カラッと揚げた揚げ物は、夕ご飯のおかずに最高ですよね。
自宅で揚げた揚げたては、格別に美味しいものです。
でも!この自宅で揚げ物をしたときに厄介なのが「泡」です。
ジューっと油に素材を投入したとたんに、アワアワアワとカニのように泡立つ油。
なぜこの油の泡はでてきてしまうのでしょうか?
「なんでこんなに泡立っちゃうんだろう?」
そう思って、いろいろと調べてみたけど「油が古くなると泡立ちやすくなる」っていう情報はあるけど、自分が使っているのは今回初めて使う「まだ新しい油」です。
「もしかして安い油だから泡立っちゃうの?」
実際にそんなこと、あるんでしょうか?
揚げ物中の泡対策は?油が新しいのに泡立つのは油の量が少ないから?
実は、揚げ物おしているときの泡には、2種類のものがあります。
揚げ物を入れたときの最初に出てくる小さな泡
1つ目は、揚げ物を油に投入した際に「シュワワワ~」とでる小さな泡です。
これは、油に素材を投入すれば必ずでるものなので、気にすることはありません。
この「最初の小さな泡」はすぐ消えますので大丈夫です。
揚げ物の途中から出てくるぶくぶく泡
厄介なのは、2つ目の「ブクブクブク」とあとから出てくる泡です。
これは油が劣化したことで粘度が高くなり、泡が発生している可能性が高いです。
何度も再利用した油を使っていると、粘度が高くなってしまっていることが原因で、泡が消えにくくなってしまっているのです。
これは「カニ泡」とも呼ばれています。
新しい油なのに揚げ物で泡立つのはなぜ?
劣化した油で泡立ってしまうのはわかりますが、新しい油を使っていても泡立ってしまうことがあります。
でも油の劣化が原因でない泡は、なぜ発生するのでしょうか?
これには大きく「3つの理由」があるんです。
「油の値段」は関係ありませんので、ご安心ください。笑
揚げ物油が泡立つ理由①1度に沢山の素材を入れすぎている
新しい油を使っていても、一度に沢山の素材をいれてしまうと油の劣化を早め、泡が発生してしまうことがあります。
油の温度も急激に下がりますし、素材同士がくっついてしまうこともあるので、一度に沢山投入するのはやめておきましょう。
揚げ物油が泡立つ理由②卵の成分が流れ出てしまった
素材にパン粉をつける際に使用する卵。
この卵の中には“レシチン”という成分が含まれています。
このレシチンが油に多く溶け出すと、大きめの泡が発生してしまいます。
新しい油で発生する泡は、このレシチンが原因のことが多くあります。
パン粉の付きが甘かったりすると、発生しやすいようです。
揚げ物油が泡立つ理由③肉や魚の油が流れ出てしまった
動物性の食材を揚げた際に、中から動物性の油脂が溶けだします。
実はこの「動物性の油」も、泡の原因となります。
このようなことが原因となって、新しい新鮮な油を使っていても泡が発生することが多いようです。
揚げ物の泡はどのように変化していく?泡の状態ごとの対処法
新しい揚げ油の泡は、食材の周りだけに勢いよく泡が立つだけです。
食材を取り出すとすぐに泡は消えます。
しかし、どんどん劣化が進んでいくと(これを“油が疲れる”と言います)、食材を取り出してもしばらく泡が残るような状態になります。
泡の状態も含め、新しい揚げ油と疲れた揚げ油の違いをまとめます。
新しい揚げ油の見分け方
- 食材の周りにのみ泡が出る
- 食材を取り出すと泡が消える
- 透き通っている
- さらっとしている
- あまりニオイはしない
- 230~240℃の高温にならないと煙が出ない
疲れた(古い)揚げ油の見分け方
- 食材を取り出しても泡が残る
- (さらに古くなると)食材の周りだけでなく、お鍋の全体に泡が広がって食材が見えなくなる
- 色が濃い
- 粘り気がある
- 嫌なニオイがする(冷めた状態でもニオイがするならかなり古い)
- 180℃ぐらいでも煙が出る
泡の状態ごとの対処法としては、以下のようになります。
揚げ物で食材の周りのみに出る泡の場合の対処法
揚げ物で食材の周りのみに出る泡の場合は、新しい泡の正常な状態です。
特別に対処することはありません。
揚げ物で食材を取り出しても消えない泡の対処法
食材を取り出しても消えない泡の場合、油が少し古くなってきています。
揚げカスをこまめに取り除き、揚げた後はほどほどの熱さに冷めたらすぐに保存容器にうつして保管してください。
できるだけ空気に触れないようにフタをする必要もありますが、熱いままでフタをするとフタの裏に水蒸気がついてしまうので気を付けてくださいね。
揚げるたびに新しい油を“さし油”すると、まだもう少し長持ちしますよ
(さし油については、後ほど詳しく説明しますね)。
揚げ物で鍋全体に広がる泡の対処法
食材が見えないほど泡が広がってしまうのは、「油の末期状態」です。
この場合には、残念ですが新しい油に交換しましょう。
揚げ物中の泡を消してサクッと揚げるポイントは?
では、どうしたら泡を消して、美味しくサクッと揚げることができるのでしょうか?
繰り返しの油と新しい油、それぞれで対処法を見てみましょう!
繰り返し使った油の泡の対処法は?
油って、一度使っただけで処分してしまうのは勿体ないと思ってしまいますよね。
でも、なんども使って劣化してしまうと、油の粘度が高くなってしまって「カニ泡」が発生してしまいます。
もちろん、見た目や臭いであきらかに劣化している場合は、その油の使用はやめておきましょう。
まず、使用した油をオイルポットなどに移す場合、必ず濾過してからいれましょう。
つまり、揚げカスやゴミを取り除くということです。
大体のオイルポットには濾過用のネットがついていることが多いので当たり前かと思いますが、揚げカスなどが油の中に残っていると、油の劣化を早めてしまいます。
しっかりきれいにしてから、保管するようにしましょう。
そして、古い油を繰り返し使用する場合には、「古い油100%」ではなく、新しい油をさし油して使いましょう。
こうすることで劣化した油が薄まり、多少はきれいな状態で揚げることができます。
目安としては、油が鍋の底から3cmほどになるくらいまで、新しい油をたしてあげましょう。
新しい油を使ったときの泡の対処法は?
新しい油を使ったときの、泡防止のポイントは2つあります。
1つ目は「一度に揚げる量を減らすこと」です。
素材の入れすぎによって、油の温度は急激に下がります。
そうなってしまうと、泡立ちの原因となるだけではなく、焦げ付きを引き起こしてしまう場合もあります。
焦げてくっついてしまった素材では、サクッと美味しく揚げることができませんよね。
大きめの鍋で、多めの油で少しずつ揚げていくと、サクッと美味しい食感の揚げ物にすることができますよ。
2つ目は、卵に含まれるレシチンや、動物性の油溶けだしてことが原因の泡の対処法として、「油を足す」という方法があります。
これは、劣化した油の場合にも使用する方法ですよね。
揚げ物をしている油の量に対して、泡立ちを発生させる成分が多くなればなるほど、泡は立ちやすく、多く発生します。
油の量を増やしてあげることで、泡立ちを減らして、無くすことに繋がります。
ただしこの「油を足す」ときに気を付けたいのが、「油を足すということは、油の温度が下がる」ということです。
揚げ物をしている途中で泡が発生してしまい、焦って油を足すと、急激に油の温度は下がります。
油の温度が下がると、さらに泡を発生させてしまうこともなってしまいます。
そのようなことがないように、油を足したあとには、しっかりと油の温度を上げてから揚げ物を再開するようにしてくださいね!
揚げ物の泡が梅干しで消える?!黒ずんだ油がキレイになるって本当?
黒ずんだ油をキレイにするためには
「梅干しを焦げるまで揚げる」
「水分の多い野菜(青菜など)を入れる」
「水を入れて泡立てる」
などが良いと言われています。
しかーし!!
実はこれらの方法は昔からの言い伝えで、迷信だそうです。(えー!!)
黒ずんだ油は、どうやってもキレイに戻ることはないそうです。
裏技としていろいろな方法が紹介されていることもあるようですが、「油の専門家」でもある日新オイリオさんの公式ホームページでも
「迷信です」
とはっきり掲載されているので、きっとそれが本当なんだと思います。
日清オイリオ公式ページ「日清オイリオ’sキッチン|疲れた油の見分け方」
できるだけ黒ずんで古くなるのを遅らせるには、
- こまめに揚げカスを取り除くこと
- 揚げる度に新しい油をさし油をすること
- 揚げ終わったら、ほどほどの熱さになったらすぐに保存容器に移して冷暗所で保管すること
- 空気に触れて酸化することを抑えるために、保存容器にはフタをすること
私はいつも、油が冷めてから保存容器にうつしていました。(だって揚げ物をお腹いっぱい食べたらその後しばらく動けないから)
さらに、フタをするのは翌日の朝なんてこともあります。
しかし、今回、ほどほどの熱さで油を濾して片づけると、冷えた油よりもさらっとしているので上手に濾せるということもわかりました。
今度からは、揚げ物を食べたら一服する前に油の片付けをして黒ずみを予防しようと思います。
揚げ物で油が新しいのに泡が出るのはなぜ?のまとめ
揚げ物で油が新しいのに泡が出るのはなぜ?ということについてみてきました。
劣化した油で泡が発生するのはなんとなく知っていましたが、卵の成分で泡が発生するというのは初めて知った人も多いのではないでしょうか?
今後のお料理の際に、是非参考にしてみてくださいね。