会社に勤めていると開催されるのが、「キックオフ」や「親睦会」「社員総会」「忘年会」などの「会社行事」。
会社としては、従業員の親睦を深めたり、業務をやりやすくするための機会の場として開催されることが多いでしょう。
ただ、毎回会社行事に参加しない従業員がいる場合、開催側としては良い印象は受けませんよね。
では、そんな会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げたり解雇・クビにしたりすることはできるのでしょうか?
また、ここでは従業員が会社行事に参加しやすくなるポイントや強制参加させるリスクやメリットについてお話していきたいと思います。
- 会社行事に不参加だからと評価を下げることは違法なの?!
- 会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることが違法にならない場合
- 会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることが違法になる場合
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント①労働時間内に行う
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント②日程を数日設定する
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント③開催日や内容を複数回告知する
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント④目的をハッキリさせる
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑤参加したくない意見を取り入れる
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑥従業員がメリットを実感できるようにする
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑦会社行事は「業務内」か「業務外」かをハッキリさせる
- 従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑧不参加でも受け入れられる会社作りをする
- 社内行事に強制参加はパワハラなのか?強制参加のリスクとメリット
- 社内行事がない会社ってチームワークが悪い!?会社の行事を考え直してみる3つのポイント
- 会社の行事に参加しない社員をクビにしたいです!のまとめ
会社行事に不参加だからと評価を下げることは違法なの?!
従業員同士の親睦を深めたり、部署のチームワークを深めたり、様々な目的をもって開催される「会社行事」。
実は、毎回参加しない従業員がいる場合に評価を下げることやクビにすることは、「違法になる場合」と「違法にならない場合」があります。
その違いは、会社行事を「労働時間として扱うか扱わないか」の違いです。
会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることが違法にならない場合
まず、会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることが違法にならない場合は、会社行事を「労働時間」として扱う場合です。
従業員は、雇用契約を会社と結んでいるので、労働時間内の会社行事であれば参加する義務があり、参加しなければ評価が下がり、最悪クビになる恐れもあります。
ただ、労働時間内に行う会社行事であれば、「賃金」を支払う義務が会社側にはあります。
また、休日や通常の業務終了後などの労働時間外に会社行事を行う場合には、「残業代」を支払う必要が会社側にはあります。
さらには、
- 1日8時間
- 週40時間
- 残業:週15時間・月45時間以内
会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることが違法になる場合
次に、「賃金が支払われない会社行事」、つまり
- 自由参加
- 業務外
なので、会社行事に毎回参加しない従業員の評価を下げる・クビにすることは違法になるというわけです。
ただ、今の日本の会社の多くは、「会社行事の不参加=協調性が無い・人間関係が上手くいっていない」と評価される場合がほとんどです。
人事評価の項目には
- 会社行事に参加している
- 人間関係を上手くやっている
つまり、会社行事に参加していないと、「人事評価が悪くなる=評価が下がる」につながるのが現実というわけです。
でも、私は会社行事に参加しないことが違法でも違法でなくても、参加しない従業員だけが悪いわけではないと思います。
会社側・主催者側も「参加したい会社行事」になっているかを見直す必要もあるのではないかと考えます。
では、従業員が会社行事に参加したくなるポイントを8つ、ご紹介したいと思います。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント①労働時間内に行う
まず、1つ目は会社行事を「労働時間内に行う」ということです。
親睦会などの会社行事を、会社負担のランチ会にすることで、従業員が参加しやすくなります。
特に業務時間外の親睦会は、「子どもがいるママ」や「介護をしている人」・「お酒が飲めない人」は参加しづらいものです。
労働時間内に会社内で開催すると主催者側も参加側も負担も少なくて済みます。
実際に私が結婚前に勤めていた会社では、定期的に社内でのランチ親睦会がありました。
しかも一人1品持ち寄るタイプの親睦会で、買った食品でもOK。
なので、子どもがいるママさんでも男性の方でも負担なく親睦会を楽しむことができていたいと思います。
持ち寄った食べ物をネタにした会話やランチ会自体は、その後の業務やコミュニケーションを円滑にする大きなきっかけになっていたと思います。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント②日程を数日設定する
業務時間外に会社行事を行うのであれば、従業員の予定を考慮してから決めるのも一つです。
特に現代は、昔よりもプライベートを重視する傾向があります。
プライベートの時間を無視して行う会社行事自体、避けられてしまいます。
多くの人が参加しやすい日程を事前に確認してから設定すると良いでしょう。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント③開催日や内容を複数回告知する
会社行事は、「1通メールで連絡したからOK」で終わらせないようにしましょう。
資料での回覧や掲示板での告知、部署での共有など何度も告知することで「知らなかった」「忘れていた」を防止することができます。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント④目的をハッキリさせる
何のための会社行事なのか、目的をハッキリさせましょう。
例えば、私が勤めていた会社で開催されていた「運動会」で言うと
- 運動不足解消
- 部署のチームワークの強化
- 担当者の育成
特に運動会の担当者は、その年の新卒入社の人たちが担当し、今までの担当者の経験を知り、進行や話し方の技術を身に着けていました。
従業員自身が、会社行事に参加する意義を感じられるかがポイントとなるでしょう。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑤参加したくない意見を取り入れる
会社行事に参加しないことには理由があるはずです。
その意見を聞き入れて、会社行事を改善するのも一つでしょう。
例えば、「アルコールが飲めないから参加したくない」という理由であれば、
- アルコール無しにする
- ノンアルコールを用意する
- 労働時間内に開催する
- 芸はやりたい人がやる
- 無理強いはしない
確かに、私が勤めていた会社では、社内恋愛は禁止ではないものの、「全従業員の前で公表する」といった変わった決まりがありました。
なので、毎年、忘年会で社内恋愛しているカップルは舞台に立って公表していました。
さすがに嫌だった従業員もいたと思いますし、交際を隠している従業員もいたのではないかと推測しますが…。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑥従業員がメリットを実感できるようにする
会社行事に気持ちよく参加してもらうためには、従業員にとってデメリットがあってはいけません。
例えば、業務時間外の会社行事なのに「代休」「振替休日」がなければ参加したい気持ちが冷めてしまいますよね。
きちんと、業務時間外の会社行事であれば「代休」「振替休日」をとれるようにしておきましょう。
また、表彰会や賞金や賞品が当たるゲームを取り入れるのも一つです。
私が勤めていた会社でも「忘年会」でのビンゴ大会は商品があり、毎年盛り上がりましたね。
ゲームももちろん楽しいのですが、仕事上では見られない人の姿をたくさん見られるのが会社行事の大きなメリットではないかと私は考えます。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑦会社行事は「業務内」か「業務外」かをハッキリさせる
「会社行事=嫌でも参加しないといけない」という考えではなく、「業務外であれば不参加でもOK」であることをきちんと伝えておきましょう。
もちろん、業務内でも「なぜ仕事の一環として会社行事を行うのか」もハッキリさせることがポイントです。
従業員が会社行事に参加したくなるポイント⑧不参加でも受け入れられる会社作りをする
毎回、会社行事に参加できない人にはそれなりの理由があるでしょう。
例えば、
- 子どもが小さくてお迎えに行く必要がある
- 親を介護している
- プライベートでやりたいことがある
業務外の会社行事に不参加であっても人事評価には影響しない・影響させないこともきちんと伝えておきましょう。
社内行事に強制参加はパワハラなのか?強制参加のリスクとメリット
会社の社内行事は、労働時間として行うか行わないかで「違法」「パワハラ」と線引きがされます。
社内行事への強制参加のリスク
「業務として」社内行事を開催するのであれば、従業員を強制参加させることは可能です。
ただ、業務内であっても「時間」や「お金」を犠牲にして参加する社内行事であればモチベーションの低下につながり、会社を辞めたいと思われる恐れがあります。
それに、会社側・主催者側も社内行事は企画から準備、本番と時間も労力も使います。
通常業務以外での作業も増えるので、社内行事は会社側・主催者側も参加者側にも負担がないものにするのがベストと言えます。
従業員が会社行事に参加したくなるポイントを押さえて、主催者側も参加する側も気持ちよく参加できる社内行事を企画していくのがポイントですね。
社内行事への強制参加のメリット
もちろん、社内行事にはメリットもあります。
何よりのメリットは、「従業員同士のコミュニケーションが増えること」だと思います。
私自身、務めていた会社は、月に1回の部署の親睦会をはじめ、毎年
- 運動会
- 忘年会
- マラソン大会
正直、「開催場所が会社から離れていて帰りが大変だな。」と思う程度で、部署間はもちろん。
部署の垣根を超えたコミュニケーションがとれて、良い機会だったと思っています。
ただ、月に1回の部署の親睦会は、会社負担でお金を負担してもらえていたこと。
「運動会」・「忘年会」は労働時間として見なされていたことが、良い機会と思える理由でもあると思います。
マラソン大会は、任意の参加で労働時間外でしたが、私は走ることが好きだったので毎年参加していましたし。
走らない従業員の方もたくさん応援に来てくれていました。
社内行事のメリットは、「従業員同士のコミュニケーションが増えること」。
その結果、「業務の円滑化」が図れるのではないかと思います。
働きやすい環境は、仕事へのモチベーションにもつながります。
社内行事がない会社ってチームワークが悪い!?会社の行事を考え直してみる3つのポイント
社内イベントに参加することを嫌がる社員がいたとしても。
だからと言って「社内イベント」を完全に廃止してしまうのは、社内への良い影響ばかりではないと思います。
普段の仕事では、なかなかプライベートな話が聞けなかったり、素を出して自分を曝け出すことが難しい若い社員にとっては。
イベントを通して新しい自分を知ってもらうチャンスになりますよね。
そして、その若い社員の様子を知って、より良いところを見つける上司の役割も担えるはず。
なので、社内イベントの参加を嫌がっている社員は、何が嫌なのかポイントを絞ることがまずは大切です。
よくある嫌だと思うポイントをまとめました。
社内イベントが嫌だと思う理由①イベントの頻度が多い
月に1度の開催であったとしても、多すぎると感じる社員がいるかもしれません。
もっとプライベートの時間に割きたい、と考えている社員もいるかもしれないですよね。
なので、隔月開催に変更したり、お盆や正月などの長期休暇前のみに限定するのも良いと思います。
社内イベントが嫌だと思う理由②社員のメリットとニーズを反映させる
同じ部署のメンバーのみのイベント開催が良いと思っていたとしても。
もしかしたら「他の部署にいる方との関係性を深めたい!」と考える社員が多いかもしれません。
自分とは違うニーズを社員が求めているからこそ、参加率の低さに繋がっている場合もあるのですね。
目的に見合わないイベントは、キッパリと中止にして、新しいイベントの機会を設けても良いかもしれません。
社内イベントが嫌だと思う理由③予算が高い
特に若い社員にしてみれば、キャリアを積んでいる社員よりも、給料が低いから金銭面での負担を感じて欠席をしているかもしれませんよね。
まして、今や物価高の時代だから、財布の紐が硬くなりがちの人が大半です。
イベントがたくさんあるわけじゃないのに参加率が低い場合には。
もっと予算を減らしたり、会社から予備費をもらうとかして調整をしてみてはいかがでしょうか。
会社の行事に参加しない社員をクビにしたいです!のまとめ
会社の行事に参加しない社員をクビにできるかできないかは、行事が労働時間内に行うのか労働時間外に行うのかで決まります。
労働時間内に行うのであれば、社員を強制参加させても違法・パワハラにはなりません。
ですが、社員のモチベーションの低下につながる恐れがあります。
きちんと社内行事の目的やメリットを明確にして、参加したくなる社内行事を目指しましょうね。