつわりの時期と重なる人も多いですよね。
気持ち悪くて食べられない、水を飲むのもしんどい、食べられるものが偏る。
こうなると、便のもとになる食べ物の量や、便をやわらかく保つための水分、お通じを助ける食物繊維がどうしても不足しがちになります。
そこに、さきほどの「腸の動きがゆっくりになる」が重なるので、便秘になりやすさが二重、三重になってしまうんです。
だから妊娠初期の便秘は、いくつもの原因が一度に重なって起きている、と考えると腑に落ちます。
つわりがつらい時期は、無理に整えようとしなくて大丈夫。
食べられるもの、飲めるものを少しずつで構いません。
体を動かす機会の減少やストレスも影響する
体調がすぐれなかったり、お腹の赤ちゃんを気づかってあまり動かなくなったりすると、運動量が減ります。
体を動かすことは腸への刺激にもなっているので、動く機会が減ると腸の動きもおとなしくなりがちです。
さらに、妊娠が分かったばかりの時期は、うれしさと同時に不安や緊張も大きいもの。
気持ちが落ち着かない状態が続くと、自律神経を通じて腸の働きにも影響することがあります。
ホルモン・つわり・運動不足・気持ちの緊張が、いくつも重なって起きているのが妊娠初期の便秘。
だからこそ、ひとつの方法だけでなく、できそうなことを少しずつ重ねていくのが効いてきます。
強くいきまずに便を出すための7つの工夫
ここからは、いよいよ実際の対策です。
「強くいきまなくても、自然に出やすくする」ことがゴール。
今日からできる7つの工夫を、注意点もあわせてお伝えします。
全部やろうと頑張らなくて大丈夫なので、できそうなものから一つずつ取り入れてみてくださいね。
朝起きたらコップ1杯の水か白湯で腸を目覚めさせる
朝、目が覚めたら、まずコップ1杯の水か白湯をゆっくり飲んでみてください。
空っぽの胃に水分が入ると、その刺激で腸が動き出しやすくなるとされています。
冷たい水がつらい時期は、白湯や常温のお水でOKです。
ポイントは、朝のうちにこれを習慣にすること。
腸が動いて便意が来たら、あとでお話しするように我慢せずトイレへ。
これだけで「朝のリズム」ができてきて、強くいきまずに出せる日が増えていきますよ。
一日のなかでも、こまめに水分をとることが大切です。
一気にたくさん飲むというより、コップ一杯を何回かに分けて、のどが渇く前に少しずつ。
便をやわらかく保つには、体の中の水分が足りていることが土台になります。
つわりで水を飲むのもつらいときは、白湯や麦茶、スープなど、飲めるものでかまいません。
「水分も立派な便秘対策」と思って、できる範囲で続けてみてください。
できれば、朝の水分のあとに軽くでも朝ごはんを口にできると、なお良いとされています。
胃に食べ物が入ると、それが合図になって腸が動き出しやすくなるからです。
バナナ一本、ヨーグルトひとくち、おにぎり半分でもかまいません。
そして食後にトイレに座る時間を、毎日だいたい同じくらいにとっておくと、体が少しずつ「この時間に出すんだな」とリズムを覚えてくれます。
出ても出なくても、決まった時間にトイレに座ってみる。
この習慣づけが、強くいきまずに自然と出せる体への近道になりますよ。
水溶性と不溶性の食物繊維をバランスよくとる
食物繊維には、大きく分けて2つのタイプがあります。
便をやわらかくしてくれる「水溶性食物繊維」と、便のかさを増やして腸を刺激する「不溶性食物繊維」です。
この2つをバランスよくとるのが、便秘対策のコツです。
それぞれ多く含まれる食べ物を表にまとめますね。
| 種類 | 働き | 多く含まれる食べ物 |
|---|---|---|
| 水溶性食物繊維 | 便をやわらかくする | りんご、いちご、こんぶ、わかめ、玉ねぎ |
| 不溶性食物繊維 | 便のかさを増やして腸を刺激する | 野菜、いも類、豆類、穀類 |
つわりで食べられないときは無理をしなくて大丈夫。
食べられそうなものから、少しずつ取り入れてみてください。
たとえば、朝食にバナナとヨーグルトを少し、おやつにりんごやいちご、いつものごはんにわかめのおみそ汁を一杯そえる。
これくらいの小さな工夫でも、水溶性と不溶性の両方を少しずつ取り入れることができます。
「きちんと栄養計算しなきゃ」と気負う必要はありません。
いろどりが増えると、自然といろんな食物繊維がとれているくらいの気軽さで十分です。
食べられる日に、少しだけ意識してみてくださいね。
発酵食品やオリゴ糖で腸内環境を整える
ヨーグルト、納豆、漬物、みそなどの発酵食品には、腸の調子を整えてくれる菌が含まれています。
毎日の食事に、こうした発酵食品をちょこっとプラスするのもおすすめです。
あわせて、「オリゴ糖」も腸内環境を整えるのに役立つとされています。
オリゴ糖は玉ねぎ、はちみつ、りんご、バナナなどに多く含まれています。
砂糖がわりに少し使ってみるのも手ですね。
ただし、はちみつは赤ちゃんが生まれて1歳になるまでは赤ちゃん本人には絶対に与えないものなので、その点だけ頭の片隅に置いておくと、産後に慌てずにすみますよ(今のあなたが食べる分には問題ありません)。
安静の指示がなければ軽い運動で腸を動かす
お医者さんから安静の指示が出ていなければ、軽く体を動かすのも便秘対策になります。
といっても激しい運動は必要ありません。
無理のない範囲でのウォーキングや、マタニティ向けのやさしいストレッチくらいで十分です。
体を動かすと腸への刺激になりますし、気分転換にもなって、緊張していた気持ちもほぐれます。
近所をゆっくり一周散歩する、家のなかで軽く体をのばす、それくらいでも腸はじゅうぶん動いてくれます。
ただし、体調がすぐれない日や、お腹が張る日は無理は禁物。
「今日はちょっと歩けそうかな」という日に、心地よいと感じる範囲で動いてみてください。
少しでもお腹の張りや痛みを感じたら、すぐに休んでくださいね。
便意を感じたら我慢せずトイレに行く
これ、意外と大事なポイントです。
「あとでいいや」と便意を我慢してしまうと、便はどんどん腸のなかにとどまって、さらに水分が抜けて硬くなってしまいます。
そうなると、次はもっと強くいきまないと出せなくなって、悪循環に…。
だから、便意を感じたら、できるだけ我慢せずトイレに行く。
これだけで、強くいきまずに出せるチャンスがぐっと増えます。
出かける前や外出先でも、「行けるときに行っておく」を心がけてみてください。
前傾の姿勢で座ると力まずに出しやすい
便を出しやすい座り方があるのをご存じですか。
便座に座ったときに、少し前かがみになって、かかとを軽く上げ、ひじをひざにのせるような姿勢です。
ちょうど、ロダンの「考える人」の像のようなポーズですね。
この前傾姿勢をとると、便の通り道がまっすぐになって、強くいきまなくてもするっと出やすくなるとされています。
足もとに小さな台を置いて足を少し高くするのも、同じ効果が期待できます。
お腹が大きくなる前の今のうちから慣れておくと、これからの妊娠期間もラクですよ。
私の場合は、足もとに子ども用の小さな踏み台を置いて、少し前かがみになるようにしたら、それまでより力を入れずに出せるようになりました。
たったこれだけ?と思うような工夫でしたが、いきむのが怖かった私にはいちばん効果がありました。
水分が足りないまま食物繊維だけ増やさない
最後は、やりがちな落とし穴です。
「便秘には食物繊維!」と意気込んで、不溶性食物繊維ばかりをたくさんとると、水分が足りていないと逆に便が硬くなって、かえって出しにくくなることがあります。
食物繊維を増やすときは、水分もしっかりセットでとること。
これを忘れないでください。
せっかくの対策が空回りしないよう、「食物繊維と水分はペア」と覚えておくといいですね(がんばっているのに逆効果、っていちばん切ないですもんね)。
便秘とあわせて気をつけたい痔とお腹の張り
便秘そのものの対策に加えて、知っておくと安心なのが「痔」と「お腹の張り」のことです。
どちらも妊娠中の便秘とセットで気になりやすいので、ここでやさしく整理しておきましょう。
いきみすぎは切れ痔やいぼ痔につながりやすい
強くいきみすぎることで、いちばん起こりやすいのが実は痔です。
硬い便を無理に出そうといきむと、肛門のまわりの皮膚が切れて「切れ痔」になったり、肛門周辺の血管がうっ血して「いぼ痔」になったりすることがあります。
だからこそ、これまでお伝えしてきた「便をやわらかくして、強くいきまずに出す」工夫が効いてくるんです。
痔は一度なるとなかなかつらいもの。
痔を防ぐためにも、便秘そのものをやわらげておくことが近道になります。
便秘によるお腹の張りと子宮収縮の張りの感じ方の違い
便秘でお腹が張ると、「これって赤ちゃんに関係ある張り?」と心配になりますよね。
妊娠初期に感じるお腹の張りや重さは、便秘やガスがたまったことによる膨満感であることも多いとされています。
ガスや便がたまってお腹がパンパン、というあの感じですね。
ただ、お腹の張りの感じ方は人それぞれで、自分で見分けるのは簡単ではありません。
便秘によるものか、それとも別の原因かは、なかなか自分では判断が難しいところ。
出血をともなう、休んでも続く、ズキズキと強く痛む、片側だけ激しく痛むといった張りや痛みのときは、便秘以外の原因も考えられるので、自己判断せず産婦人科に連絡してください。
「これは便秘かな、でも念のため」というくらいの気持ちで相談して大丈夫ですよ。
痔の痛みや出血があるときは産院に相談する
もし痔になってしまって、排便のときに痛みや出血があるときは、がまんせず産院に相談してください。
妊娠中でも使えるお薬(塗り薬や座薬など)を処方してもらえることがあります。
「こんなことで相談していいのかな」と遠慮してしまう人も多いのですが、痔は妊娠中によくある悩みのひとつ。
お医者さんも助産師さんも、何度も相談を受けています。
一人でつらさを抱えこまずに、頼ってくださいね。
ちなみに、痔を悪化させないためには、トイレで長く座りすぎないことや、おしりを清潔に保って冷やさないようにすることも役立つとされています。
市販の痔のお薬についても、妊娠中は自己判断で使う前に、産院で相談してから使うほうが安心です。
便秘と痔は、便をやわらかく保つという同じ対策でいっしょにラクになっていくことが多いので、まずはここまでお伝えしてきた工夫を続けてみてくださいね。
便秘がつらいときに知っておきたい受診と薬の考え方
生活の工夫を続けてもなかなか改善しないとき、「市販の便秘薬を飲んでもいいのかな」と迷いますよね。
ここでは、薬との付き合い方と、産婦人科に相談する目安をお伝えします。
ここを知っておくと、いざというときに慌てずにすみますよ。
妊娠中は刺激の強い市販薬を自分の判断で飲まない
便秘薬のなかには、腸を強く刺激して動かすタイプのものがあります。
こうした刺激の強い市販の便秘薬は、妊娠中は自己判断で飲まないほうがよいとされています。
お腹が強く動くことで、お腹の張りにつながる可能性が指摘されているためです。
「前から家にあるから」「友だちが効いたって言ってたから」と、自分の判断で手を出すのはいったんストップ。
妊娠中の便秘薬は、市販薬もサプリも含めて、まずは産婦人科で相談するのがいちばん安心です。
産婦人科では酸化マグネシウムなどが処方されることがある
では病院では何をしてくれるかというと、生活の工夫だけでは改善しないときに、便秘のお薬を処方してもらえることがあります。
妊娠中の便秘によく使われるものとして知られているのが「酸化マグネシウム」です。
これは腸を直接刺激するのではなく、便に水分を集めてやわらかくするタイプの「非刺激性」のお薬で、お腹が痛くなりにくく、クセになりにくいとされています。
体にほとんど吸収されないため、妊娠中にも比較的使いやすいお薬として、産婦人科でよく処方されるものの一つです。
とはいえ、これも自己判断ではなく、必ず医師に相談したうえで使うことが大切です。
あなたの体の状態に合わせて、お医者さんが判断してくれます。
こんなサインがあるときは早めに産婦人科に相談する
最後に、「こんなときは早めに相談を」という目安を整理しておきます。
次のようなサインがあるときは、ためらわず産婦人科に連絡してくださいね。
- 生活の工夫を続けても便秘がまったく改善しないとき
- お腹の強い張りや痛みがあるとき、出血をともなうとき
- 休んでも痛みや張りがおさまらない、片側だけ強く痛むとき
- 痔になって排便のときに痛みや出血があるとき
- 市販薬を飲んでよいか迷っているとき
心配なことを抱えたまま我慢するより、聞いてすっきりしたほうが、心も体もラクになります。
次の妊婦健診まで間があるときでも、つらいときは健診を待たずに連絡して大丈夫。
相談したいことをスマホにメモしておいて、健診のときにそのまま見せるのもおすすめですよ。
便秘って、地味だけれど毎日のことだから、続くと気持ちまでどんよりしてきますよね。
お腹が重くてすっきりしない日が続くと、なんだか気分まで落ち込んでしまう。
でも、それはあなたが弱いからでも、頑張りが足りないからでもありません。
妊娠初期の体は、それくらい大きく変化しているんです。
だからこそ、生活の工夫で抱えこまずにすむところはラクにして、それでもつらいところはお医者さんに頼る。
便秘の悩みは、ひとりで我慢する必要のないものです。
気軽に相談できる先がある、と知っておくだけでも、心がずいぶん軽くなりますよ。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。
- 大きなトラブルなく順調に経過している妊娠なら、排便のためにいきむこと自体ですぐ流産や早産につながるとは考えにくいとされています
- 便秘そのものが赤ちゃんの成長に悪い影響を与えることは少ないとされています
- ただし強く長くいきみ続けるのは、お腹の張りや痔につながりやすいので避けたほうが安心です
- 切迫流産や安静の指示があるときは、自己判断せず主治医の指示を最優先にしてください
- 妊娠初期の便秘は、黄体ホルモンの働きで腸の動きがゆっくりになることが大きな原因です
- つわりによる食事や水分の不足、運動不足、気持ちの緊張も重なって起こります
- 朝の水分と朝ごはん、食物繊維と発酵食品やオリゴ糖、軽い運動、便意を我慢しないことが便秘対策になります
- 前かがみの姿勢で座り、息を吐きながらやさしく力むと、強くいきまなくても便を出しやすくなります
- 食物繊維を増やすときは、水分もセットでとらないと逆に硬くなることがあります
- 刺激の強い市販薬は自己判断で使わず、つらいときや気になるサインがあるときは産婦人科に相談しましょう
いきむたびに不安になっていたあなたも、「順調に経過していれば、そんなに怖がらなくてよかったんだ」と分かっただけで、少し気持ちがほどけたのではないでしょうか。
便を出しやすくする工夫を少しずつ取り入れていけば、強くいきまなくても自然に出る日が増えていきます。
今日はまず、朝のコップ1杯のお水から。
それくらいの小さな一歩で大丈夫です。
つらいときや迷ったときは、一人で抱えこまずに産婦人科を頼ってくださいね。
あなたと赤ちゃんが、できるだけ穏やかな気持ちでこの時期を過ごせたら、それがいちばんですよね。